2022年07月07日

パスワード

購読会員記事

【インタビュー】にんべん 髙津伊兵衛社長に聞く かつお節やだしがある暮らしをデザインして持続的成長を描く

髙津伊兵衛社長。1996年に株式会社にんべんに入社し、2009年に代表取締役に就任。20年2月、13代目髙津伊兵衛を襲名。

にんべんは新たな販路を積極的に開拓し、顧客接点を増やしている。かつて主要だった贈答ニーズは縮小の一途を辿り、他の収益源の確保は喫緊の課題だ。飲食や惣菜、弁当といった直営事業の強化に加え、業務用や海外にも本格的に進出。複数のチャネルによる成長を目指す。また、これらのチャネルをきっかけとして、日常でだしを使用する機会を増やし、商機に繋げる狙いもある。2021年度(21年4月~22年3月)に発表した中期経営計画では「かつお節・だしライフデザインカンパニー」と銘打ち、かつお節やだしのある食生活をつくるというビジョンをより鮮明化した。創業家の13代当主である髙津伊兵衛社長に、その戦略について語って頂いた。

 

飲食業はだしやかつお節の魅力を感じてもらい、料理の可能性を提案するために始めました

――髙津社長は1996年に入社し、2009年に社長に就任されました。社長業に取り組むにあたり、「にんべん」という会社をどのように捉えていましたか。

髙津 私は生まれた時からにんべんの中で育ったようなものですから、小さい頃から当社を見ていました。その中で、お祝い事や中元、歳暮など、贈答需要が非常に高かったのが印象的です。そういった消費がどんどん伸びていた時代でした。当社では、削り節の「フレッシュパック」が代表商品です。

しかし、私が社会人になる頃にはバブルが崩壊し、社会全体で贈答需要がどんどん減少。当社も例外ではありませんでした。当社はスーパーなどの量販店にも販路を持ち、贈答と自家用の二本柱でやっていましたが、自家用の構成比が大きく上がりました。私は大学を卒業して最初は髙島屋で働いていたので、外側から自社のそういった状況を見ていました。そのため、「(贈答主体の)このままではいけないな」という危機感はありました。もっともっと、デイリーでかつお節を使って頂ける機会をつくらなければと考えていました。

「にんべん 日本橋本店」は日本橋エリアの再開発にともない、2010年に改装オープンした

――就任されてからは、「日本橋だし場」、「日本橋だし場 はなれ」といった、今までにない飲食業態を始められました。

髙津 当社はずっと、創業の地である日本橋で、旗艦店として「にんべん 日本橋本店」を営んでいました。そこに日本橋エリアの再開発の計画が立ち上がり、10年に商業施設「コレド室町1」が出来ました。それに合わせ、1階に日本橋本店をリニューアルオープン。その一角に、日本橋だし場をつくりました。ここではかつお節だしを使った惣菜などをテイクアウトなどで販売し、一杯100円でかつお節だしを飲むこともできます。かつお節を買うだけでなく体験できる、いわば「だしのコミュニティ」です。その後14年には、「コレド室町2」の1階にレストラン「日本橋だし場 はなれ」を開きました。日本橋にある和食レストランというと敷居の高いイメージがあると思いますが、質の高いものを提供しながら、それでいてもう少し気軽に楽しめる店を目指しました。メニューはオーソドックスな和食に加え、洋やエスニックの要素を取り入れたものも用意しています。

――こうした飲食業も、「かつお節を使う機会を増やす」という考えに基づいたものなのでしょうか。

髙津 実は飲食業は、そうした考えの中では一番外側のポジションにあります。日本橋の再開発の一環として本店の移設改装が決まったため、だしを知ってもらう、だしを使った料理を気軽に体験してもらう場として試験的に始めました。お店としては、食物販の方がメインです。

日本橋だし場やはなれなどの飲食業を始めた狙いは、1つは料理や惣菜を通してだしやかつお節を味わい、その魅力を感じてもらうことです。それをきっかけに、かつお節やだしを用いた料理をもっと食べたり、家庭でも使って頂く機会を増やしたいと思っていました。改装オープンから少し経ってからですが、「日本橋だし場」というブランドで調味料やだしパックをつくり、飲食でかつお節やだしを味わった後に、購入して頂く機会を用意しています。

