2025年6月 全国百貨店売上高
円高傾向でインバウンドの高額品購買が減少継続
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・178店)の6月売上高は4615億円余、前年比(店舗調整後)は7.8%減と5カ月連続のマイナスとなった。前年、高伸した免税売上げ(2024年6月、 661億円)の反動のほか、休日数減(土曜1日減)による入店客数減(2.0%減)も影響した。
インバウンドは円高傾向の定着により高額品の購買減少が継続しており、売上高392億円(40.6%減)と4か月連続マイナス。購買客数も50万人(13.8%減)で2か月連続マイナスとなった。購買客数は香港、韓国が大幅減の一方で、タイ、マレーシアは増加。購買単価は31.2%減と苦戦した。
国内市場は先月まで回復傾向を示していたが、6月は2.8%減と先月より2.0ポイントダウンした。10都市以外の7地区は4.8%減と先月より3.6ポイントマイナス幅が拡大。札幌、京都、大阪の3地区はプラスだった。
地区別では、10都市は全地区マイナスとなった。福岡(18.1%減)、広島(11.3%減)、東京(10.6%減)は2桁減。引き続き、前年に免税売上げが高伸した影響が大都市店舗で目立つ。身の回り品が22.0%減、美術・宝飾・貴金属が14.1%減だった。10都市以外の7地区では 全地区マイナス。入店客数は前年並み(0.6%増)も売上は先月より3.4ポイントダウンした。
商品別では、主要5品目全てが前年割れ。特にラグジュアリーブランドのバッグ、財布、靴などの高額品を含む身の回り品は前年の免税売上高伸の反動、並びに前年価格改定前の駆け込みもあり2桁減。月後半は高気温が続き、サングラスや晴雨兼用傘等は好調だった。雑貨では、化粧品(6.3%減)はマイナスに転じたが、国内はUVケアやスキンケア商品などが堅調だった。食品は価格高騰の影響などで3か月ぶりにマイナスとなったが、菓子は国内外の手土産需要が好調で3か月連続プラス。中元商戦はギフト市場の縮小もあり、贈答品は件数が減少傾向も、自家需要は堅調だった。月後半からのクリアランスは夏物衣料を中心に好調な滑り出しだった。