阪急うめだ本店のコンセプト型売場「グリーンエイジ」が成長を続ける理由
「グリーンエイジ」は阪急うめだ本店8階の中央部に構える
「人と自然の共生」を掲げる、阪急うめだ本店の売場「GREEN AGE(グリーンエイジ)」。2023年4月のオープン時はこれまでにないコンセプト型売場として注目を集めたが、快進撃はその後も続いている。2年間で前売場比2倍にまで売上げが成長し、25年度(25年4月~26年1月末時点)も前年を超えて推移。グリーンエイジのコンセプトに共感する顧客が増えており、コンセプト型売場の成功事例となっている。
カテゴリーミックスで‟自然共生”を提案
グリーンエイジは「パートナーや仲間との絆を大切にする都市生活者」に向けた、新しい自然共生型ライフスタイルを提案する売場で、ファッションや食、雑貨、コスメなど、従来のカテゴリーの垣根を超えた品揃えが特長。「プラダ」「ロエベ」といったラグジュアリーブランドも共存する。
売場は、自然とのふれあいを通じて暮らしの質を高めることを掲げた「グリーンネイバーフッドライフ」と、自然に寄り添いながら心身の健康を実現し、自分自身も持続可能であろうとする「グリーンウェルネスライフ」の2つのゾーンで構成される。
そのほかイベントスペースとして「COMMUNITY PARK(コミュニティパーク)」など全3カ所を設け、イベントやワークショップを実施している。

パルダリウム(熱帯植物水槽)を扱う体験型ショップ「ADA LAB UMEDA」
「買いたくなる」「共感」との出会いが情緒的価値に
同売場はコロナ禍による延期を経て、23年4月にオープンした。最初の1年は売上高が想定に届かなかったが、24年度以降(24年4月~)は、全ての月で前年を超えており、25年度(25年4月~26年1月末時点)は前年比1.2倍以上で推移している。同店のポイントカード会員の新規獲得数も、他部門と比べてグリーンエイジがトップで、しっかりとファンを掴んでいることが分かる。
グリーンエイジ営業統括部の石田良太ゼネラルマネージャーは、「25年度はインバウンドが不安定だった。しかし国内のお客様の売上げが、識別顧客(同店のハウスカードを含めた識別IDを持つ客)、非識別顧客ともに1.3倍以上伸長した。『部門ファン』と位置付ける、年間3日以上かつ3ユニット以上を買い回るお客様は、1.4倍を超える。お客様との関係性をしっかりと育てられている」と語る。業界がインバウンドバブルに沸く中でも、国内の顧客基盤を固めたことが奏功した格好だ。
また石田氏は、支持されている要因として「買いたいものを買いに行く場所から、『買いたくなる』や『共感できる』、『体験』に出会える場への進化」を挙げる。買いたいものが決まっている場合は、ECサイトやカテゴリー別の売場の方が比較検討しやすい。しかしグリーンエイジは、カテゴリーミックスの品揃えに加え、ワークショップやセミナーを含めたリアル店舗ならではの体験を充実させることで、「来ること自体が楽しい」という情緒的な価値を生み出している。