2024年04月29日

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イオンモールとイオンリテール、「イオンレイクタウン」を3年かけ刷新へ

「レイクタウンアウトレット」の増床棟(イメージ)

イオンモールとイオンリテールは、今春から3年間かけて完成させる「イオンレイクタウン」のリニューアルプロジェクトをスタートさせた。順次店舗や施設面を刷新するほか、2024年春にはアウトレットに増床棟を新設。アウトレットモールをスケールアップする。

同プロジェクトは、地域全体の活性化を目的に、イオンレイクタウンが起点となって越谷レイクタウンの「暮らし・社会・環境」に働きかけ、人・モノ・コトが互いに「触れ合い」、「組み合い」ながら循環することで、持続可能なまちづくりの実現を目指す。

「暮らし」では、より豊かな暮らしを送るパートナーとして「必要な時に」から「人生ずっと」ともに育むレイクタウンに向け、大規模改装で「Life Time Park」の実現を目指す。リニューアルは今春を皮切りに、24年の春と秋、25年の春と秋と段階的に実施していく。

今春から24年まで2年をかけて段階的改装を進める「kaze」(総賃貸面積約6万1000平米、専門店数約230店舗)は、17日から順次オープンするリニューアル第1弾で新規13店舗、改装9店舗を含む28店舗を一新。2階のセンターストリートにビジネス・カジュアル・キッズのウエアと生活雑貨を展開する「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」と「ジャーナル スタンダード レリューム」がオープンした。

越谷レイクタウン駅からの玄関口「レイクタウンゲートウェイ」には、メイド・イン・ジャパンの木製デザイン雑貨ブランド「ハコアダイレクトストア」が埼玉県に初出店。全国からハンドメイドのアクセサリーを集めたセレクトショップ「コトモノマルシェ」がオープンするほか、御用邸チーズケーキで知られる「チーズガーデン」が改装してカフェを併設する。

2階にはデンマークのジュエリーブランド「パンドラ」が埼玉県初出店。ゼビオグループの都市型大型スポーツ専門店の「ヴィクトリアスポーツモール」がリニューアルし、店内に「ザ・ノース・フェイス」が約200㎡の広さでオープンするほか、「パタゴニア」コーナーを設け、ゴルフでは試打室の増設やトラックマンを完備する。「イオンシネマ」は、鮮明でリアルな映像と高精度なサウンドで映画に没入する感動体験ができるIMAXを導入する。

「mori」(総賃貸面積約9万9000㎡、専門店数約340店舗)は、今春から25年までの3年をかけて段階的に改装。17日からの第1弾では新規5店舗を含む9店舗を刷新する。2階に国内外100以上のブランドを取り揃えたセレクトカジュアルショップ「ジーンズ ファクトリー ララ」が関東初出店するのをはじめ、3階にはキャラクターグッズの「サンリオ」、テレビアニメ「プリキュア」シリーズの20周年を記念した「プリキュア プリティストア」が出店。1階には、3歳児から社会人まで通える「ETCダンススクール」、レストラン街には石窯で焼くハンバーグステーキ専門店「いしがまやハンバーグ」が出る。

「イオンレイクタウンアウトレット」(総賃貸面積約2万3000平米、専門店数約120店舗)は、これまで駐車場として使用していた場所に増床棟を新設。24年春にオープンする。顧客から要望が多かったインターナショナルブランドやライフスタイル提案型ブランドなど約40店舗が加わる予定。総賃貸面積は約7000平米増えて約3万平米に、専門店数は約160店舗へとパワーアップする。

レイクタウンアウトレット周辺に広がる大相模調節池河畔の水辺活用イメージ

「社会」で取り組むのが、次世代型“水郷こしがや”の実現。イオンモールは大相模調節池河畔の水辺を利用し、河川管理者である埼玉県と一体で地域の活性化を図ることを目的に、越谷市と22年8月に締結した「大相模調節池河畔 水辺活用に関する基本協定(仮称)」に基づき、水辺空間づくりにおいて良好な水辺と都市空間の形成やにぎわい創出、地域との連携による魅力の向上などの検討を進めている。

その事業方針として掲げているのは「良好な水辺と都市空間の形成」(大相模調節池をはじめ、既存ストックを活用し、より快適な都市空間の形成)、「にぎわいの創出」(飲食店や売店などの施設整備のほか、水辺を活用したイベントなどの企画・運営による賑わい創出)、「地域との連携による魅力の向上」(官民連携や市内事業者とのパートナーシップを構築し、水辺の魅力の向上)、「魅力の発信」(水辺の活用などに関する情報を発信し、水辺や地域の魅力が広く認知され、共感を生む)。

地域共創事業では、22年12月から越谷レイクタウンの居住者や地元企業、地元団体、教育機関、水辺活用企業などが参加して、水辺の活用方法などについての情報交換を行うタウンミーティングを行っている。22年12月に「水辺でこんなこと出来たらいいな!」、23年2月に「冬の水辺でこんなことしてみたい!」、3月に「レイクタウンの環境を考える!」をテーマに実施された。

「環境」では、越谷レイクタウンを中心とした地域の脱炭素社会・循環型経済の実現に向けた取り組みを挙げた。イオンモールは持続可能な社会の実現に向けて「脱炭素社会の実現」、「サーキュラーモールの実現」、「生物多様性の保全」の取り組みを進めているが、イオンレイクタウンでは地域サーキュラーエコノミーの一翼を担い、カーボンニュートラルに向けた「モールと地域の共創モデル」を実現すべく、リアルでの「共感の連鎖」を生む、共感・貢献行動の具体化・見える化を行うことで“レイクタウン版サーキュラーモール”の実現に向けて本格稼働。その具体的な取り組みの1つとなるイオンモールと東京大学による産学連携講座が始まった。

(塚井明彦)