2024年04月12日

パスワード

購読会員記事

活躍する女性とサステナブルなスイーツ

今年は3年ぶりに行動制限のないバレンタイン。年末商戦、初売りと活況が続き、各百貨店ともに攻勢を掛ける好機と位置付ける。昨年とは異なる“リアルを楽しむ”価値の提供に加え、活躍する「女性」へのフォーカス、注目度の高い「サステナブル」、追求する「チョコレートの魅力」など、独自性のあるテーマで各社各様に展開。原材料の高騰や輸入コスト上昇などネガティブな要因はあるものの、インターネット通販(EC)サイトの先行販売も、十分な仕掛けとなっている。多くのファンが待ちに待ったスイーツの祭典が、目前に迫っている。

バレンタインの楽しみ方は年々多様化しているが、女性がトレンドセッターであることには変わりない。女性が存分に楽しめる、満足度が上がるイベントであることが、商戦成功のカギを握る。女性が活躍するブランドや、スイーツを愛する女性をターゲットにした企画に加え、SDGsな取り組みによる新鮮な商品が登場する。

「COMME PARIS」は、「ママが子供にもたせたいもの、食べさせたいもの」がコンセプトのブランド。市販の菓子の添加物の多さに驚き、子供に安心して食べさせられる菓子をつくる

大丸松坂屋百貨店は、「大切なひとへ感謝の気持ちを贈る幸せ・自分へのご褒美を買う幸せ」をコンセプトに展開する。昨年大きく復調した海外ブランドのチョコレートの品揃えを強化。売上げが18年から22年にかけて約3倍に膨らんだ焼き菓子などの新ブランドも登場する。

その中でも女性が活躍するブランドが目立つ。保存料・着色料不使用のプチカヌレ専門店「COMME PARIS」と、低糖質なバターサンドを販売する「カバの気持ち」は、素材と健康へのこだわりを持つ女性オーナーが手掛ける。バスクチーズケーキの「BLOCK BLOCK TOKYO」は、製造スタッフ全員が女性で、女性が働きやすい職場づくりなどソーシャルグッドな取り組みを行う。担当者は「(ここ数年は)スイーツを特集してきたが、話題性や目新しさの発掘が大事」と、3つのブランドを取り上げた理由を明かす。

大丸松坂屋オンラインストアでは2月8日まで販売。今年のECでの売上げは前年比10%増を目標に掲げ、全体売上げは大丸松坂屋9店舗で前年比15%増、コロナ禍前の20年比で0.9%増を目指す。

「梅田でいちご狩り」が3年ぶりに復活。「古都華 」 や 「スカイベリー」 など全7種類のブランドから、好きな5種を選んで食べ比べできる

阪神梅田本店は「阪神のいちごとチョコフェス2023」を開催する。女性をターゲットに人気のイチゴにスポットを当てた企画は好評で、今年で5年目を迎える。2月1日からのメイン開催に先駆けて、1月18日から地下1階の洋菓子売場で、1月25日から1階食祭テラスでスタートした。同店は昨年4月に地下1階「阪神食品館」がオープン。洋菓子ゾーンに誕生した約100mにも及ぶ「スイーツストリート」でも大きく展開する。

「太陽ノ塔 洋菓子店」の「アオイイチゴ〈ミルクチョコ〉・アカイイチゴ〈ホワイトチョコ〉」や、「フリュテリーカノン」の「ビスケットサンドウィッチあまおう苺」、「PISTACHIOMANIA」の「ストロベリーピスタチオ」などバリエーション豊かなイチゴのスイーツを取り揃える。

食品に留まらず、イチゴをモチーフにした食器や、イチゴ柄のルームウェアなども登場。イチゴ狩りのイベントも3年ぶりに復活し、全館を上げてバレンタインの世界観を演出。多くの女性が楽しんで買い回りできるようにする。

スウェーデンの「NOX ORGANICS(ノックスオーガニックス)」は、薬剤師考案のチョコレート。白砂糖、乳製品、トランス脂肪酸、 乳化剤、合成甘味料、保存料などが不使用

東武百貨店は、1月31日~2月14日に「ショコラマルシェ」を開催する。東武池袋本店では「私を甘やかすバレンタイン」をテーマに約75店、商品点数は約250点を集める。「ヘルシー&サステナブル」なチョコレートに焦点を当て、自分への“ご褒美”チョコレートを求める30~40代の女性をメインターゲットにする。近年の購入傾向やSDGsへの関心の高まりを背景に、こうした志向の商品を扱う店の出店を昨年より約3・5倍に増やした。ヴィーガン&グルテンフリーの菓子店「ココシュシュ」の、植物性素材のみでつくった「ヴィーガン生チョコレート」や、薬剤師が考案した100%オーガニックなチョコレートを提案するスウェーデンの「ノックスオーガニックス」などが登場する。

昨年の売上高は前年比2桁増で伸長。「『自分が欲しいものを楽しむ』需要の高まりを実感した」(担当者)商戦だった。今年は先行するECサイトでの販売も好調に推移。また、輸入高を見込んで日本人ショコラティエによる国産ブランドを昨年より約1・5倍に増やし、コスト対策も行う。売上げ目標は前年比15%増を見込む。

代表の田口愛氏が手掛ける「マーハ チョコレート」。エディブルフラワーを組み合わせた高島屋限定品を用意

高島屋の「アムール・デュ・ショコラ」は、国内外から選りすぐった100以上のブランドを集め、1月25日から各店で順次スタート。今年は「フードロス」や「環境・社会問題」などにチョコレートでアプローチ。“おいしくてサステナブルなショコラ”を打ち出す。

「お茶」を通した事業活動を行う「TeaRoom」と人気ブランドや有名パティシエが協業。廃棄予定だったウイスキー樽や茶葉を活用したオリジナルショコラをはじめ、規格外野菜で瓶詰めをつくる「ファームキャニング」が、環境問題に取り組む団体などとコラボした「ベジチョコカレーペースト」、ガーナのカカオ農家や女性の自立支援を行う「マーハ チョコレート」など、独自性のある商品を揃える。

高島屋オンラインストアは12月中旬から開始し、1月以降は約1600点と商品数を拡大。限定商品は約100点を用意し、インスタグラムとツイッターをフォローすると商品が当たる抽選も実施する。担当者は「ネット通販はずっと伸びており、売上げ構成比もコロナ禍前の約15%から約40%まで達した。店舗と異なり、全てのブランドを購入できるメリットをPRし、さらなる拡販につなげる」と意気込む。売上げ目標は、店頭と合わせて前年比12%増を掲げる。