もう1つの狙いは、かつお節を使った料理の可能性の提案です。「こんな料理もできるんだ」という発見を提供します。かつお節と昆布の合わせだしなどは当社の定番ですが、それ以外にも洋風のものや、エスニックな要素を加えたものなど、今までにない創作料理的なメニューを開発しています。これはレストランだけでなく、惣菜でも洋風寄りのものを多く取り扱っています。こうした手法からも、家庭で召し上がる機会に繋がればと思います。

「日本橋だし場」は惣菜のテイクアウトやその場で飲めるだしの提供を行う

――実際に、日本橋だし場を通じてかつお節やだしの魅力を再発見した、というお客様は多いですか。

髙津 まず、店を訪れるお客様の数が増えました。改装前の日本橋本店は、主に贈答用の商品を並べたお店で、目的買いのご年配のお客様が多かったです。来店されるお客様も、それほど多くありませんでした。しかしコレド室町ができて、改装オープン当初は多くの方が訪れ非常に盛況になりました。その後も、改装以前と比べると目に見えて客数が増えています。さらに、客層が若返りました。近隣で働いているワーカー、コレド室町にショッピングに来る30~40代の方が多くいらっしゃいます。そうしたお客様が店でだしを味わい、魅力に触れることで、商品を購入することも少なくありません。「多くの方に来て頂く」という点では、コレド室町に出たことが契機になりました。

 

以前の「かつお節のにんべん」から「だしのにんべん」のイメージが強まりました

――その後、日本橋だし場から派生した様々な直営店を展開されています。

髙津 18年には、東武百貨店池袋本店に「日本橋だし場 Drip」を開きました。ここで提供するだしは注文を受けてからかつお節を削り、お客様の前で一杯ずつだしをドリップ式で引いてつくります。加えて、だしに野菜を混ぜ合わせた「だしスムージー」も提供しています。東武池袋本店では贈答用やデイリーの加工食品も販売しており、トータルで展開しています。

弁当を販売する「日本橋だし場 OBENTO」も展開する

19年3月には品川駅構内に「日本橋だし場 OBENTO」をオープンしました。出張や観光の方をメインターゲットに、かつお節だしを利かせたお弁当や惣菜を販売します。やはり品川駅は利用する方が非常に多いため、順調に推移しています。コロナ禍になって以降は落ち込みましたが、直近の10~11月は顕著に回復し、とりわけ11月は非常に好調でした。20年6月には渋谷ヒカリエShinQsにも出店しています。

これらに続き、惣菜店の「一汁旬菜 日本橋だし場」も始めました。20年6月のCIAL横浜を皮切りに、10月に西武池袋本店、21年3月にニュウマン新宿のエキナカに出店しました。ここでは旬の食材にだしを用いた汁物や惣菜、弁当などを扱っています。現在人気が高いのは弁当です。その結果単価も上がり、嬉しい部分もあるのですが、私達としては惣菜をもっと売っていきたいと思っています。というのも、惣菜の方がだしの味を感じやすいメニューが多いからです。例を挙げると、だしの餡を掛けた海老しんじょうや、「だしつるり」という名称の茶碗蒸しなどがあります。また惣菜は、若い方向けのメニューの開発もしています。最近では和風キッシュやアクアパッツァ、ロールキャベツなど、和のイメージではないものも用意しています。これは現場で意見が上がったため、それをもとに開発チームと打ち合わせながら商品やメニューを決めていきました。

――先ほど「食物販がメイン」とおっしゃっていましたが、やはりこうした食物販の展開が今後の要となりますか。

髙津 贈答需要が右肩下がりなのに対し、中食市場は堅調です。コロナ禍によって一旦下がりましたが、それでも長期的には今まで以上に成長すると思われます。お客様が手に取る機会の多い商材でしょうから、今後も強化していきます。

