2025年09月22日

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5か月連続インバウンド減、国内は盛夏商材が好調で前月より改善

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・178店)の7月売上高は4683億円余、前年比(店舗調整後)は6.2%減で6カ月連続のマイナスとなった。入店客数は同比1.7%減と8カ月連続のマイナスだった。前年、調査開始以来3番目に高い値を記録した免税売上げ(663億円)の反動が大きく影響した。全国的に記録的な猛暑が続き、主要顧客層の入店客数の減少などマイナス要因もあったが、夏物衣料や服飾雑貨などの盛夏商材が好調に推移し、前月より売上高は1.6ポイント、入店客数は0.3ポイント改善した。

インバウンドは7月の為替相場が多少円安に振れたものの、前年の高伸反動から売上高403億円(36.3%減)と5か月連続マイナス。シェアは8.6%で、購買客数も47万人(16.7%減)で3か月連続マイナスとなった。先月に引き続き、香港、韓国の購買客数の減少幅が大きいが、中国、台湾は回復傾向にある。

国内市場は7月が1.8%減と先月より1.0ポイント改善した。シェアは91.4%。10都市は1.3%減、10都市以外の7地区は3.2%減と、どちらも先月よりマイナス幅が縮小。札幌、名古屋、大阪、東北の4地区はプラスだった。

地区別では、10都市は全地区マイナスとなった。福岡(11.5%減)、東京(10.0%減)は2桁減。前年に伸長した高額品の不調から身の回り品が17.6%減だった。夏休みの帰省やインバウンドの土産需要などで菓子は0.2%増となった。10都市以外の7地区では 東北以外は全地区マイナスだった。東北は一部店舗の閉店セールが活況だったこともあり、プラスに転換した。

商品別では、主要5品目全てが前年を下回った。ラグジュアリーブランドを含む身の回り品が16.1%減と4カ月連続で二桁減で、クリアランスは規模と売上げともに減少傾向だった。晴天、高気温により日傘や帽子、サンダルなどの夏物商材のほか、化粧品のUV対策アイテムが好調に推移した。中元商戦は自家需要が堅調だったが全体では微減となった。夏休みの催事はアニメなどのポップカルチャーや体験型など各社が趣向を凝らし、集客や売上げに寄与した。