2024年04月16日

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回復に勢い、2カ月連続増、入店客数は4カ月ぶり増

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(73社・189店)の21年11月売上高は4497億円余で、前年比(店舗調整後)は8.1%増となり、前月(2.9%増)に続くプラスで、かつ伸長率も前月より5.2ポイントも上回った。加えて入店客数も7.0%増となり、4カ月ぶりにプラスに転じた。

同協会では「新型コロナ感染者数の減少傾向が続いたことで、主要顧客層の外出機会と購買意欲が高まり、各社の催事企画や外商顧客・カード会員向け施策などの効果と相まった」ためと総括している。好調が持続している高額品に加え、衣料品が牽引した。ただ、前々年(19年)比では売上高が7.4%減、入店客数が21.9%減となっており、コロナ禍前の水準に戻っていない。1月から11月まで累計の前年比は5.4%増で、前々年比では23.5%減にとどまっている。

3カ月移動平均値は、3~5月61.2%増、4~6月44.9%増、5~7月11.7%増、6~8月2.5%減、7~9月3.4%減、8~10月3.9%減、9~11月2.7%増。秋以降、着実な回復傾向が表れてきた。

顧客別では国内市場(シェア99.2%)が8.0%増となり、2カ月連続増。前々年比では2.8%減まで復調した。インバウンド(免税売上高)は24.7%増となり、前月(49.3%増)に比べ伸長率は低く、さらに前々年比は86.7%減で、前月(87.7%減)とほぼ同水準の厳しい状況が続いている。

地区別では、大都市(10都市)が10.2%増となり、2カ月連続増で、しかも全地区がプラス。ただ前々年比では7.3%減となる。一方の地方都市(10都市以外)は2.7%増となり、6カ月ぶりにプラスに転じた。関東と九州が6カ月ぶりにプラス。ただ大都市との前年比格差は2.8ポイントに広がった。前々年比でも7.6%減となり、大都市を0.3ポイント下回った。

品目別では、主要5品目が全て前年実績を上回った。牽引したのは前月に続く身のまわり品(16.1%増)と、これまで低迷してきた衣料品(10.4%増)。身のまわり品ではラグジュアリーブランドの増勢が続いた。衣料品は気温低下などの天候与件もあり、コート、ジャケット、セーターに加え、マフラーやストールなどの防寒アイテムも動いた。この主要2品目に比べ雑貨の伸長率(7.1%増)は低いものの、ただ引き続き高級時計や宝飾品など高額品が好調で、美術・宝飾・貴金属は19.4%増となり、前月(11.7%増)を上回る2桁伸長で、10カ月連続増だった。

食料品は前月(2.8%増)に続きプラス(5.3%増)で、中でも自家・進物需要共に好調だった菓子が2桁伸長(15.8%増)し、3カ月連続増。さらに惣菜(6.1%増)も前月(5.7%増)に続き健闘した。おせちやクリスマスケーキの予約がECを中心に前年を上回る勢いだった。

免税売上高(88店舗)は約34億8000万円で、前年比は24.7%増となり、前月(49.3%増)より伸長率は鈍化したものの、3カ月連続プラス。購買客数は約7000人で、前年比は1.8%減。前々年比では98.2%減となり、前月(98.4%減)同様の厳しさが続いた。1人あたりの購買単価は約48万3000円で、前年比27.0%増となり、前月(約50万4000円、19.9%増)と同様の高い水準が続いた。