2025年08月25日

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全社1桁減、免税が苦戦するが国内が健闘

大手百貨店4社の7月売上高は、阪急阪神百貨店が8.8%減、高島屋が7.8%減、三越伊勢丹が5.2%減、大丸松坂屋百貨店が1.9%減と全社減収だった。全体的に免税売上げが前年を下回っているが、国内顧客の識別化が進んだ効果などから、国内売上げはおおむね堅調に推移した。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は7.8%減で、店頭に限ると6.7%減だった。免税売上高は33.0%減、免税を除いた店頭売上高は2.1%減となった。国内顧客は夏物衣料、雑貨に加え、宝飾品が堅調に推移したこともあり、既存客対比でプラスとなった。インバウンド顧客はラグジュアリーブランドをはじめとする高額品がマイナスとなった影響が大きく、全体を押し下げた。法人事業は、前年の大口受注の反動により前年を下回った。クロスメディア事業は、衣料品、生活雑貨が堅調に推移し、前年を上回った。

店舗別では12店舗のうち、玉川(4.7%増)、高崎(1.1%増)が増収だった。主要5品目は、雑貨(1.7%増)がプラスだったが、身の回り品(17.8%減)、衣料品(3.9%減)、家庭用品(10.7%減)、食品(2.6%減)がマイナスとなった。品目別では、美術・宝飾品・貴金属(5.8%増)がプラスだった。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は5.2%減で、5カ月連続でマイナスとなった。免税売上高は昨年同月が歴代4位の高水準だったこともあり、引き続き前年を下回った。識別化が順調に進んでいる国内顧客は、高付加価値商品への関心が見られ、ラグジュアリーブランドを中心に25年秋物アイテムが好調だった。好天が続き気温も上昇したことからカットソー、ブラウス、パンツや化粧品のUV、美白アイテムなどのニーズが高まった。また、独自のイベント開催で新規顧客の来店を促進した。

店舗別では新潟(1.1%増)、日本橋(0.7%増)、高松(0.4%増)が前年を上回った。主要5品目は、家庭用品(9.6%増)を除き、衣料品(7.4%減)、身の回り品(7.0%減)、雑貨(6.3%減)、食品(1.4%減)がいずれもマイナスだった。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は、前年比1.9%減で5カ月連続のマイナスとなった。外商売上げが前月に引き続き好調に推移し、美術、時計などが前年を上回ったが、クリアランスセールの売上げが縮小し、訪日外国人売上げが前年を大きく下回った。関係百貨店を除いた店計は0.4%減、免税売上高は30.0%減、客数3.1%減、客単価27.7%減、免税を除いた店頭売上高は3.5%増だった。店舗別では芦屋(18.3%増)、須磨(9.9%増)、梅田(8.5%増)、名古屋(2.4%増)、高槻(0.1%増)がプラスだった。

主要5品目のうち、身の回り品(30.5%増)、雑貨(2.7%増)、食品(2.6%増)はプラスとなった。品目別では、婦人服・洋品(7.2%減)は、ブラウスなどのアイテムに動きがみられたものの、訪日外国人によるラグジュアリーブランド売上げの大幅減により、マイナスとなった。紳士服・洋品(6.9%減)は、ジャケットやスーツに加え、ポロシャツなどの盛夏商材も伸び悩んだ。身の回り品(30.5%増)はアクセサリーほか、ハンカチやサングラスなどが大きく伸びた。雑貨(2.7%増)はUV対策商品が好調な化粧品のほか、美術・宝飾品が前年を上回った。食品は夏休みの行楽需要で菓子や惣菜が売上げを伸ばし、全体でも対前年プラスとなった。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は、阪神梅田本店は6.6%増だったものの、阪急本店は13.4%減、支店計は5.7%減となり、全店計は8.8%減と5カ月連続でマイナスだった。支店のうち、あまがさき阪神(5.9%増)、川西阪急スクエア(4.7%増)、高槻阪急スクエア(2.2%増)が堅調に推移した。

主要5品目は、身の回り品(18.8%減)、雑貨(12.7%減)、衣料品(7.4%減)、家庭用品(4.1%減)、食品(3.0%減)のいずれもマイナスだった。