2024年12月04日

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■駆込み需要の反動減を除く前々年比では回復傾向が顕著に

大手百貨店4社の9月売上高は、多くが全国百貨店の水準を下回る減収幅だった。髙島屋が34.4%減(既存店33.5%減)、三越伊勢丹が37.5%減(同32.4%減)、大丸松坂屋百貨店(関係店含む)が40.6%減。阪急阪神百貨店は27.0%減だが、昨年10月から傘下に入れた神戸阪急と高槻阪急を除いた既存店ベースでは36.3%減となる。

髙島屋(国内百貨店子会社含む)は、92.8%減だった免税売上高を除いた店頭売上高は32.5%減となる。前年に消費増税前の駆込み需要の恩恵が大きかった大型店がその反動減の影響が大きく、大阪(44.2%減)をはじめ、日本橋(41.2%減)、新宿(34.6%減)、京都(33.3%減)のマイナス幅が目立つ。対照的に堺、泉北、玉川といった郊外立地の店舗は比較的健闘した。また、クロスメディア事業は食品の売れ行きが好調で、3.8%増だった。商品別では化粧品、美術・宝飾・貴金属が足かせとなった雑貨(52.5%減)と、身のまわり品のマイナスが目立つ。ただ、店頭売上高の18年9月との前々年比は14.8%減まで戻っており、免税売上高を除くと8.6%減の一桁台まで復調している。

大丸松坂屋も96.6%減だった免税売上高を除いた国内顧客の売上高前年比は35.7%減。さらに前々年比では14.8%減まで戻している。品目別ではラグジュアリーブランドや宝飾品が前々年実績を上回っており、堅調に推移している。

三越伊勢丹の首都圏基幹3店舗は銀座店の減収が響き36%減。ただ、伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店は8月と比較して入店客数が回復傾向に転じ、月後半頃からの気温低下に伴い、一部秋物衣料や服飾雑貨に動きが見られた。さらにイエナカ需要の高まりから、引き続き食品やリビング家具やキッチン雑貨などが健闘。また三越伊勢丹オンラインも引き続き好調で、ワインなどの食品企画並びに外国展や物産展特集がけん引し、前年の約1.5倍を売り上げた。

阪急阪神百貨店は、阪急本店と阪神梅田本店のマイナス幅が目立つ一方で、支店が健闘した。昨年10月から神戸阪急と高槻阪急が加わったためだが、既存店でも宝塚と大井食品館が増収を遂げた。支店合計の売上高前年比が8.2%増となり、全店合計で27.0%減。大手百貨店の中では最もマイナス幅が小幅になった。両店を除く既存店ベースでは36.3%減となり、全国百貨店の水準を下回る。