2025年8月 東京・大阪地区百貨店売上高
インバウンドのマイナス幅が改善、国内は外商が好調、
日本百貨店協会の調査によれば、8月の東京地区百貨店(12社・22店)の売上高は1182億円余、前年比(店舗調整後)は2.3%減と7カ月連続でマイナスとなった。売上高と入店客数(5.6%減)がともに前年を下回った。一部店舗の改装工事などが影響したが、インバウンド売上げのマイナス幅が縮小し、前月より7.7ポイント、客数は6.6ポイント改善した。国内客は外商顧客向け催事が好調で、1.1%減と前月より3.1ポイント回復した。
3カ月移動平均値は、直近の6~8月が8.1%減、5~7が9.9%減、4~6月が8.8%減、3~5月が6.5%減、2~4月が4.3%減、1~3月が0.4%減だった。
商品別では、主要5品目のうち家庭用品と食品がプラスとなった。 細分類では、子供服・洋品、美術・宝飾・貴金属は7カ月ぶりにプラスとなったほか、 化粧品は4カ月ぶり、菓子、惣菜は14カ月ぶりにプラスとなった。紳士服・洋品、 婦人服・洋品は7カ月連続、生鮮食品は17カ月連続でマイナスとなった。
衣料品(4.0%減)は、高気温が続き秋物の動きは鈍かったが、秋色夏素材の晩夏のセールアイテムが好調だった。婦人服は透け感のあるシアー素材の羽織やブラウス、カットソーなど、今買って秋まで着られる端境期商品が高稼働した。紳士服は、ポロシャツやTシャツなどの夏物衣料が好調で、紳士・婦人ともに接触冷感や撥水といった機能性素材商品が人気だった。リカバリーウェアは引き続き好調だった。
身の回り品(3.6%減)は、ラグジュアリーブランドはインバウンドの高額品離れもあり低調だったが、国内の外商顧客向け催事で富裕層の購買意欲を捉え堅調に推移し、17.1ポイント改善した。婦人靴はカジュアル傾向が浸透しスニーカーが好調だった。サンダルも堅調に推移した。
雑貨(0.5%減)は、化粧品が国内外ともに好調で0.7%増だった。UV関連商品や、月後半からは秋の新作アイテムも稼働した。美術・宝飾・貴金属(0.7%増)は、前月に引き続き金製品が堅調に推移し、宝飾では一部価格改定前の駆け込みも見受けられた。
食品(3.1%増)は、生鮮食品が価格高騰や青果の不作などでマイナスが継続した。夏休みやお盆で人が集まる機会が増加し、帰省土産で菓子(3.2%増)、同様に弁当、寿司、惣菜が好調だった。各社の食品催事も成功し、食品全体の売上げを押し上げた。