2024年10月06日

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夏物が高稼働、インバウンドは好調続く

大手百貨店4社の4月売上高はいずれもプラスで、阪急阪神百貨店が19.8%増、高島屋が15.8%増、大丸松坂屋百貨店が13.2%増、三越伊勢丹が10.9%増となった。気温の上昇に伴い夏物アイテムが好調だったほか、インバウンド需要が大きいラグジュアリーブランドを中心とする高額品や化粧品もプラス基調が継続している。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は15.8%増だった。店頭に限ると16.2%増で、2019年比では14.1%増。免税を除いた店頭売上高は19年比3.9%増となった。店舗別では13店舗のうち7店舗が増収で、大阪(41.1%増)、京都(26.5%増)、新宿(18.5%増)、日本橋(15.0%増)の大型店がけん引した。グループ百貨店の岐阜(16.3%増)も増収だった。

主要5品目はすべてプラスで、身のまわり品(40.6%増)、雑貨(24.8%増)が2桁の伸びを示した。品目別では美術・宝飾・貴金属(32.6%増)、家具(27.8%増)、化粧品(20.0%増)が高い伸び率となった。婦人服・洋品(12.6%増)も好調だった。

対国内客では気温の上昇に伴いブラウス、カットソーや日傘、帽子などが堅調に推移した。ゴールデンウィークに向けスーツケースなど旅行用品にも動きが見られた。インバウンドは、ラグジュアリーブランドを中心とする高額品が売上げを押し上げ、単月として2カ月連続で過去最高額を更新した。

法人事業は受注が堅調に推移し15.3%増となり、クロスメディア事業はカタログの発行時期変更などの影響もあり4.2%減だった。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は10.9%増となり、16カ月連続でプラスとなった。首都圏5店舗は14.2%増で、前月と同様に三越銀座店(29.1%増)、伊勢丹新宿本店(15.7%増)、三越日本橋本店(10.7%増)の基幹店がけん引した。

主要5品目は食料品(3.5%減)を除いた4品目がプラス。雑貨(21.8%増)、身の回り品(19.4%増)が2桁増で、衣料品(8.5%増)、家庭用品(2.1%増)も健闘した。

カテゴリーでは引き続きラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾、化粧品が好調で、後半の気温の上昇に伴い例年と比較して夏物アイテムにも動きがあった。さらに、各店で実施した独自性の高いイベントも集客につながり、売上げに寄与した。インバウンドは単月で最高額となった23年12月を大きく上回った。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比13.2%増で、16カ月連続でプラスとなった。関係百貨店を除いた店計は12.8%増、入店客数の前年比も4.1%増だった。店舗別では心斎橋(37.2%増)、京都(25.3%増)、札幌(14.3%増)、東京(12.5%増)、博多大丸(10.8%増)が好成績だった。

商品別では主要5品目全てプラスで、雑貨(19.6%増)が好調だった。インバウンド需要の増加も寄与し、化粧品(27.5%増)は高伸長が継続している。身の回り品の美術・宝飾・貴金属(17.4%増)も伸び率が高かった。アクセサリーやハンドバッグのほか、パラソルなどのUV対策商品も好調だった。衣料品(16.4%増)も2桁の伸びを示し、婦人服・洋品(19.7%増)は名古屋店の大型改装による売場面積縮小などのマイナス影響があったものの、ラグジュアリーブランドが引き続き売上げをけん引した。紳士服・洋品(0.4%減)は、ジャケットやパンツが好調だったが、スーツが伸び悩んだ。食料品は、花見需要などにより惣菜(7.4%増)が売上げを伸ばした。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は19.8%増で、21カ月連続の増収だった。阪急本店(29.6%増)は好調が続いている。阪神梅田本店は5.8%増だった。支店も、前月(11.4%増)に続き増収(10.2%増)で、博多阪急(25.6%増)、阪神・御影(21.2%増)、神戸阪急(12.7%増)、阪急メンズ東京(10.9%増)が2桁増を遂げ、高槻阪急スクエア(6.3%増)、宝塚阪急(1.5%増)もプラスを維持した。

主要5品目では、家庭用品(16.8%減)を除く4品目がプラス。身の回り品(46.0%増)、雑貨(28.0%増)、衣料品(13.8%増)は引き続き高い伸び率となった。