2025年4月 東京・大阪地区百貨店売上高
価格改定前の駆込み需要で、化粧品が好調
日本百貨店協会の調査によれば、4月の東京地区百貨店(12社・22店)の売上高は、1267億円余、前年比(店舗調整後)は6.3%減と3カ月連続でマイナスとなった。売上高と入店客数(8.3%減)がともに前年を下回っている。前年の免税売上高伸の反動減が大きく影響し、高付加価値商材の売上げが減少。不安定な天候要因も重なり、ファッション関連が苦戦した。
3カ月移動平均値は、直近の2~4月が4.3%減、1~3月が0.4%減、12~2月が1.7%増、11~1月が3.1%増、10~12月が1.1%増、9~11月が0.5%増だった。
商品別では、主要5品目が全てマイナスとなった。衣料品(5.6%減)は3カ月連続のマイナスで、月初は低気温や不安定な気温から春物商材の動きが鈍かったが、中旬以降の気温上昇でTシャツやカットソー等の初夏物が稼働した。ビジネス関連は、仕事着のカジュアル化が進み、スーツ、ジャケットは紳士服・洋品(8.4%減)、婦人服・洋品(4.4%減)ともに苦戦を強いられた。
身の回り品(15.3%減)は、為替の影響や訪日客の購買傾向の変化もあり、ラグジュアリーブランドのバッグ、靴等が低調で二桁減だった。これまで好調だったスーツケースも免税不調で売上げが減少。アクセサリーは先月に続き好調に推移した。
雑貨(4.0%減)は、2カ月連続でマイナスとなるものの、化粧品(5.4%増)は一部ブランドの価格改定前の駆込み需要もあり好調。インバウンドの購買傾向もライン使いが浸透し、高単価で推移した。美術・宝飾・貴金属(7.0%減)は、一部価格改定前の駆込みがみられたほか、時計は資産性商材の関心の高さがあり堅調だった。
食品(0.9%減)は継続的な価格高騰の影響で、前年にわずかに届かなかったが、先月より3.5ポイント改善。物産展や外国展等、各社企画の食品催事が好調だった。自家・ギフトともに和洋酒の需要増により、その他食品(1.6%増)は、13カ月ぶりにプラスに転換した。菓子(1.8%減)はマイナスではあるが、GWの手土産需要で和洋菓子ともに堅調に推移し、先月より3.8ポイント改善した。