2025年8月 全国百貨店売上高
国内は盛夏商材が好調、インバウンドは客数が8月過去最高に
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・178店)の8月売上高は4139億円余、前年比(店舗調整後)は2.6%増で7カ月ぶりにプラスとなった。前年の台風や大雨などによる一部店舗の臨時休業・時短営業といったマイナス影響の反動に加え、休日1日増のプラス与件から入店客数は同比6.1%増と9カ月ぶりにプラスだった。
インバウンドの売上高は441億円で、4.7%減と6カ月連続マイナスだった。為替相場が前年並みに推移し、前年4月からの円安による高伸反動影響が落ち着き、マイナス幅は先月より31.6ポイント回復した。化粧品を含む消耗品は4カ月ぶりにプラスとなり、2桁増。購買客数は49.4万人と8.9%増で、8月として過去最高を記録した。中国、台湾の購買客数は2桁増だった。
国内市場は3.5%増(シェア89.3%)と7カ月ぶりにプラスとなった。残暑が長引き盛夏商材が好調に推移したほか、夏休みのファミリー向けイベントや物産展などの催事が奏功した。10都市は4.2%増となり、札幌、仙台、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡の8地区がプラスとなった。10都市以外の7地区も1.4%増で、関東、近畿、中国、四国の5地区はプラスに改善した。名古屋、大阪は2桁増だった。
インバウンドと国内を合わせた地区別では、10都市は札幌、東京、広島を除く7地区がプラスとなった。時計・宝飾などの高額品や化粧品が好調で、雑貨は6.3%増。大阪は万博効果などもあり、入店客数は2桁増となった。10都市以外の7地区は、東北、中部を除く5地区がプラスだった。美術・宝飾・貴金属は7.3%増と伸長した。
商品別では、主要5品目のうち身の回り品を除く4品目がプラスとなった。各地で猛暑日が続き、衣料品はTシャツやカットソーなどが好調に推移し、洋品・雑貨は日傘や帽子、サングラスなどの盛夏商材が活況だった。化粧品はUV関連商品が稼働した。夏休み、お盆期間中は帰省や旅行客で入店客数が増え、手土産などのギフト需要が高まり、菓子は5.1%増だった。客数増に伴いレストランやビアガーテンなども好調で、食堂喫茶は4.4%増と14か月ぶりにプラスとなった。