2024年10月10日

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24カ月連続プラス。インバウンドは構成比で初の1割超え

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(71社・177店)の2月売上高は4329億円余で、前年比(店舗調整後)は14.0%増となり、24カ月連続でプラスだった。新型コロナウィルス禍前の2019年比でも6.3%増と伸び率が高かった。

春節商戦で活況だったインバウンドと、高付加価値商材が売上げをけん引したほか、中旬以降の気温上昇に伴い春物に動きがみられた。各社のバレンタイン催事や物産展の奏功のほか、閏年による営業日数増もプラス要因となり、入店客数も7.2%増と伸長した。

3カ月移動平均値は直近の12~2月が8.2%増、11~1月が6.5%増、10~12月が6.2%増、9~11月が7.5%増、8~10月が8.8%増、7~9月が9.8%増と、プラスを堅持した。

国内と海外の顧客別では、円安と春節休暇が重なったこともあり、インバウンドの売上高は171.5%増(23カ月連続)で469億円と、14年10月の調査開始以来、過去2番目に高い数値となった。売上高構成比では初の1割超え(10.9%増)を記録し、19年比で47.5%増と8カ月連続でコロナ禍前の実績を上回った。国内も活況で、6.5%増(24カ月連続、シェア89.1%)で、19年比でも2.8%増のプラスとなった。

地区別では、大都市はインバウンドや高額商材の好調で29カ月連続プラスとなり、18.1%増となった。うち9地区が前年実績をクリアしている。地方も6地区で前年実績を超え1.8%増と伸長した。

商品別では、主要5品目のうち、食料品(27.4%増)、衣料品(25.6%増)、雑貨(21.3%増)、身の回り品(16.8%増)の4品目が前年をクリアし、コロナ禍前の実績も超えた。ラグジュアリーブランドなどの高額品や化粧品は国内外ともに好調だった。美術・宝飾・貴金属は9.8%増、化粧品は8.7%増だった。

衣料品はオケージョン需要や天候与件などから春物が好調で、中でも婦人服が18.2%増と伸び率が高かった。食料品はインバウンドやギフト需要もあり好調に推移した。コロナ5類移行後の初のバレンタイン商戦は、ニーズに沿った各社の多様な商品展開や、店頭でのイートインが好評で盛況となった。