百貨店大手、第3四半期はインバウンド反動減で減益へ
第3四半期は、前年高伸した免税売上高の反動と地政学的な影響が反映された
百貨店大手の2026年2月期第3四半期決算(25年3~11月)が発表された。高島屋、松屋は、いずれも前年に大きく伸長した免税売上高の反動減が影響し、減収減益を強いられた。J.フロント リテイリングは大阪・関西万博や訪日客の増加の恩恵を受け増収となったが、免税売上高の減少が影響し、減益だった。3社とも連結業績は予想通りに推移しており、25年10月の第2四半期決算発表時の業績予想から変更はない。
高島屋、国内客は堅調も減収減益に
高島屋の連結業績は、前年同期に好調だったインバウンド需要の反動などにより、営業収益が3538億円(前年同期比2.2%減)、営業利益が372億円(10.3%減)、経常利益が359億円(14.1%減)となり、前年同期を下回る結果となった。一方で経費管理の徹底や投資損益の改善などにより、純利益が297億円(14.0%増)となり、営業収益と営業利益は前年同期を下回ったものの、純利益は増加し、収益構造が改善した。
国内百貨店業は、インバウンド需要の前年実績からの反動減が影響し、営業収益は2185億円(5.1%減)、営業利益は162億円(21.4%減)となり、いずれも前年同期を下回った。国内客の売上げは堅調に推移したが、商品利益率が百貨店店頭では前年から微減となった。主な要因は、利益率の低いラグジュアリーブランドなどが前年を上回り、売上構成比が変化したことによる。
海外百貨店業は、営業収益は241億円(1.2%減)と微減だったものの、営業利益は56億円(1.4%増)と増益を確保した。シンガポールではコスト削減を推進し増益となり、ホーチミンでは成長分野である子供用品や支持の高い化粧品などの品揃え強化とともに、コストの増加を最小限に抑制したことで増収増益となったことなどが、全体の収益を下支えした。
J.フロント、百貨店事業とSC事業が好調
J.フロント リテイリングの連結業績は、総額売上高が9403億円(2.9%増)、売上収益が3281億円(3.8%増)と前年同期比で増加したものの、事業利益が415億円(7.4%減)、営業利益が406億円(20.4%減)、純利益が246億円(33.4%減)となった。売上収益の増加は、百貨店事業・SC事業を中心に堅調に推移したことが寄与している。
百貨店事業は3~11月の売上収益が1941億円(3.8%増)、事業利益が238億円(11.4%減)、営業利益が228億円(9.6%減)。9~11月は、売上収益が645億円(8.0%増)、事業利益が78億円(14.4%増)、営業利益が62億円(5.0%増)となった。
第3四半期の増収は、大阪・関西万博のオフィシャルショップによる増収効果に加え、富裕層向けイベント強化の奏功、訪日客の増加、円安傾向による免税売上高の伸長が寄与した。ただし、前年同期に比べて原価や販売費、一般管理費の増加、一部店舗の改装費用や事業再編にともなう費用計上などが反映され、累計では減益となった。
松屋、販管費の増加や固定費負担なども影響
松屋の連結業績は、総額売上高が338億(6.3%減)、営業利益が18億円(48.8%減)、経常利益が18億円(48.3%減)、純利益が5億円(71.2%減)の減収減益だった。主力の百貨店業における富裕層を中心とした消費動向が堅調な一方、前年度に過去最高を記録した免税売上高の反動と、販管費の増加や固定費負担などの影響が重なった。
飲食業やビル総合サービスなど一部のセグメントでは堅調に推移したが、全体としては減収減益の傾向が強まった。