2026年02月20日

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松屋銀座店7階ギャラリー拠点の日本デザインコミッティー、展覧会企画を初公募

アワードの選定委員を務める佐藤卓氏(左)と日本デザインコミッティー田川欣也理事長

各界で活躍するデザイナーや建築家が集う日本デザインコミッティーは、2月18日~7月3日、松屋銀座店7階の「デザインギャラリー1953」で開催する展覧会の企画を募集する。1964年に同ギャラリーの運営をはじめて以来、年間5回、800近くの展覧会を開催してきたが、企画公募は初の試み。「第1回DESIGN GALLERY AWARD」と称し、個人、団体、年齢を問わず、国内外から応募を受け付ける。優秀作を2点選出し、賞および賞金を授与。2027年2~6月に展示機会を提供する。

日本デザインコミッティーは、世界的なデザインフェスティバルであるミラノトリエンナーレに日本が招請されたことをきっかけに1953年に発足した。創設メンバーには勝見勝や亀倉雄策、剣持勇、清家清、丹下健三、渡部力ら(敬称略)当時の日本のデザインをけん引したデザイナー、建築家、評論家などが名を連ねる。1963年に改称。非営利団体であり、現在はメンバー32人がボランティアで運営している。

今回のアワードは、現メンバーの深澤直人氏、原研哉氏、内藤廣氏、佐藤卓氏、須藤玲子氏が選定委員となり、8月中に審査を行う。結果は9月中旬に公式サイト上に掲載され、入選企画は27年2月17日~4月12日と4月14日~6月7日に開催する。副賞の賞金は50万円。デザインの思想、領域、品質を未来志向で前進させることを審査基準に、提案性、コンセプト、デザイン品質、実現性を審査する。

「第1回DESIGN GALLERY AWARD」のプレス発表会で挨拶をする日本デザインコミッティー事務局の土田真理子氏

学生時代に見た佐藤卓氏の「デザインの解剖展」をきっかけにデザインの世界に入ったという田川欣也理事長は「ここはデザインギャラリーの先駆け」と思い入れを語る。天井高2.3m、45㎡と小さなスペースではあるものの、800回近くの展覧会を何十年もの歳月の中で重ねてきた。「目から鱗を落とすような、新しい視点を持った企画を待っている」(同)。入選企画を2点とした狙いは、異なるジャンルが選出されれば、対比による時代性なども浮き上がると期待を寄せている。

選定委員を務める佐藤卓氏は、「このギャラリーはスケールは小さくても、長年に亘りジャンルも世代も超えてデザインについて真摯に語り合ってきた貴重な場所」と話す。自身もここで開催した展覧会が人生を形づくるきっかけになった。「松屋銀座店に買い物にきた人、デザインを学んでいる人と、様々な人が訪れるここでの展覧会は、面白いチャレンジになると思う。デザインの概念を覆してくれる展覧会が開けることを楽しみにしている」(同)。

「デザインギャラリー1953」に隣接する「デザインコレクション」

日本デザインコミッティーは、創設メンバーの浜口隆一と夫人が同店の展覧会に関わったことをきっかけに、1955年にデザイナーの視点で選定した商品を扱う売場「デザインコレクション」を7階に開いた。それ以降、松屋銀座店との関係を深めてきた。松屋の古屋毅彦社長は、「様々なデザインがあふれ、ミュージアムもたくさんある現代において、改めてデザインギャラリー1953の存在を知ってもらう機会になれば。メンバーのデザインに対する熱量は素晴らしいと感じている。今後はコミッティーと築いてきた関係性をさらに深めるフェーズに入ったと考えており、これまで通り応援していく」と述べた。

(北野智子)