2024年12月07日

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7カ月連続でプラス、全地区および主要5品目が前年を上回る

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(71社・186店)の9月売上高は3813億円余で、前年比(店舗調整後)は20.2%増となり、7カ月連続でプラスだった。入店客数は21.5%増で、7カ月連続でプラス。同協会は「台風による時短営業や臨時休業もみられたが、前年の緊急事態宣言などによる営業制限の反動に加え、増勢を維持する高額品、秋冬商材が活発に動いた衣料品や服飾雑貨などが牽引した。外商催事や会員向け企画、物産展など各種イベントも好評で、集客と売上げに寄与した」と総括した。新型コロナウイルス禍前の19年比では23.6%減だが、同年には消費増税前の駆け込み需要があり、18年比では6.5%減。回復基調が浮き上がる。

3カ月移動平均値は7~9月が17.6%増、6~8月が14.7%増、5~7月が22.0%増、4~6月が26.3%増、3~5月が22.8%増、2~4月が7.4%増。じわじわと上向いてきた。

国内と海外の顧客別では、段階的な入国規制の緩和に伴ってインバウンドが204.0%増と高伸長。6カ月連続で前年を上回ったが、19年比では63.7%減にとどまる。シェアは国内が97.6%、インバウンドが2.4%で、国内は7カ月連続のプラスとなる18.4%増だった。

地区別は全てプラス。10都市で最も伸びたのは大阪で31.4%増、10都市以外では北海道が20.4%増でトップだった。大都市と地方の伸び率の格差が前月より3.1ポイント縮小したのも特徴だ。

商品別では、主要5品目が全て前年実績をクリア。ラグジュアリーブランドや時計、宝飾品などの高額品は高伸長が続き、美術・宝飾・貴金属は過去最長を更新して20カ月連続のプラスとなった。衣料品や身のまわり品では、気温の低下や旅行需要の増加などに伴い、コートやジャケット、靴、トラベルバッグなどが動いた。食料品では手土産需要や贈答需要に支えられて和洋菓子が28.8%増と高い伸びを維持し、16.7%増の惣菜も過去最長を塗り替えて13カ月連続で前年を上回った。

(野間智朗)