2026年04月22日

パスワード

購読会員記事

知られざる工場ブランドで感動体験を 高崎発セレクトショップ「メゾンドエフ」の挑戦

高崎高島屋の4階に構える。売場面積は約80㎡で、扱う商品は300~500SKUほど

メイド・イン・ジャパンの商品をブランディングする取り組みが、日本各地で活発に行われている。その中で、群馬県高崎市でファクトリーブランドのセレクトショップに挑戦した企業がある。高崎高島屋だ。同店に構える「メゾンドエフ」は2020年のスタートから成長を続け、今では新宿や日本橋、柏、横浜など高島屋の他店舗にもポップアップを出している。なぜこれほど成功したのか? メゾンドエフを企画し、現在も運営を手掛ける中里康宏バイヤーに尋ねた。


MD本部紳士服・紳士雑貨・スポーツ部次長(高崎店駐在バイヤー)の中里康宏氏

MD本部紳士服・紳士雑貨・スポーツ部次長(高崎店駐在バイヤー)の中里康宏氏

お客様と百貨店、取引先によるコミュニティが生まれ好循環に

――「メゾンドエフ」は、どのようなショップですか。簡単に教えてください。

日本のファクトリーブランドを中心に集めたセレクトショップで、高崎高島屋の4階で展開しています。地方には、あまり知られていないけれど素晴らしいブランドがたくさんあります。そうしたブランドや工場、商品を広く知ってもらいたいと思い、社内公募制度を通じて企画しました。

実はメゾンドエフの「エフ」は、「ファクトリー」(工場)に加えて、「ファインド」(発見)、「フリー」(自由)といった意味も込めています。百貨店の売場の「婦人服」「紳士服」「リビング」「食品」といったカテゴリーを超えたいという考えがありました。ですので衣料品や衣料雑貨、レザーアイテム、フレグランスなどの生活雑貨など幅広く扱っていますし、メンズ・レディースの両方があります。

価格帯は、生産者と直接やり取りするため、百貨店の平均的な価格より廉価です。例えばTシャツは、通常なら1万2000~3000円程度ですが、メゾンドエフでは9000円くらいです。商品の価格に対して品質が高いことが、お客様に支持されている理由の1つです。

――売上高など、商況はいかがですか。

おおむね順調です。ショップのオープンは2020年4月1日で、その後すぐはコロナ禍となりましたが、売上げは右肩上がりを続けています。24年度(24年3月~25年2月)は前年同期比で50%増でしたし、直近の25年9~11月は同25%増となりました。利益面も、23年頃に黒字化を達成しています。

売上げが伸びている要因として、お客様が増え、顧客基盤ができていることが大きいです。メゾンドエフで扱う商品はどれもものづくりの背景やストーリーがあり、そのことを販売スタッフがしっかりとお客様に伝えることで、お客様に共感を生み出しています。

お客様の価値観が多様化する中で、国内各地の産地のファンや、シャツ、靴といったアイテムにこだわる層など、様々なコミュニティがあります。メゾンドエフを通して、コミュニティ同士が交わることで、それぞれの新しいファンを獲得する好循環ができています。産地の活性化に貢献できますし、苦戦する地方百貨店の活路になると実感しています。

この記事の全文を読むためには、購読手続きが必要になります。
すでに購読済のユーザーは以下からログインし、引き続きお楽しみ下さい。