2024年12月10日

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22カ月連続プラス。23年の年間売上高は3年連続増、インバウンドが過去最高に

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(72社・180店)の12月売上高は6465億円余で、前年比(店舗調整後)は5.4%増となり、22カ月連続でプラス。新型コロナウィルス5類移行後の初の年末商戦は、外出の機会の増加を背景に催事等の活況だったほか、インバウンドの増勢も続き売上げ全体を押し上げた。高付加価値商材と衣料品、化粧品が好調に推移した。コロナ禍前の2019年比でも3.2%増と業績回復が進んでいる。

3カ月移動平均値は直近の10~12月が6.2%増、9~11月が7.5%増、8~10月が8.8%増、7~9月が9.8%増、6~8月が9.0%増、5~7月が7.4%増と、プラスを堅持した。

国内と海外の顧客別では、インバウンドが円安効果もあり、122.6%増と21カ月連続でプラス。売上高は477億円で、前月(394億円)をさらに更新し、14年10月に調査を開始して以来の最高額だった。シェアは国内が92.6%、インバウンドが7.4%で、国内は22カ月連続プラスの1.2%増となった。19年比ではインバウンドが58.4%増と、6カ月連続でコロナ禍前の実績を上回った。

地区別では、大都市が7.4%増となり、27カ月連続でプラス。うち9地区がインバウンド効果などから好調を維持し、前年をクリアした。4地区が前年割れとなった地方は2カ月ぶりにマイナスに転じた。

商品別では、主要5品目のうち食料品以外の4品目で前年をクリアした。ラグジュアリーブランドを中心とした身の回り品(13.9%増)と雑貨(9.4%増)は、コロナ禍前の売上げを越えた。化粧品は国内外共に好調で、クリスマス需要もあり17.0%増と高伸した。食料品は価格高騰の影響もあり0.7%減だったが、菓子(4.1%増)はギフト需要とクリスマスケーキの好調で、コロナ禍前の実績を上回った。

23年の年間売上高は既存店ベースで3年連続プラスの9.2%増、5兆4211億円となった。19年比では3.0%減とほぼコロナ禍前の水準まで回復した。インバウンドは、調査開始以来19年の3461億円が過去最高額だったが、23年は204.8%増の3484億円と過去最高を更新した。