三越日本橋本店、高知の“酢みかん”を使った商品を企画
ベルガモットやブシュカンなど、高知県産の柑橘類と他ブランドでコラボした
三越日本橋本店は今秋、三越伊勢丹グループの商品企画「オンリー・エムアイ」で、高知県の「酢みかん」を使った商品を展開する。高知県では、果汁や香りを楽しむ柑橘(かんきつ)類を酢みかんと呼び、食文化として親しんできた。そこに同店のバイヤーが着目し、他ブランドとコラボした惣菜やスイーツなどを開発した。9月17~30日に、食品売場や各階のレストランで提供する。
高知県は温暖な気候で、昔から柚子、ぶしゅかん、直七といった酢みかんが自生している。昔ながらの家では、庭の酢みかんを料理に使うことが日常だという。地域によって品種も多岐に亘り、40種類以上がある。近年は気候の温暖化によって従来の品種が栽培できなくなる懸念が生じたため、ベルガモットを栽培し、「土佐ベルガモット」というブランド化する取り組みも行われている。
高知県は柑橘類の一大産地。酢みかんは寿司や酢の物、魚料理などに広く使われている
惣菜では、土佐ベルガモットのエッセンシャルオイルをフレーバーソルトに使った「二幸サーモン」のアジの干物(648円)、青唐辛子と柚子果皮を使った「好餃子」の丸形餃子(759円)、直七の皮を用いた「一汁旬菜 日本橋だし場」のサラダ(432円)などを販売。新館地下2階のイベントスペースにはイートインコーナーを設け、しらす専門店「土佐しらす食堂 二万匹」やクラフトビール製造所「Teenage Brewing」のコラボメニューを提供する。
スイーツでは、ベルガモットコンフィを生地に加えた「ノワ・ドゥ・ブール」のフィナンシェ(400円)、文旦の果皮を練り込んだ白あんで果汁のジュレを包んだ「たねや」の文旦餅(4個入り、1296円)、ベルガモット果汁やリンゴの果肉を取り入れた「文明堂東京」のどら焼き(270円)などが登場。中でも目玉は「カフェタナカ」の「ビスキュイ・ブール・グルマン」(10個入り、3240円)で、ベルガモットと高知県産天日塩を使った「ベルガモット&天日塩」、ほろ苦いぶしゅかんと高知県産仁淀川山椒が好相性の「ぶしゅかん&仁淀川山椒」の2種のバターサンドを詰め合わせている。
「カフェタナカ」の商品。三越日本橋本店への出店1周年を記念した商品も今秋に販売する
8月28日にはメディア向け発表会を開催。三越日本橋本店の担当バイヤーは、「今回の企画では、各ブランドの方が楽しそうに考案していたのが印象的。味だけでなく香りもとても大事にしているので、皆様にも堪能していただきたい」とコメント。カフェタナカの田中千尋シェフは「酢みかんという、日本の食文化で大切な役割を担ってきたものを、私達もつないで守っていきたい」と述べた。
オンリー・エムアイは、三越伊勢丹グループのオリジナル商品企画。伊勢丹新宿本店や三越日本橋本店など、主要店舗で春と秋にフェアを開催し、様々な独自商品を期間限定で販売する。
(都築いづみ)