そして、だしを使った料理を食べることで、家庭内調理でのだしの使用にも繋げたいです。例えば、当社のロールキャベツはスープに白だしを使っています。白だしは食のジャンルを問わずに使いやすく、コロナ禍で新しく自炊を始めた人達からの注目を集めています。そのため、これを食べることがアレンジのヒントとして役立つのではと思います。

「だしとスパイスの魔法」はスパイスと調味液の使うタイミングを分けることで食材のおいしさを引き出す

――調味料などの購買を促進する狙いもあるんですね。御社は家庭用でも、ユニークな新商品を数多く発売されています。

髙津 だしを活用した提案の1つとして生まれた「だしとスパイスの魔法」は、俳優の速水もこみちさんを「にんべん公式アンバサダー」として迎え、社内の女性開発チームと共同で開発しています。これはスパイスと調味液の2つが入っていて、使うタイミングを分けることで食材のおいしさを最大限に引き出します。ユニークな調味料としては、「江戸レッシング煎り酒」もあります。煎り酒とは、濃口醤油が普及する以前、江戸時代に使われていた調味料です。これを現代風にアレンジし、サラダやマリネなどによく合う調味料に仕立てました。高付加価値のだしパック市場がここ10年程で拡大しているため、そこに照準を合わせた「薫る味だし」も発売しました。実際にかつお節からだしを引いた時のような豊かな香りにこだわり、開発にはかなりの時間を費やしました。プロの料理人がつくるような本格的な味付けと、芳醇なかつお節だしの香りが楽しめます。これらはどれも「だしを使っている」ことを打ち出している点は共通しています。

――「かつお節・だし」というのが御社のブレない主軸なんですね。

髙津 そして嬉しいことに、当社は以前「かつお節屋」というイメージが強かったのですが、ここ10年で「だし屋」と言われることが増えました。〝かつお節のにんべん〟から〝だしのにんべん〟といった感じでしょうか。お客様のイメージがかつお節やフレッシュパックだったのが、だしに広がったと捉えています。私達にとっては、その方が提案も色々と広がります。かつお節をそのまま使おうとすると、だしを引くかトッピングに掛けるくらいです。しかし、だしは料理の味の土台となるものですから、非常に応用が利きます。

――販売チャネルについては、ECサイトを早い段階から始められています。

髙津 2000年に楽天市場に出店したのが始まりです。まだ楽天市場の規模が大きくなかった頃です。ECサイトへの参入は今ほど一般的ではありませんでしたが、1つのチャネルとして、可能性が高いと判断しました。当社全体はまだ実店舗の売上げの方が構成比は高いですが、ECサイトも増加傾向が続いています。「つゆの素」など地方であまり販売していない商品を購入する受け皿になっていますし、ネットならではの独自の動きもあります。

水とかつお節を入れ、電子レンジで加熱すると簡単にだしが引ける「だしポット」という商品がありますが、これが売れています。だしを引くための入り口的な商品なのですが、ECの商品別売上げで1位になるほどで、30~40代の若年層を中心に購入頂いています。だしを引くことにハードルの高さを感じる方は多いですが、電子レンジで温めるだけでできることに手軽さを感じて頂けるようです。興味深いことに、だしポットはリアル店舗にも置いていますが、それほど売れていません。ネットでは画像や動画などを用いて商品を説明していますから、その方が良さが伝わるのでしょう。こちらからも広告などによる訴求を強化し、さらなる拡販に努めています。

この背景には10年程前から「だしブーム」のような動きがあり、だしに触れたいというお客様が潜在的に多いようです。だしポットは道具ですから、1人のお客様は1度買ったらそれで終わりなのですが、それでもずっと売れ続けているので、潜在的な需要の高さ、だしへの関心の高さを感じます。ただ、こういった動きもECサイトを始めたことによって起こりました。同じ場所で営業するだけではお客様はなかなか増えませんから、「新しいお客様がいるところに寄り添う」という考え方は今後も続けていく方針です。

