2024年11月07日

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2024年7月 東京・大阪地区百貨店売上高

価格高騰で生鮮食品が苦戦

日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の7月売上高は1517億円余だった。前年比(店舗調整後)は8.3%増と35カ月連続プラス、入店客数は0.8%増の19カ月連続プラスとなった。土曜・日曜の各1日減や梅雨明け後の荒天、猛暑などマイナス要因があったものの、高伸が続くインバウンドと高付加価値商材の伸長が全体を押し上げた。盛夏商材の需要増や、各社施策の夏休み催事の奏功も、プラスに寄与した。19年比でも11.4%増と3カ月連続で2桁増だった。

3カ月移動平均値は、直近の5~7月が13.7%増、4~6月が14.8%増、3~5月が12.9%増、2~4月が13.2%増、1~3月が11.7%増、12~2月が9.7%増だった。

商品別では、食料品(6.1%減)を除く4品目が前年をクリアした。主力の衣料品(7.0%増)は34カ月連続のプラス。猛暑の影響でカットソー、ポロシャツ、サマーニットなど夏物衣料が好調に推移した。婦人服では、ブラウス、スカート、ワンピースも動いた。クリアランスはセール品の在庫数量減少などで規模が縮小したが、定価品は伸長した。

身の回り品(23.5%増)は35カ月連続のプラスで、ラグジュアリーブランドを中心にハンドバッグ、財布などが高い伸長率を維持した。外出需要でトラベルバッグやシューズなど旅行用品も好調だった。天候与件から晴雨兼用傘や帽子なども動いたほか、ゲリラ豪雨対策で長傘も伸長した。

雑貨(11.4%増)は35カ月連続のプラスだった。化粧品(17.0%増)はスキンケアやUV商品が好調に推移したほか、インバウンド需要も活況が続く。美術・宝飾・貴金属(11.6%増)では時計が好調だった。

食料品(6.1%減)は、プラスとなった先月から、再びマイナスに転じた。生鮮食品(7.2%減)は価格高騰の影響で4カ月連続マイナスで、菓子(3.5%減)は前年の高伸(14.3%増)の反動もあり10カ月ぶりにマイナスとなった。土曜の丑の日は堅調だった。中元ギフトは自家需要が増加し、猛暑からゼリーやアイスなどの冷菓が動いた。