2024年12月04日

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インバウンドは好調続く、国内市場は2カ月連続増

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・179店)の9月売上高は4229億円余で、前年比(店舗調整後)は2.3%増、2018年比は4.4%増となった。入店客数は1.6%増となり、売上げと共に31カ月連続でプラスだった。猛暑日が続いた記録的な残暑の影響で秋物など季節商材が振るわなかったが、夏物アイテムやUVケア用品が動いた。各社が企画した物産展などの食品催事や、外国展、外商顧客催事などの施策も売上げと集客に寄与した。

顧客別では、インバウンドは21.6%増の397億円(30カ月連続プラス)、購買客数は45万人(40.8%増)だった。いずれも先月に続き同月対比で過去最高を記録している。24年1~9月の売上高累計は4838億円(116.7%増)を示し、9月時点での前年の年間売上げ(3484億円)対比で38.9%増となっている。国内市場は、食料品が苦戦したものの高付加価値商材が好調で、前月から0.4ポイントアップの0.6%増(シェア90.6%)と2カ月連続のプラスだった。

地区別では、大都市はインバウンド需要と高額消費などから、8地区で前年をクリア。京都(7.4%増)、福岡(7.0%増)、札幌(6.7%増)が高い伸びを示した。地方は4地区がプラスで、1.6%増と3カ月ぶりにプラスに転じた。近畿(6.0%増)は、インバウンド効果もあり伸長した。

商品別では主要5品目のうち、食料品(1.6%減)を除く4品目で前年実績を上回った。衣料品(0.9%増)は、カジュアルウエアや薄手の羽織物のほか、下旬の気温低下に伴いジャケットなども動いた。身の回り品(2.2%増)は、ラグジュアリーブランドのバッグなどの好調が続き、36カ月連続でプラスとなった。雑貨(6.4%増)では、時計など美術・宝飾・貴金属(7.1%増)が売上げをけん引した。化粧品(10.2%増)もUVケア、フレグランス、秋の新作コスメの好調や、イベントの好評などによりプラス基調が継続している。

家庭用品(8.3%増)は、家具(13.2%増)、家電(24.7%増)が高伸長した。食料品は、価格高騰などの影響で前年割れとなったものの、菓子(0.8%増)は、インバウンドやギフト需要、彼岸などの歳時記、栗などの季節商品に動きがみられ、3カ月ぶりにプラスに転換した。