2025年07月22日

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免税は前年を下回るも、国内は堅調に推移

大手百貨店4社の6月売上高は、高島屋が3.0%減、阪急阪神百貨店が12.1%減、大丸松坂屋百貨店が4.6%減、三越伊勢丹が8.9%減と全社減収だった。全体的に免税売上げが減少しているものの、食品催事や外商催事など各社の取り組みが功を奏し、国内売上げはおおむね堅調に推移した。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は3.0%減で、店頭に限ると4.0%減だった。免税売上高は35.9%減、免税を除いた店頭売上高は1.7%増で推移した。法人事業は、受注が堅調に推移し、前年実績を上回った。クロスメディア事業は、通販カタログの計画的な部数、ページ数の削減の影響によって、前年実績を下回ったものの、衣料品などのファッションや食品が堅調に推移し、想定を上回った。店舗別では12店舗のうち、玉川(8.6%増)、日本橋(3.6%増)、大宮(1.7%増)が増収だった。

主要5品目は、身の回り品(20.2%減)、衣料品(5.4%減)、家庭用品(4.9%減)、雑貨(3.2%減)、食品(2.9%減)と、いずれもマイナスだった。品目別では、家電(34.5%増)、紳士服・洋品(0.7%増)がプラスだった。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は8.9%減で、4カ月連続でマイナスとなった。昨年の実績が大きい免税売上高は、関心の幅が広がっているものの前年の実績には届かなかった。新たにローンチした海外顧客向けアプリの会員数は引き続き堅調に推移している。一方、識別化が順調に進んでいる国内顧客の売上高は、首都圏を中心に堅調に推移した。

主要5品目は、雑貨(13.8%減)、身の回り品(10.7%減)、衣料品(9.5%減)、食品(1.9%減)、家庭用品(0.6%減)いずれもマイナスだった。識別顧客を中心に引き続き高付加価値商品への関心が見られ、特に次シーズン(25年プレフォール)を立ち上げた新宿本店ではラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に今から着られるアイテムが好調だった。日本橋本店での「夏のあんこ博覧会」など独自のイベント開催により、新規顧客の来店も促進した。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は,前年比2.6%減で4カ月連続のマイナスとなった。外商売上げが好調を維持したものの、休日数が対前年で1日減だったことに加え、ラグジュアリーブランドや婦人服などが前年実績を下回った。関係百貨店を除いた店計は対前年4.5%減、入店客数は2.6%増。免税売上高は31.1%減、客数0.6%減、客単価30.7%減、免税を除いた店頭売上高は3.3%増だった。店舗別では大丸梅田店がプラスを維持した。

主要5品目のうち、身の回り品(30.5%増)、食品(4.4%増)、雑貨(2.3%増)はプラスとなった。品目別では、婦人服・洋品(10.9%減)でジャケットやブラウスなどのアイテムに動きが見られたものの、訪日外国人によるラグジュアリーブランド売上げが大幅に減少し、前年実績を下回った。紳士服・洋品(10.0%減)は、スポーツ、ゴルフ用品、カジュアルウェアなど全般が不調。身の回り品ではアクセサリーが好調だった。美術・宝飾・貴金属(5.8%増)は外商催事の好調もあり、売上げが伸長。菓子(13.9%増)や惣菜(3.1%増)も引き続き好調に推移した。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は、阪神梅田本店は9.2%増だったものの、阪急本店は18.2%減、支店計は7.2%減となり、全店計は12.1%減と4カ月連続でマイナスだった。支店のうち、川西阪急スクエア(7.0%増)、あまがさき阪神(5.9%増)、宝塚阪急(5.3%増)、高槻阪急スクエア(3.0%増)、都筑阪急(0.4%増)が堅調に推移した。

主要5品目では、身の回り品(26.9%減)、雑貨(16.7%減)、衣料品(8.9%減)、家庭用品(7.4%減)はマイナスだったが、食品(2.6%増)がプラスだった。