2024年10月08日

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国内客は前年、19年比でマイナスへ

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(71社・177店)の7月売上高は5011億円余で、前年比(店舗調整後)は5.5%増、2019年比4.0%増と好調を維持している。入店客数は2.3%増となり、売上げと共に29カ月連続でプラスだった。

土曜・日曜の各1日減やクリアランスの前倒し、猛暑や荒天の影響で主要顧客層の外出機会が減少するなどマイナス要因もあったが、増勢が続くインバウンドと高付加価値商品がけん引したほか、夏物衣料や服飾雑貨など盛夏商材が好調だった。クリアランスは実需品へのニーズが高く、プロパー商材の動きがよかった。各社が企画した夏休みのファミリーイベントやアニメ展、物産展などの食品催事や外国展などの各種施策も売上と集客に寄与した。中元商戦は自家需要も好調で、全体的に堅調だった。

顧客別では、インバウンドが102.3%増の633億円と28カ月連続のプラスで、19年比でも125.5%増と高伸した。購買客数は過去最多の先月(57.9万人)に次ぐ、57.1万人(77.1%増)だった。免税売上げの1~7月累計は3978億円(150.4%増)で、過去最高だった2023年年間売上げ(3484億円)をすでにクリアした。

国内市場は、高額商材が好調だったものの、食料品が苦戦し1.3%減(シェア87.4%)と、3カ月ぶりにマイナスに転じた。19年比では3.6%減だった。

地区別では、大都市はインバウンドと高額消費がけん引し、8地区で前年実績をクリアした。札幌(14.2%増)、福岡(12.8%増)、大阪(11.6%増)の3地区では2桁増だった。福岡は前年の豪雨による時短営業などの反動もプラス要素となった。地方は6地区で前年に届かず2カ月ぶりにマイナスに転じたが、中部地区(12.0%増)は岐阜高島屋の閉店セールの活況もあり2桁増だった。

商品別では主要5品目のうち食料品(4.2%減)を除く全てで前年実績をクリアした。ラグジュアリーブランドを中心とした身の回り品(17.0%増)、美術・宝飾・貴金属(16.1%増)、化粧品(12.4%増)は国内外共に好調だった。気温が高い日が続いたことから、UV対策アイテムなど季節商材が活発に動いた。食料品(4.2%減)は価格高騰や一部青果の不作などで2カ月ぶりに前年割れとなった。