2025年5月 東京・大阪地区百貨店売上高
GWの手土産・母の日需要でケーキ、弁当、惣菜が好調
日本百貨店協会の調査によれば、5月の東京地区百貨店(12社・22店)の売上高は、1285億円余、前年比(店舗調整後)は9.1%減と4カ月連続でマイナスとなった。売上高と入店客数(9.5%減)がともに前年を下回っている。前年の免税売上げ高伸の反動、一部店舗の改装工事、週末の雨天が続くなどが影響した。インバウンドも売上げ、購買客数ともにマイナスとなった。
3カ月移動平均値は、直近の3~5月が6.5%減、2~4月が4.3%減、1~3月が0.4%減、12~2月が1.7%増、11~1月が3.1%増、10~12月が1.1%増だった。
商品別では、主要5品目のうち家庭用品を除く4品目でマイナスとなった。衣料品(7.0%減)は4カ月連続でマイナス。月を通して気温の高低差が大きく、夏物衣料の動きが鈍かったが、ジャケット、ブルゾン、カーディガンなどの羽織物が稼働した。紫外線対策アイテムやリカバリーウエアなど機能性を重視した商品が好調だった。
身の回り品(21.5%減)は、ラグジュアリーブランドのバッグ、財布、靴などは前年の免税高伸の反動で大幅に減少した。日傘やサングラス、サンダルなどの夏物商材は天候の影響で苦戦したが、スニーカーなどのカジュアルシューズは伸長した。
雑貨(6.9%減)は、3カ月連続マイナスで、化粧品(0.8%減)は前年にわずかに届かず45カ月ぶりにマイナスに転じた。クレンジング、化粧水、美容液、クリームなどのスキンケア商品が幅広く稼働した。美術・宝飾・貴金属(8.1%減)は、一部ブランドで価格改定前の駆込み需要がみられたが苦戦が続いた。家庭用品では家電(16.6%増)は6カ月連続でプラスとなった。
食品(1.7%減)はすべての細品目でマイナスとなり、生鮮食品(4.4%減)は14カ月連続、菓子(2.5%減)と惣菜(0.7%減)は11カ月連続でマイナスとなった。GWの手土産需要や母の日需要でケーキ、弁当、惣菜などが好調に推移した。各社企画の物産展などの食品催事も好調だった。中元が5月からEC受注をスタートしているが、米は需要増から展開後数日で完売するなど、活発に動いた。