2024年11月07日

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イオンモール太田 2階建ての増床棟を新設

OTA LINK SCAPEを外装コンセプトにした増床棟(ウエストモール)の外観全景(イメージ)

イオンモールが群馬県太田市で運営するショッピングモール「イオンモール太田」は4月19日、増床リニューアルオープンする。これまで駐車場として使用していた西側平面駐車場に、増床棟を新設。既存棟も日常に寄り添うライフスタイル専門店を中心に改装し、世代を超え、人と文化が“つながる”新たな地域の交流拠点へと進化させる。

2階建ての増床棟(ウエストモール)の2階には、既存棟2階にあるフードコートを移設・拡大。約1100席、15店舗からなる県内最大級の「FOOD FOREST」を開く。幼児専用の飲食スペースとして約230のキッズ席「もぐもぐテーブル」を設けるほか、フードコート内にいながらも自然を感じられるエリア「ピクニックコート」も整備する。

増床棟2階のFOOD FORESTにあるピクニックコート(イメージ)

15の飲食店舗のうち、新規に加わるのは9店舗。麺類では自主製粉を使用したコシのある信州そばを提供する「信州蕎麦 小木曽製粉所」、京都北白川の人気ラーメン店「ラーメン魁力屋」、つけ麺専門店「舎鈴」(群馬県初)、モチモチの自家製麺に秘伝のタレを絡めた「東京油組総本店イオンモール太田組」(同)、多国籍・和食ではベトナムのサンドイッチを提供する「バインミーシンチャオ」(同)、韓国料理の「ビビン亭」(同)、熱々の鉄板で提供する焼肉丼・定食が人気の「牛角焼肉食堂」(同)、スイーツはソフトクリームを提供する「那須千本松牧場」(同)を揃える。

増床棟2階はほかに「アクティブライフ」ゾーンとして、「Disney Store」(群馬県初)や「3COINS+plus」「WEGO」「ABC-MART SPORTS」が出店を予定する。

増床棟1階は「ライフスタイル&まなび体験」の場となり、インテリア、ライフスタイル専門店をはじめ、動物と遊びながら学びの体験ができる専門店を導入。インテリア・ライフスタイル関連では「KEYUKA」、計測してフィットするまくらを提案する「B-DESIGN byじぶんまくら」、「LIVING HOUSE」(群馬県初)が出る。無印良品は移転・拡大オープンする。

ファッションは「ジーユー」と「CIAOPANIC TYPY」(同)を加え、オンライン融合型店舗「ONWARD CROSSET SELECT」が移転・拡大。ペット&まなび体験では、アミューズメント施設と動物園が融合した「アニタッチPARK」が国内初出店する。ネコと憩いのひとときを体験できる「猫カフェMOCHA」が新規で加わり、生体からペット用品までを展開する「PETEMO」は移転・拡大オープン。スイーツ&カフェでは「GODIVA」と「ゴンチャ」が開く。

増床棟1階には、地域の人々が集える屋外交流拠点「みらいガーデン」を配置。増床棟は西側平面駐車場と新たに連絡ブリッジで接続され、悪天候でも雨にぬれずに訪れられる。増床棟ができると、イオンモール太田の延床面積は約2万1000㎡増えて約11万6000㎡に、総賃貸面積は約1万4000㎡増えて約7万6000㎡に、専門店数は約35店舗増え185店舗となる。

既存棟においては、1~2階のうち新規(24店舗)、移転(11店舗)、改装(11店舗)を合わせた46店舗がリニューアルの対象。増床棟の47店舗(新規30店舗・移転17店舗)と既存棟を合わせると全体の約5割に当たる93店舗となる模様だ。

既存棟1階には、北欧デンマーク発のファンライフスタイル雑貨ストアの「Flying Tiger Copenhagen」、人気韓国コスメを取り揃えたセレクトショップ「&choa!」(群馬県初)、素材・縫製・着心地にこだわったアイテムを取り揃えたレディス専門店「MEDOC branche」(同)、家電・おもちゃの専門店「Joshin」(同)、御用邸チーズケーキを展開する「CHEESE GARDEN」(同)などが出店。同2階にはダイソーが展開する100円ショップ「DAISO」、環境配慮型商品を扱う「Standard Products」、生活雑貨を300円で提供する「THREEPPY」の3業態による複合店舗が約1300㎡規模で今秋に開き、群馬県内最大の広さでホビー専門店「ホビーゾーン」がオープする予定だ。

山並みや自然の息吹が感じられる趣向の増床棟外観(イメージ)

イオンモールは持続可能な社会の実現に向け、「まちのACTION」をテーマに環境に関する①「脱炭素社会の実現」(街の発電所)②「サーキュラーモールの実現」(まちの資源循環)③「生物多様性の保全」(まちのいきもの+)――の3つの取り組みを進めている。イオンモール太田も、まちのACTIONへの取り組みに注力。街の発電所については、使用電力の100%を実質的に二酸化炭素(CO2)フリーとなる再生可能エネルギーを活用して運営。地域の耕作放棄地を中心とする遊休地を活用し、低圧・分散型太陽光発電設備で発電された電気を送る。使用電力の100%を再生可能エネルギーに由来する非化石証書を活用した、実質的にCO2フリーとなる電気で賄う。

まちの資源循環への取り組みでは、1つ目が群馬県産材の杉を増床棟1階テラス部分の柱、壁、軒天部分に使用。既存棟に新設する子供の遊び場「モクイクひろば」にも生かす。2つ目としては、既存棟2階のタイルカーペットをリニューアルに伴い刷新するだけでなく、利用していたタイルカーペット(廃材)は増床棟に移転するFOOD FORESTの床材(塩ビタイル)として再利用。3つ目としては、増床に伴う舗装改修工事において、撤去した既存舗装材のアスファルトコンクリートとセメントコンクリートを粉砕し、新たな仕上げ材として路盤材に採用する。まちのいきもの+では、増床棟1階テラス部分に地域に生育する樹種で構成した植栽帯を設け、鳥が羽根を休めるバードバスや巣箱を設置。多様な生物が生息できる環境を創出する。

イオンモール太田は災害に強い施設づくりにも努め、安全・安心への対応も怠らない。例えば停電では、災害時の緊急対策を考慮して防災電源や給水電源を確保。非常用発電機も設置し、防災センターや事務所などの主要な管理室およびイオン太田店の食品売場への電源を確保する。断水対策では、耐震性を有した受水槽(約230㎡)があり、断水・停電状態においても受水槽内の飲料水を利用できるように緊急用給水口を設置。エスカレーターについても、地震発生時の影響を最小限に抑えるべく、「エキスパンションジョイント」を設ける対策を施したエスカレーターを新設している。さらに災害時の一時避難に備え、赤ちゃんとお母さんが安心できるスペース(段ボール製の赤ちゃんベッドやベビーケアルーム)を擁する。

なお、イオンモールは太田市と「災害時における支援協力に関する協定書」を締結。有事の際、被災者に対して避難場所、水道水、トイレ、食糧・生活必需品などの援助など、防災活動への協力を決めている。

(塚井明彦)