2024年07月19日

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今年は3年ぶりに行動制限のないバレンタイン。年末商戦、初売りと活況が続き、各百貨店ともに攻勢を掛ける好機と位置付ける。昨年とは異なる“リアルを楽しむ”価値の提供に加え、活躍する「女性」へのフォーカス、注目度の高い「サステナブル」、追求する「チョコレートの魅力」など、独自性のあるテーマで各社各様に展開。原材料の高騰や輸入コスト上昇などネガティブな要因はあるものの、インターネット通販(EC)サイトの先行販売も、十分な仕掛けとなっている。多くのファンが待ちに待ったスイーツの祭典が、目前に迫っている。

ビーントゥバーのチョコレートが主流となった今、カカオへの注目度は増す一方だ。感度の高い消費者は素材への関心も高い。カカオの種類や加工方法なども販促には欠かせない要素といえる。バレンタイン商戦の拡大とともに、焼き菓子や和菓子などバラエティに富んだバレンタインスイーツが続々と誕生する中、あらためてチョコレートにスポットを当てる企画が目立つ。世界各地のカカオの魅力から、素材や見た目にこだわったショコラ、王道のブランドまで、豪華なラインナップが揃う。

小田急百貨店は、パッケージもかわいらしく、美しいチョコレートが勢揃い。満足度の高いラインナップ

小田急百貨店の「ショコラ×ショコラ」は国内外のトップブランドを集めて開催する。新宿店は昨年10月に新宿西口ハルクにリニューアルオープン。移転後初のバレンタイン商戦となる。7階のメイン会場に加え、地下1階の和洋菓子売場でも展開する。テーマは「幸せのショコラめぐり」で、自分へのご褒美用、ギフト用に、見た目も楽しめる商品を充実させる。「とらや」の「羊羹auショコラ」や、「京橋千疋屋」の「ショコラフレーズ」などデパ地下の人気店も期間限定品を用意し、拡販する。

ECサイトでは約70ブランドを揃えて特集ページを開設。イベントスペースの縮小による売上げ減少幅を埋めるため、店頭では展開しない限定品として、「ジャン=ポール・エヴァン」や「ル・ショコラ・アラン・デュカス」などの約50ブランドをラインナップする。

昨年は、強化した海外ブランドや、キャラクターとのコラボアイテムが好評。「モンブランとかき氷のイートインは行列ができる人気ぶりで、前年実績を上回る結果」(担当者)だったという。今年はリニューアルに伴う変化はあるものの、王道のブランドや人気のブランドをしっかりと揃えて対応する。

伝統と国際色豊かな京都から、人気のブランド「京都別邸」が登場。日本らしさを閉じ込めたチョコレートが揃う

京阪百貨店は「甘美が織りなす夢心地。」がテーマ。“和”の雰囲気が味わえる日本のショコラを中心に揃える。京都市・三条に店を構える「ベルアメール京都別邸」は、日本の素材と技術を投じ、季節を表現したショコラが人気のブランド。「スティックショコラ」は、華やかでフォトジェニックな逸品として集客が期待できる。

また、地域に根差したコンテンツも強化。オリジナルパッケージの「DECOチョコ」は、京阪線の主要駅の名前と車系の写真がセットで、5年目を迎える人気商品。守口店では、枚方市がホームタウンのバレーボールチーム「パナソニック パンサーズ」のDECOチョコも登場し、会場ではグッズ販売やフォトスポットを設置するなど大々的に展開する。

一昨年は外出自粛の影響で、モール京橋店など都心店が苦戦。昨年はその反動で、守口店などの郊外店が伸び悩んだ。担当者は「今年は活況を呈してほしい」と期待を込め、守口店では1割増の売上げ目標を掲げる。

カカオの魅力を追求した今年のバレンタイン。バラエティに富んだチョコレートが登場する

西武池袋本店では、チョコレートの原点である「カカオの魅力」にフォーカス。「個性豊かなカカオを味わいつくす」をテーマに展開する。カカオの産地や含有量に特化した商品をはじめ、カカオの果肉を使用した「ゴディバ」のジュース、カカオ豆の外皮「ハスク」を生かした「ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマ」のカカオティーなど、カカオを存分に味わえる商品が勢揃いする。

そごう・西武としては、約100以上のブランド、1000種類以上の商品を展開する。ECサイトは昨年12月1日から早々にキャンペーンを実施。前年より10ブランド多い約110ブランド、約700点の商品を取り扱う。

昨年は、コロナ禍の影響でも輸入ブランドの品揃えが20年度比で9割まで回復し、国内メーカーもキャラクターとのコラボ企画が奏功。前年比20%増の売上げとなった。今年はバレンタインの楽しみ方が多様化してきたことを踏まえ、意外と知られていないカカオの魅力を取り上げた。「お客様が様々な形で、カカオを丸ごと楽しめるバレンタインを提案する」(担当者)として、前年比10%増の売上げを目指す。

会場で配布されるパスポートにカカオスタンプを集めながら、カカオの産地について学ぶことができる

阪急うめだ本店は1月20日から「バレンタインチョコレート博覧会2023」をスタートさせた。国内外合わせて約300ブランド、約3000種類の商品が集結。「チョコで広げるGood Harmony」をテーマに、会場を盛り上げるエンターテインメント型の企画を投入する。「~カカオと旅する~『カカオワールド』」は、360度のVRでカカオ農園の風景やそこで暮らす人々の雰囲気が、臨場感あふれる映像と音で楽しめる。

さらにカカオの産地にこだわるブランドから約70種類のミニタブレットをラインナップ。コロンビアの「CACAO HUNTERS」やペルーの「MARANA」、インドネシアの「Pipitin Cocoa」など、異なる味わいを楽しみながら旅する気分も味わえる。

ECサイトで見られるデジタルガイドは、イベント内容を余すところなく知ることができる充実した内容。豊富な情報量で購買意欲を誘い、来店動機を創出する。

東横のれん街の担当者が推す「SMILELABO(スマイルラボ)」の「ボンボン ピーナッツ」。ポップで愛らしい見た目が、“映え”る一品

東急百貨店は、国内外の有名ブランドから、ユニークでオリジナリティのあるチョコレートまでをラインナップ。渋谷ヒカリエ ShinQsでは、70以上のブランドが登場し、地下2階の東横のれん街で展開する。 8階のクリエイティブスペース「8/ COURT・CUBE」でも、2月5日から「ショコラZakkaフェスティバル」がスタート。SNSで大きな影響力を持つ9人の若いパティシエがオリジナルの菓子を販売するなど、発信基地である渋谷らしい企画を打つ。

ECサイトでは「わたしの“推し”チョコレート」と題して、各店の担当者が奨めるチョコレートを紹介する。渋谷ヒカリエShinQsは衝動買いを誘う商品、渋谷東急フードショーは王道のブランドチョコなどで、フード事業部のバイヤーもショコラティエの逸品を披露し、顔の見えるPRで訴求。バレンタインデーの豆知識なども掲載してサイトを充実化し、楽しさと買いやすさを提供する。