2025年11月21日

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全社3カ月連続で増収、秋物衣料や雑貨が堅調に推移

大手百貨店4社の10月売上高は、大丸松坂屋百貨店が8.2%増、高島屋が6.4%増、阪急阪神百貨店が4.9%増、三越伊勢丹が4.1%増と3カ月連続で全社増収だった。免税売上げも前年を上回った。国内顧客は気温の低下に伴い、秋物衣料や雑貨に動きが見られた。国内売上げは堅調に推移した。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は6.4%増で、店頭に限ると8.3%増だった。免税売上高は15.4%増、免税を除いた店頭売上高は7.1%増となった。国内顧客は、気温の低下に伴い秋物衣料や雑貨などに動きがみられ、物産展など催事も堅調に推移し、前年を上回った。海外顧客は、「国慶節」期間などの客数増加に加え、化粧品、スポーツ、子供情報ホビー、ラグジュアリーブランドをはじめとした高額品の売上高も増大したことで客単価を押し上げ、前年を上回った。

店舗別では12店舗のうち、玉川(15.9%増)、大阪(12.2%増)、京都(10.5%増)、日本橋(10.0%増)、大宮(6.7%増)、横浜(6.2%増)、高崎(5.0%増)、新宿(4.0%増)、岡山(1.2%増)の9店舗が増収だった。主要5品目は、雑貨(18.0%増)、身の回り品(11.8%増)、食品(3.9%増)、衣料品(3.1%増)がプラスとなった。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は4.1%増で、3カ月連続でプラスとなった。エムアイカードと三越伊勢丹アプリの両方を連携させた会員のMI Wメンバー(エムアイダブルメンバー)を中心に識別顧客が売上げをけん引した。

国内顧客は、三越伊勢丹・カスタマープログラムの全ステージで前年を超え、特に年間300万円以上のステージが大きく伸長した。後半の気温の低下もあり、防寒アイテムが好調に推移。独自性のあるイベントも内覧日や特定顧客向けサービスが奏功し、売上増に貢献した。海外顧客は、客単価の改善により前年を上回った。CRM施策(海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」によるインセンティブなど)も利用拡大につながった。アイテムでは、時計、化粧品などの関心が高い。

店舗別では日本橋(12.4%増)、銀座(5.7%増)、岩田屋(5.0%増)、新潟(4.6%増)、新宿(4.2%増)、静岡(1.6%増)、函館(1.1%増)が前年を上回った。主要5品目は、雑貨(10.3%増)、家庭用品(6.2%増)、身の回り品(2.6%増)、衣料品(2.2%増)、食品(0.4%増)のすべてがプラスだった。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店を除く)の売上高は前年比9.3%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計も8.2%増で3カ月連続でプラスとなった。免税売上高は18.9%増、客数20.5%増、客単価1.4%減となった。国内売上高(免税売上げの本年・前年実績を除く)は7.7%増だった。店舗別では名古屋(13.2%増)、心斎橋(11.1%増)、神戸(9.3%増)、梅田(7.4%増)、東京(6.2%増)、札幌(4.6%増)、京都(2.8%増)、芦屋(2.7%増)、下関(0.2%増)、静岡(0.1%増)がプラスだった。

主要5品目は、身の回り品(41.5%増)、衣料品(8.6%増)、食品(7.0%増)、雑貨(6.6%増)がプラスとなり、家庭用品(9.5%減)がマイナスだった。品目別では婦人服・洋品(10.1%増)が、後半の急な気温の低下により秋冬物衣料品が活発に動いたほか、ラグジュアリーブランドが好調に推移したことなどにより、2桁増となった。紳士服・洋品(1.1%増)は、コートなどの秋冬物衣料品の売上げが伸びたことなどから、プラスとなった。身の回り品(41.5%増)では、訪日外国人客数の増加に伴い、アクセサリーやハンドバッグなどが好調だったことなどにより、前年を大幅に上回った。雑貨(6.6%増)では、化粧品が好調を持続したほか、外商顧客向け催事の好調などにより、宝飾品が前年を上回った。食品(7.0%増)では菓子が大きく売上げを伸ばし、全体でもプラスとなった。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は、15店舗のうち10店舗がプラスとなり、全店計で4.9%増、3カ月連続でプラスとなった。阪急本店は4.9%増、阪神梅田本店は12.7%増。支店は神戸阪急(13.1%増)、宝塚阪急(4.3%増)、あまがさき阪神(3.9%増)、高槻阪急スクエア(3.2%増)、川西阪急スクエア(3.2%増)、西宮阪急(2.5%増)、都筑阪急(2.0%増)、大井食品館(0.4%増)がプラスだった。

主要5品目は、雑貨(12.4%増)、衣料品(5.6%増)、食品(2.1%増)がプラスとなり、家庭用品(2.9%減)、身の回り品(3.3%減)がマイナスだった。