2025年10月28日

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東武池袋店、「アカチャンホンポ」導入 子供服フロアに離乳食や日用品拡充

取材に行った23日16時頃は、多くの客で賑わっていた。一部商品は品切れも

東武百貨店池袋本店は23日、7階のベビー・キッズ売場に「アカチャンホンポ 池袋東武店」をオープンした。売場面積は約145坪で、出産準備品や育児雑貨、衣料、おもちゃなどを揃える。これまでベビー・キッズ売場にはマタニティ用品や日用品が少なかったため、拡充した。アカチャンホンポは出産準備に詳しいスタッフ「マタニティアドバイザー」を多く配置し、手厚い接客サービスを提供する。

既存の売場との補完関係に

東武百貨店池袋本店は、百貨店ならではの自家需要とギフト需要に応える品揃えの強化や、イベントやサービスによって長時間滞在できる「エンタメ百貨店」の具現化に取り組んでいる。ベビー・キッズカテゴリーでは、おもちゃ売場の遊べるスペースの設置、ワークショップや自由研究企画など参加型イベントの開催、新ブランドの導入などに取り組んできた。これに伴い、直近の売上げは前年を上回って推移している。

しかしベビー・キッズ売場は子供服やおもちゃなどが豊富な反面、マタニティ用品や離乳食、日用品などが手薄だった。そのため、これらのカテゴリーに強いアカチャンホンポに白羽の矢が立った。営業本部賃貸事業部担当部長の髙橋和美氏は「若い方など、新客と当店の接点になる。既存の売場を利用するお客様の買い回りも見込める」と述べる。

衣服、雑貨、消耗品など幅広く揃える

各カテゴリーの売れ筋を厳選して用意

アカチャンホンポも、以前は売場面積が350坪程度の大型店が主流だったが、最近は200坪前後の店舗を増やしている。「小型店舗のフォーマットができ始めた今なら、良いショップがつくれると考えた」と取締役執行役員販売本部長の浦上文絵氏は語る。

池袋東武店は小型店の中でもコンパクトだが、アカチャンホンポは品揃えの多さが魅力の1つであるため、フルラインナップで構成する。特定のカテゴリーに偏ることなく、各カテゴリーから売れ筋商品を厳選した。置ける商品の数を増やすため、什器は高さのあるものを使用する。

ただし池袋駅直結の立地で、公共交通機関を利用する客が多いことから、紙オムツなど嵩張るものは最小限に留めた。ベビーカーなどの大型商品も、見本を展示して商品は直接配送する。

百貨店の客は丁寧な接客を求める傾向にあり、特に出産準備をする親には多くのサポートが必要なことから、マタニティアドバイザーの人員は数多く配置した。マタニティアドバイザーは社内資格に合格したスペシャリストで、出産準備品の説明に加え、客のライフスタイルに合わせた提案ができる。

ベビーカーは厳選した見本を展示。もちろん見るだけでなく、実際の使い心地を試せる

オープン前から話題を呼び、初日は盛況

アカチャンホンポの知名度の高さから、出店の発表をした時からネットを中心に話題になっていた。オープン初日の23日も朝から多くの客が来店し、店頭は始終盛況だったという。浦上氏は「期待以上、想定を超えた結果になった」と喜ぶ。

東武百貨店池袋本店は、6階の「ダイソー」など集客力の高い大型テナントを誘致することで、店頭を活性化させている。アカチャンホンポのオープンは、魅力と集客力のさらなる向上につながりそうだ。高橋氏は「ハレ需要にも引き続き応えながら、沿線住民の方の生活に密着した利便性も提供していきたい」と語る。

(都築いづみ)