――話を伺っていると、髙津社長は新事業や商品開発、ECサイトなど、非常に多くのチャレンジをされていますね。

髙津 私は社長になる前に営業職もやっていましたが、新しいことを始めるのが嫌いではないんです。飛び込みの新規開拓などもやっていました。当時はまだメジャーではなかった楽天市場に出店したのもそういうことです。新しいことを始めないと、将来性は見えない。かつお節の贈答ギフトだけでは食べていけない。それを補う1つの柱が自家需要であり、そのほか業務用の外食、給食、ECサイトなども含め複合的にチャネルを伸ばし、トータルで成長していきたいと考えています。

 

百貨店では美味しくて、また食べたいもの、わざわざ買う楽しみがある商品を提案します

――では、これからのプランについても教えていただけますか。

髙津 昨年、21年度(21年4月~22年3月)~23年度の3カ年計画を立てました。その中で、こうした考えの1つの例えとして「かつお節・だしライフデザインカンパニー」というテーマを掲げています。生活の中でかつお節やだしを使う機会を提案し、食生活を設計・かたちづくる会社になろうという趣旨です。

人気の「つゆの素ゴールド」は、25周年に合わせた企画を計画している

具体的に売上げの面では、現在好調な「だしとスパイスの魔法」、「つゆの素」などを通じ、新しくだしを使ってもらう機会を増やします。特につゆの素は、中容量の商品の支持が高く、ここ数年は2桁増が続いています。中でも高付加価値の健康機軸商品、減塩の「塩分ひかえめつゆの素ゴールド」や糖質オフの「糖質70%オフつゆの素ゴールド」、小麦と大豆を使用しないためそれらのアレルギーの方も使える「四穀(よんこく)つゆ」などが人気です。これらを安い時に大容量で買うのではなく、使い切れる適正な量を定期的に買ってくださる傾向があります。この部分を今後も伸ばしていこうと思います。認知度の拡大もそうですし、商品のバリエーションも、新しい基軸があれば増やすかもしれません。

つゆの素の高級ラインである「つゆの素ゴールド」が23年に25周年を迎えるため、その準備も計画しています。つゆの素ゴールドもここ10年は2桁増で売れ、お客様からの支持が拡大している商品です。今まで大きなプロモーションを打っていなかったのですが、周年を迎えるタイミングで、改めて知って頂く機会をつくろうと思っています。

――家庭用事業以外では、どういった戦略を描いていますか。

髙津 百貨店や商業施設では、一汁旬菜 日本橋だし場や日本橋だし場 OBENTOなどに注力していきます。オファーを頂ければ、新たな出店を検討します。現在は百貨店や駅ビル、駅ナカに出していますが、最近はコロナ禍によって都心の立地が絶対ではなくなりました。本店がある日本橋エリアなども都心でオフィスワーカーが多いため、客足はまだ完全には戻っていません。そのため、次にどういったところへ出すかは悩みどころです。リモートワークを導入してオフィスを縮小した企業もみられますし、今後もコロナ禍以前の状態には戻らないでしょう。もう少し郊外の、平日も週末も常に人がいるような、日常生活に近い場所も視野に入れています。

贈答については、中元や歳暮などはこれからも減少傾向が続くと予想されます。しかし、当社の売上げをアイテム別で見ると、惣菜やフリーズドライのみそ汁など、簡単に食べられる商品のニーズは高まっているので、こうした分野を強化します。既存商品の味をブラッシュアップしていますし、新商品も積極的に開発しています。

直近では、もなかの皮に包んだ吸物やにゅうめんといった人気の高い商品に着目しています。そこにだしを基軸とした「至福の一椀 お吸物もなか」、「だし薫る にゅうめん」を開発し、昨秋に発売しました。もなかの吸物はすでに他社が主なシェアを取っており、当社は後追いとなりましたが、もなかの型をかつおの形にしてにんべんらしさを出したり、赤と白を用意して紅白でセットにできるようにしたりなど、工夫を凝らしました。中元・歳暮が縮小しているのに対してパーソナルギフトは活況なので、そうしたシーンでの利用も狙いました。

