松屋、100周年後半戦の「松縁祭」開催 お化け屋敷やトレカなど独自企画が満載
17日に行ったメディア向け発表会の様子。下段中央が古屋毅彦社長
松屋銀座店は10月29日~11月11日、開店100周年の記念イベント「松縁祭(しょうえんさい)」を開催する。同店は今年3月~来年2月を周年期間としており、後半のメインイベントが松縁祭となる。限定商品の販売に加え、閉店後に店内で行うお化け屋敷イベント、一定金額以上の購入でもらえるオリジナルトレーディングガード、「銀座木村屋」と銀座の名店がコラボしたコッペパンなど、独自性の高い企画を盛り込んだ。古屋毅彦社長は「これまで支えて頂いた方への感謝に加え、挑戦も行い、新たな顧客接点を創出したい」と意気込みを述べた。
初めて開催する企画が、10月31日と11月1日に行うハロウィンイベント「閉店後のお化け屋敷ミッション」だ。「おばけの呪いで封じ込められた松屋の守り神を救出する」というストーリーで、閉店後に実施する。社員がおばけに扮し、ねぶた師の北村麻子氏が協力した特別な演出も行われる。小学生以上が対象で、計60人が参加できるが、すでに10倍以上の申し込みが来ているという。
松屋流ハロウィンとして行う、「閉店後のお化け屋敷ミッション」
同じく初の試みとして、オリジナルトレーディングガード「GINZA CELEBRATION CARD」を企画した。全30種で、「松屋銀座」、老舗のせんべい専門店「銀座 松﨑煎餅」、銀座のビル屋上で養蜂活動を行う「銀座ミツバチプロジェクト」、トータルビューティーサロン「ハツコ エンドウ」など、銀座にまつわる様々な店舗、コトをカードにした。同店で1万1000円以上購入するとランダムで1枚をもらえ、銀座の対象店舗で1000円以上購入するとそのショップのカードが先着でもらえる。
地下1階の食品売場催事場では10月29日~11月4日、銀座木村屋と銀座の名店がコラボしたコッペパンを販売する。この取り組みは、コロナ禍の地域活性化を目的に22年に初めて企画し、今回で4回目となる。ベースとなるのは銀座木村屋の酒種コッペパンで、そこに各店の具材を合わせる。
銀座木村屋の人気商品「栗あんぱん」の栗あんを使ったコッペパンも登場する
新たに「銀座・和光」「銀座みかわや」「ローマイヤレストラン銀座店」が参加し、前回に続き「銀座吉澤」「銀座ウエスト」も参加する。同企画を担当した食品部の山下寿徳氏は「毎回好評いただいているが、今回は全て新しい味にしたので、前回食べた方も楽しめる」と説明する。
5月に開催し、人気を博した「『松屋銀座をもっと知ろう!』温故知新ツアー」も再び開催する。100年の歴史を持つ同店には、あまり知られていない名所が数多くあり、それらを巡りながら案内する。ガイド役は、松屋グループで40年以上のキャリアを持つ、東京ファッション専門学校校長・田代健氏。5月の開催時は申し込みが殺到し、急きょ参加枠を増設したという。
そのほか、シャンパンメゾン「パイパー・エドシック」のポップアップストア、客と販売員の投票で決めた「みんなの!松屋銀座 大賞」のグランプリ発表、銀座にゆかりのある小学生を対象にした絵画展「つなぐ・つながる・つなげる 子どもたちの未来絵画展」といった企画を用意。銀座店開店当初のロゴなどを模した「松屋オリジナルスーベニアグッズ」や、各ブランドが開発した限定品「100周年アニバーサリーコレクション」も販売する。
古屋社長は今回のイベントについて「手応えを感じているのは、トレカやコッペパンといった他のお店とのコラボ企画を、社員が自らやってること。街との距離が近づいていることは喜ばしい」と語り、今後に関しては「街とは共存共栄の関係でいたい。若い世代の顧客化は常に課題であるが、若い社員のアウトプットも大切にしていきたい」と話した。
(都築いづみ)