2024年05月04日

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博多大丸の「未来共栄プロジェクト」、第2弾はラム酒づくりで地域活性

事業者達の夢を支援する「ファン」から「パートナー」へ、九州の地域活性を願う人達の背中も押す

博多大丸が展開する「九州探検隊」は、九州の生産者・事業者を応援する「未来共栄プロジェクト」の第2弾をスタートさせた。熊本県あさぎり町で球磨焼酎を製造する合資会社高田酒造場が、遊休農地を活用したサトウキビの自社栽培によるアグリコールラム酒の製造に向け、トークンを発行・販売する。安定的なラム酒の市場流通だけでなく、酒づくりを通じて人口減少が進む人吉球磨地域での関係人口の創出も目指す。

同プロジェクトは昨年12月、「新しい地方創生モデルの創出」を掲げて発足した。九州全体の活性化を目的に、九州の知られざる「モノ・コト」を発信する九州探検隊が、トークン発行型クラウドファンディング「FiNANCiE」を提供する株式会社フィナンシェと連携。Web3(インターネット上のデータ所有権と制御を分散化するブロックチェーンなどのテクノロジー)におけるトークンを販売し、新たな活動資金調達やコミュニティ形成につなげる。百貨店のリアル店舗を活用したプロモーションやイベント開催、オーナー同士のコラボ商品開発といった「フィジタル体験」も組み込み、九州の生産者・事業者を支援するとともに地域活性を促進する。

第1弾では、宮崎県を拠点にチョウザメ養殖とキャビア製品事業を展開する株式会社キャビア王国が、サポーター募集した。トークンの販売額は1005万円を記録。コミュニティではサポーターが商品の食べ方のアイデアを出したり、トークン価値を向上させるための施策をオーナーと一緒に考えたりと、現在も活発な活動が継続している。

合資会社高田酒造場では、焼酎は全て手づくり、こだわりの少量生産を続ける

第2弾となる今回は、明治35年創業の蔵元である合資会社高田酒造場がサポーターを募集する。高田酒造場は、2019年に熊本県芦北町と天草市のサトウキビを原料としたラム酒製造を開始した。1Lの搾り汁から約100mlの原酒しか取れないため多くのサトウキビが必要。しかし、黒糖製造を主目的に栽培するサトウキビを分けてもらっていることから、安定的にラム酒をつくれる量が得られず、市場への流通が困難という課題があった。

人吉球磨地域では少子高齢化に伴う人口減少が進み、遊休農地が増えてきている現状がある。そこで、遊休農地のを活用した自社でのサトウキビ栽培から、アグリコールラム酒の安定した製造までを行い、“世界シェア2%”といわれるプレミアムラム酒の製造を目指す。さらに、ラム酒づくりを通じたコミュニティ構築、少子高齢化に伴い人口減少が進む人吉球磨地方での関係人口の創出も、目標に据える。

トークンの購入数に合わせて特典内容が変わる

トークンを購入するサポーターには購入口数(トークン保有数量)に応じて特典が付く仕組みで、今回は製造されたアグリコールラム酒の購入権や、高田酒造場の通常商品の優待購入権が付与される。また、FiNANCiEアプリ内で参加できるコミュニティも、トークン販売に先駆けてオープンされた。コミュニティでは、高田酒造場のクラフトラム製造についての発信や、杜氏による球磨焼酎造りの日常など、ここでしか見られない情報を発信している。

トークンの販売は5月10日の18時まで。

博多大丸、九州の事業者を応援する「未来共栄プロジェクト」始動