2020年07月06日

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2020年夏 中元特集 第3回 ギフトセンターは「密」回避へ

2020/06/24 1:12 pm

外出自粛中も豊かな生活を――。百貨店業界の各社は今年の中元商戦で、新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、外出を避けて自宅で過ごす「巣ごもり」を続ける人々に向け、その時間を豊かに、快適にする食品や衛生用品などを拡充した。インターネット通販の品揃えや特典、サービス、機能も強化。コロナ禍で利用者の増加に拍車がかかったネット通販の商機を最大化する。店舗のギフトセンターでは、入口にアルコール消毒液を置いたり、客と販売員の間にビニールシートを張ったり、客と客の間に仕切りを設けたり、衛生面への配慮を徹底。安心して買い物を楽しめる環境を提供する。新型コロナウイルスの影響で、中元商戦も例年と異なる様相を呈するが、安全・安心を追求する百貨店の姿勢は変わらない。


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焼菓子で中元商戦に攻勢


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320年で培っただしの魅力を全面に


展示スペースを縮小し、距離を確保

百貨店各社は、あの手この手でギフトセンターの「3密」を回避する。インターネット通販サイトの利便性を向上させる、特典を付けるなどしてギフトセンターからネットへの移行を促進するが(中元特集 第1回ネット販売、コロナ禍で利用に拍車)、様々な事情でギフトセンターへ足を運ぶ客もいる。整理券を発行して待ち時間や人数がわかるシステムを導入する、商品の陳列棚を減らして通路を拡大する、待合席や受注カウンターの間隔を空ける、人と人との間にパネルやシートを設置するといった対策を講じ、感染拡大を防ぐ。

高島屋は滞在時間を最短化するため、展示するサンプルの数を減らした

多く見られたのが、スペースにゆとりを持たせるために、商品の展示などを縮小した店舗だ。大丸松坂屋百貨店は、商品の陳列棚や待合スペースの設置を中止した。松屋は商品の什器を2割削減し、東急百貨店も商品の展示を休止。京阪百貨店は受注カウンターや待合席を間引きした。いずれも通路や受注カウンター、待合席の間隔などを広く取り、客のソーシャルディスタンスを確保する。

客と従業員が会話をする受注カウンターでは、仕切りを設けてウイルスの飛沫を防ぐ。小田急百貨店はパネルを、近鉄百貨店はビニールシートを設ける。阪急阪神百貨店はクリアパーテーションを置き、客専用のモニターも設置する。東武百貨店は従業員がフェイスシールドを着用する。

東武百貨店は受注カウンターの客と従業員の間にカーテンを設け、従業員はフェイスシールドを着用する

近鉄百貨店は待合席の間隔を空け、一カ所に固めず分散する(写真は閉店後に撮影)

混雑の緩和に繋げるため、待ち時間や人数がわかるシステムを利用する店舗もある。三越伊勢丹は、整理券のQRコードをスキャンして待ち時間や人数がわかるサービス「エアウエイト」を採用。そごう・西武の西武池袋本店も、会場外で順番を確認できる整理券システムを導入した。

京王百貨店は、以前は掲出ポスターなどの販促物で店舗のキャンペーンを告知していたが、今年はインターネット通販サイトの利用を訴求して誘導する。高島屋もダイレクトメールなどを使い郵送やファックス、ネットでの注文を勧める告知を強化する。

各百貨店は消毒液の設置、金銭授受でのトレーの使用、従業員のマスクの着用や手の消毒といった基本的な対策も徹底し、安全な買い物環境をつくる。

2020年夏 中元特集 第2回

家ナカ時間の充実や、生産者応援で訴求

2020年夏 中元特集 第1回

ネット販売、コロナ禍で利用に拍車

 

■東京・大阪の主要百貨店の施策一覧■

高島屋 原則として併催のイベントを中止し、3密を回避するスペースを十分に確保する。滞在時間を最短化するため、サンプルの点数を減らして陳列スペースを縮小。混雑時の入場制限、受注カウンターを代表者1名に限定も行う。申込書の「事前記入台」を設置し、受注時の接触時間を減らす。試食販売は中止。受注カウンターにはパーテーションを設置する。ダイレクトメールなどで郵送やファックス、ネットでの注文を勧める告知を強化する
三越伊勢丹

〈三越〉 〈伊勢丹〉

整理券のQRコードをスキャンすることで待ち時間や人数が分かるサービス「エアウエイト」を導入し、順番待ちによる混雑を防ぐ。公式サイトにも表示されるため、出掛ける前に状況を確認できる

〈三越日本橋本店〉併設催事を中止し、商品陳列スペースと会場通路スペースを広く確保する。受注カウンターは隣の席との距離を十分に確保し、アクリル板を設けてウイルスの飛沫感染を防止する

〈伊勢丹新宿本店〉会場の出入口を1カ所に限定し、滞留者数を制限する。会場内での試食、プロモーションを行わない。カウンター席数を減らし、スペースを確保する

大丸松坂屋百貨店 待合・展示スペース、商品陳列を設けない。接客時間を削減するため受注は簡易包装を徹底し、会場内などで事前に告知する。カウンターはゆとりを持って並べ、飛沫感染防止シールドを設置する。受注ごとにカウンターやPC、ボールペンを消毒し、従業員は金銭授受ごとに手をアルコール消毒する
そごう・西武 〈西武池袋本店〉会場外で順番待ちを確認できる整理券システムを導入した。入口にはアルコール消毒液を配備する。客と担当従業員の間にはビニールシートを、客と客の間には仕切りパネルを設置する。受注カウンターは1台ごとの間隔を、昨年は60センチのところを180センチに拡大した
松屋 試食は中止する。受注スペースの面積を約1.5倍に拡大し、カウンターや待合席の間隔を1メートル以上空けるなどして、ソーシャルディスタンスを確保する。商品什器は2割減らし、陳列と接客に余裕を持たせた。飛沫感染防止のためのビニールシートを設置する
小田急百貨店 消毒液を設置。受注カウンターには飛沫感染防止のためのパネルを設ける。受注カウンターや待合スペースなどの座席の距離を確保する。従業員は検温、マスク着用、手の消毒など感染予防を徹底する
京王百貨店 受注スペースのソーシャルディスタンスを確保し、飛沫防止の対策を行う。ポスターなどの販促物は今まで店舗のキャンペーンを告知してきたが、今回はインターネット通販の訴求を強化し、会場の混雑緩和に繋げる
東急百貨店 サンプルの展示を休止し、受注スペースにゆとりを持たせる。出入口には消毒液を用意し、会場には飛沫防止のパーテーションを設置する。従業員はマスク着用、手洗い、消毒を徹底する。客にはマスクの着用と記入用の黒のボールペンの持参を呼びかける
東武百貨店 受注スペースや展示スペースの通路を拡大し、ソーシャルディスタンスを確保する。試食、試飲は中止。受注カウンターはカーテンを設置し、従業員はフェイスシールドを着用する
阪急阪神百貨店
阪急 阪神
消毒液を用意する。受注カウンターと待合席の間隔を確保し、商品陳列スペースもゆとりを持たせる。受注カウンターにはクリアパーテーションや客専用モニターを設置する
近鉄百貨店 会場の面積を増やし、通路を広くして密を避ける。受注カウンターは昨年並みの数だが席の間隔を空け、間仕切り板を設置。客と従業員の間にはビニールシートを設置する。待合室も間隔を空け、一カ所に固めず分散する
京阪百貨店 従業員はマスクを着用。受注カウンターには飛沫防止のプレートを設置する。受注カウンターや待合席は間引きして距離を空ける。試食は中止する