――百貨店というチャネルについては、どのように考えていらっしゃいますか。

髙津 「良質のものを置いている」と認識しているお客様が多いチャネルだと感じます。デパ地下には色々なブランドがありますが、やはり素材や味付けにこだわった、美味しいものを扱っています。味だけではなく、商品につくり手のこだわりやブランドの歴史といったストーリーがあります。美味しくて、「また食べたい」というものが揃う。わざわざそこで買う楽しみや、パッケージを開ける喜びがある。そういう場であり続けてほしいですし、私達もそういった商品を提案していきます。

百貨店のマーチャンダイジングは「どのブランドを、どう並べるか」だと思いますが、その編集には可能性を感じています。物産展などがまさにそうですが、今後ももっと面白い売場が登場するのではないでしょうか。

 

ここ2年、コラボレーションが好調な業務用は営業体制を強化して拡大していきます

――業務用事業についてはいかがでしょうか。

髙津 業務用は以前から行っていましたが、後発だったため、シェア率は低い状態でした。ただ、業務用は販路やお客様が非常に多く、裾野は広いです。日本の食の約3分の1は業務用と言われているほどですから。拡大すべき領域だと捉えていますし、そのために営業体制を強化します。具体的には、人員の増加などによって対応します。現在当社が持っているチャネルは主に学校給食、介護老人保健施設、飲食店やコンビニで、まずこれらを伸ばします。中でも介護老人保健施設はコロナ禍でも特に安定し、今後も伸びることが期待できるので重視しています。

業務用でいうと、日本橋だし場を出して以降はコラボレーションの数も非常に多いです。有難いことにオファーを頂いた案件が多く、何年も続くものや、コンビニでの展開もあります。家庭用でも、直営店や百貨店で販売する商品が採用され、取り扱ってもらうといった広がりも出ています。コラボレーションはここ2年ほど特に好調で、売上げに寄与しています。「にんべん」という名前も出させて頂いているので、認知度の向上にも繋がっているのではと考えます。

――以前から海外展開も始められています。

髙津 今後の拡大を見込み、少しずつですが力を入れています。和食レストランや、日本人向けの和食材を扱うストアを中心に営業を考えています。農林水産省の統計によると、コロナ禍前までは和食レストランの数は急速に増えていました。ただ、韓国系や中国系の人が調理をする店も多く、中にはだしの引き方を我流でやっている人も少なくありません。そこに当社のつゆやだしを使って頂くことで味が決まります。

――日本人はだしの味わいに親しみがありますが、その土地独自の食習慣がある外国の人にも分かってもらえるのでしょうか。

髙津 やはり、だしの魅力を分かって頂くことは難しいですね。濃い、しっかりとした味付けが好まれがちです。ただ、業務用のつゆや白だしを使うと、味や品質が安定するというメリットがあります。また、濃い味付けでもだしの味は出ますし、だしを知っているお客様に評価して頂けます。さらに、飲食店で食べた方が「家庭でも再現したい」というときに、ストアで手に取ってもらうことも狙っています。国内で、日本橋だし場で食べて頂いた後に調味料などの購買に繋げるのと同じ構造です。

飲食店や惣菜の販売などを通じて「かつおぶしやだしがある暮らし」を示し、さらなる成長に繋げる(写真は一汁旬菜 日本橋だし場 新宿店)

――だしを使った料理に触れてもらい、そこから家庭での使用に繋げる。そういった戦略が基本になっているんですね。

髙津 国内でも、最近は「丁寧な暮らしをしたい」という潜在的な欲求が増えていると感じます。実際に実現するのは難しくても、それでもそういう暮らしをしたいという想いが世の中にあるのだと思います。そこに、かつお節やだしがある暮らしを提案していきたいです。日々の生活の中でどのように実現するかを示すことで、使って頂く機会をつくり、増やす。これが「かつお節・だしライフデザインカンパニー」の〝ライフデザイン〟になります。お客様の生活を、商品や店を通じてデザインし、それと共に当社も成長していきたいと考えています。

(聞き手・都築いづみ)