2024年12月14日

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インバウンドが3カ月連続で過去最高を更新、食料品は微減

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(71社・177店)の5月売上高は4692億円余で、前年比(店舗調整後)は14.4%増、入店客数2.0%増となり、27カ月連続でプラスだった。2019年比でも8.9%増と、新型コロナウィルス禍前を超えている。

円安を追い風にインバウンドは増勢が続き、ラグジュアリーブランドや高級時計、美術・宝飾など高付加価値商材が活況だった。外出機会の増加や気温上昇に伴い夏物商材が伸長し、主力の衣料品も好調に推移した。季節雑貨ではサングラスや扇子なども動いた。各社が企画したゴールデンウィークのファミリーイベントや食品催事も盛況だった。

顧客別では、インバウンドが231.2%増の718億円を記録した。26カ月連続のプラスで、先月の599億円を更新し3カ月連続で過去最高額だった。19年比でも132.4%増と先月より58.0ポイントアップとなり、11カ月連続でコロナ禍前の実績を上回っている。中国の労働節休暇(5/1~5/5)の影響もあり、購買客数と売上げが大幅に伸長した。

国内市場は2.3%増(シェア84.7%)と好調で、2カ月ぶりにプラスに転じた。地区別では、大都市はインバウンドと高額品が好調で32カ月連続プラスの19.4%増となり、うち9地区が前年実績を超えた。大阪(31.5%増)、福岡(27.3%増)、京都(24.4%増)は、2割を超える伸びを示した。一方、地方は6地区で前年実績に届かず、先月に続きマイナス(1.1%減)で都市との差は6.0ポイント拡大した。

商品別では主要5品目のうち、食料品(1.9%減)を除いた4品目で前年をクリアした。身の回り品(35.9%増)、雑貨(23.7%増)、衣料品(13.1%増)が2桁増となった。身の回り品や美術・宝飾・貴金属など高付加価値商材は、一部商品で価格改定前の駆け込み需要などもみられた。食料品は、菓子がインバウンドやギフト需要で健闘したが、価格上昇の影響を受けた生鮮食品、惣菜が苦戦し2カ月連続のマイナスとなった。