2025年9月 全国百貨店売上高
2カ月連続でプラス、大阪は万博やプロ野球優勝で活況

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・176店)の9月売上高は4288億円余、前年比(店舗調整後)は1.4%増で2カ月連続でプラスとなった。休日1日減のマイナス影響があったものの、国内売上げが好調に推移し、インバウンド売上げも前年並みの水準まで回復した。各社企画の物産展といった食品催事や外国展、外商顧客向けイベントなども奏功し、売上げと集客に寄与した。
インバウンドの売上高は396億円で、0.3%減と7カ月連続マイナスだった。マイナス幅は先月より4.4ポイント回復した。化粧品を含む消耗品は2カ月連続で2桁増。購買客数は46.3万人と2.8%増で、9月として過去最高を記録した。中国、台湾の売上げ、購買客数は共にプラスとなった。大阪は万博開催の影響もあり好調だった。
国内市場は1.6%増(シェア90.8%)と2カ月連続でプラスとなった。10都市は東京、横浜、名古屋、大阪、神戸の5地区がプラスとなり、3.7%増と2カ月連続でプラスだった。大阪は2桁増だった。10都市以外の7地区は、すべてマイナスで5.2%減だった。
インバウンドと国内を合わせた地区別では、10都市は東京、横浜、名古屋、大阪、神戸の5地区がプラスとなった。時計・宝飾などの高額品が好調で、雑貨は10.4%増と伸長。東京は一部店舗の改装の影響が一巡し、8カ月ぶりにプラスに転換した。大阪は万博のほか、プロ野球の優勝セールも活況で9.1%増と大きく伸長した。10都市以外の7地区は、すべてマイナスだった。猛暑や大雨といった天候不順や催事開催の期ずれなどもあり、入店客数は3.3%減だった。食品は3.6%減と4カ月連続マイナスとなった。
商品別では、主要5品目のうち雑貨、食品の2品目がプラスとなった。主力の衣料品は長引く残暑の影響で秋物商材の動きは鈍かったものの、中旬以降は気温低下により羽織物なども稼働した。身の回り品は外商顧客向け施策やインバウンドが回復傾向の店舗の影響で、堅調に推移した。雑貨は、化粧品が国内外共に好調だったほか、美術・宝飾・貴金属は10都市が売上げをけん引し、2桁増と好調だった。食品は、生鮮食品が価格高騰の影響で依然として低調だが、菓子は大阪が2桁増(23.9%増)と全体を押上げ、2カ月連続プラスだった。
