2025年05月21日

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前年のインバウンド増の反動減で、全社マイナス

大手百貨店4社の4月売上高は、阪急阪神百貨店が6.5%減、高島屋が6.1%減、大丸松坂屋百貨店が1.8%減、三越伊勢丹が1.4%減と全社減収だった。全体的に国内売上げは堅調に推移したものの、前年の訪日外国人によるラグジュアリーブランド売上げの増加に対する反動減などが影響し前年実績を下回った。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は6.1%減で、店頭に限ると6.6%減だった。免税売上高は32.5%減、免税を除いた店頭売上高は0.9%減を示した。ただし既存店対比では、国内顧客売上高は前年を上回った。店舗別では12店舗のうち、大宮(5.6%増)、玉川(2.6%増)、日本橋(2.1%増)、岡山(1.5%増)、高崎(0.2%増)、柏(0.1%増)の6店舗が増収だった。

主要5品目のうち食品(4.3%増)は増収だったが、身の回り品(16.1%減)、家庭用品(11.1%減)、雑貨(5.1%減)、衣料品(5.0%減)はマイナスとなった。品目別では、家電(29.3%増)、化粧品(3.4%増)、子供服・洋品(0.1%増)がプラスだった。菓子(5.2%増)、惣菜(2.6%増)は、物産展など食品催事の堅調な推移が後押しした。法人事業(4.9%増)は受注が堅調に推移し、前年実績を上回った。クロスメディア事業(6.7%減)は、通販カタログの計画的な部数やページ数削減の影響で、前年実績を下回ったが、衣料品などのファッションや食品が堅調に推移し想定を上回った。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は1.4%減で、2カ月連続でマイナスとなった。月初は天候の不安定だった影響もあったが、中旬以降の気温上昇に伴い復調し、三越伊勢丹計は0.2%増で、旗艦店は銀座が3.4%増、日本橋が1.6%増、新宿が0.9%減だった。

主要5品目は家庭用品(5.1%増)と食品(3.1%増)、雑貨(0.4%増)がプラス、身の回り品(4.2%減)、衣料品(3.7%減)がマイナスだった。品目別では化粧品(6.1%増)が引き続き好調に推移した。首都圏店舗を中心にラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのジャケット、ブラウス、スカート、パンツなどの衣料品や宝飾品、化粧品、装身具などが伸長。独自性の高い催事やイベントが国内外から集客に寄与した。免税売上げは化粧品や装身具に関心の幅が広がり、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品も堅調に推移した。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比1.8%減で、2カ月連続のマイナスとなった。関係百貨店を除いた店計は1.9%減、入店客数は2.9%増。免税売上高は20.5%減、客数13.7%増、客単価30.1%減、免税を除いた店頭売上高は2.2%増となった。店舗別では15店舗のうち13店舗がプラスとなった。

主要5品目のうち衣料品(6.3%減)はマイナスだったものの、身の回り品(18.5%増)、食品(5.8%増)、雑貨(1.7%増)、家庭用品(0.5%増)の4品目がプラスだった。婦人服・洋品(5.8%減)は、前年に訪日外国人によるラグジュアリーブランド売上げが大きく増加した反動減で前年実績を下回った。紳士服・洋品(8.2%減)は、スーツや紳士用品などの不調によりマイナスとなった。身の回り品(18.5%増)はアクセサリー、婦人靴が好調を維持。雑貨(1.7%増)は訪日外国人客数の増加に伴い、化粧品(11.6%増)が好調に推移した。食品(5.8%)は価格高騰のマイナス影響はあるものの、花見などの行楽需要、物産展の好調などによりプラスとなった。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は6.5%減と2カ月連続でマイナスだった。阪急本店は7.8%減、阪神梅田本店は4.6%減、支店計は4.8%減だった。支店のうち、あまがさき阪神(3.9%増)、宝塚阪急(3.7%増)、高槻阪急スクエア(2.9%増)、阪神・にしのみや(2.4%増)の伸び率が高く、都筑阪急(1.8%増)と大井食品館(1.6%増)も堅調に推移した。

主要5品目では身の回り品(21.3%減)、衣料品(7.7%減)がマイナスだった。家庭用品(4.0%増)、雑貨(3.4%増)、食品(1.1%増)の3品目がプラスだった。