2021年12月09日

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高島屋東別館、重要文化財に指定「戦前期屈指の大規模百貨店建築」

高島屋が所有する大阪市浪速区の「高島屋東別館」が、5月に開催された文化審議会の答申を受け、8月2日、重要文化財(建造物)に指定された。重要文化財(建造物)指定基準の「歴史的価値の高いもの」と評価されたという。

指定されたのは以下の理由から。「長期に及ぶ幾多の増改築によって成立した戦前期屈指の大規模百貨店建築であり、戦前期の大阪を象徴する商業地区である堺筋の都市景観の形成に寄与しています。また豊かな装飾を施した細部意匠や平面計画、建築設備、防火対策を入念に施す等、創建時の特徴が残されており、近代における百貨店建築の大規模化の過程を知るうえで貴重な建物です。また百貨店建築の設計に長けた建築家である鈴木禎次の代表作の一つとしても重要です」。

高島屋東別館は1928年に松坂屋大阪店として建築され、1937年まで3期にわたって(4期は中断)増築が行われた。1966年に松坂屋が天満橋に移転した後、1968年からは高島屋の東別館となり、売場、事務所、高島屋史料館等として利用してきた。2020年には改修工事が完了し、現在は宿泊を中心に、飲食や展示スペースを併設する複合施設となっている。高島屋は「重要文化財の指定を受けた意義を十分に認識し、高島屋東別館の歴史的価値を将来に伝える役割を果たしてまいります」と述べた。

東別館の特徴として「11連アーチ」、「アーケード」、「大階段・エレベーターホール」がある。半円部分にテラコッタ彫刻を施した11連のアーチが1階から2階にかけての下層部に並び、堺筋側を豊かに装飾している。

アーケードは2階分の高さを有し、堺筋に面して約67mの長さで設けられている。内側には細やかな装飾を施したショーウィンドウが並ぶ。柱梁には黒大理石を張り、床は3色のテラゾー仕上げの壮麗な歩廊になっている。

南北の大階段(1階)は、親柱に装飾された照明とともにデザインが施され、エレベーターは黒大理石で縁取るとともに欄間や柱飾りにホワイトブロンズを配している。また大階段、エレベーターホールともに黄色大理石が多く用いられ、豪奢な空間になっている。

<高島屋東別館の歴史>

1928年 松坂屋大阪店として第1期工事落成(南側)
1934年 第2期工事落成(北側)
1937年 第3期工事落成(中央部連結、現在の姿)
1966年 松坂屋が天満橋に移転
1968年 高島屋東別館開設
2019年 国の有形文化財(建造物)に登録
2020年 高島屋史料館・ホテル・飲食・事務所などの複合施設としてリノベーションオープン
2021年 重要文化財(建造物)に指定

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