2024年06月21日

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アルビオンの「スキコン」、50周年は新客の獲得と既存顧客との関係性強化に傾注

4月13~14日に渋谷モディで行ったイベントには長蛇の列が生まれた

50周年を次代への礎づくりに――。アルビオンは1974年に発売した化粧水「スキンコンディショナー エッセンシャル」、通称「スキコン」の“アニバーサリー”を機に、新客の獲得と既存顧客のロイヤリティの向上に傾注する。売場の什器や装飾をスキコン一色にしたり、特設サイトを開いたり、特長や豆知識などをまとめた冊子「アニバーサリーブック」を発行したりするほか、国内外で人気のキャラクターアーテイスト・タロアウト氏がデザインした「スキコちゃん」や「アルビー」も登場。クーポンの配布と店頭でのカウンセリングを組み合わせた「トライアルフェス」の実施、限定品の販売なども交え、50周年ならではの手法と規模で大々的に訴求する。次の10年、いや100周年を見据えて、スキコンをスキになってもらうためにコン身の力を振りしぼる。

@cosme TOKYO内に配された、スキコンの什器。デジタルサイネージも備える

「入社した時から当たり前にあったスキコンを、どう受け継いでいくか。50年続いている凄さを感じているが、ゴールではない。次の10年、20年、100年に向けて、いかに盛り上げていくきっかけにできるか。売上げはインバウンドの恩恵があった2017年に比べると、やや下がっている。もう一度、スキコンが本当に良い商品であると伝え、お客様をつくっていきたい。次代に向けての挑戦だ」

スキコンの50周年企画を主導する前田晴那セールスプロモーション部企画グループプランナーは力を込める。アルビオンの調査によれば、同社の乳液またはスキコンなどの愛用者のうち約5割が「初めてのアルビオンの商品はスキコンだった」と答えており、親子三世代の愛用者も少なくない。50周年は、その「超」が付くロングセラーをさらに広め、ファンを増やす好機と位置付け、接点を最大化する。

まず3月1日、50周年特設サイトを開き、スキコちゃんやアルビーのLINEスタンプ、アニバーサリーブックの配布を始めた。「お祝いと多幸感を併せて表現した」(前田氏)特設サイトにはスキコンの歴史や最新情報、愛用する著名人からのメッセージなどを掲載。スキコちゃんやアルビーも脇を固める。スキコちゃんやアルビーは、世界的なラグジュアリーブランドともコラボレーションしてきたタロアウト氏がデザイン。「高級感は必要だが、50年もの長きに亘り愛されてきた親近感も両立できるように依頼した」(前田氏)という。どちらも“設定”が練られており、スキコちゃんはスキコンが親子三世代に愛用されているため「三代目の見習い妖精」で、アルビーはスキコンに配合されるハトムギの妖精だ。LINEスタンプは好評で、顧客同士のコミュニケーションにも寄与している。

タロアウト氏がデザインした「スキコちゃん」(右)と「アルビー」

アニバーサリーブックは約70万人分を制作。スキコンを高く積み上げる女性が印象的なビジュアルが表紙で、店頭などに置いて50周年を伝える。スキコンの特長や豆知識、スキコンにまつわる物語を動画で楽しめるQRコード、著名人からのメッセージ、50周年の特別企画などが収められており、読み応えは十分だ。

4月10日にはトライアルフェスがスタート。アルビオンの公式LINEからクーポンを取得し、店頭で5~10分間のカウンセリングや商品説明を受けた人に、スキコンのミニボトルと5月18日に発売するメイク落とし・洗顔せっけん「スキンコンディショナー クレンジングバー」(以下、クレンジングバー)のセット「50周年スペシャルボックス」をプレゼントする。クレンジングバーは既存商品のリニューアルで、スキコンと同じく自社契約栽培農場で有機栽培されたハトムギ「オーガニック北のはと」を殻や糠まで丸ごと使用し、「つるつる感や潤い、明るい透明感が特長」(前田氏)だ。

「トライアルフェス」で配布した「50周年スペシャルボックス」

トライアルフェスについて、前田氏は「スキコンを新たに知ってもらうきっかけにしたい。初めて売場を訪れるハードルは高いが、クーポンを提示していただく形であれば、それも下がるのではないか。LINEを使うのも、ハードルを下げるためでもある。トライアルフェスは約20万人の集客を目指して展開するが、これからのスキコンの発展のためにも若年層、特に20代を取り込みたい」と狙いを明かす。

関連して、4月13~14日には渋谷モディで「スキコン.meet.フェス」を開催。会場で気軽にスキコンを試し、50周年スペシャルボックスをもらえるようにするとともに、体験談などをSNSに投稿した人にはルーレットの形式で豪華なプレゼントを渡した。事前にはラッピングバスを走らせ、「TikTok」でも告知。渋谷という「普段、アルビオンと出会えないお客様が集うエリア」(前田氏)で、スキコンをPRした。

新客との接点につながるイベントは、今後も積極化。5月から順次、全国で25回ほどを予定する。セールスプロモーション部だけでなく、営業本部(百貨店部、専門店部)と連携。全社を挙げての取り組みで50周年を盛り上げ、集客力を高める。

5月18日には、既存顧客と新客のそれぞれをメインターゲットにした、2種類の限定品を投入する。前者はスキコンの485mLの大型ボトルで、価格は1万1000円。通常は110mL(3850円)、165mL(5500円)、330mL(9350円)の3種類で、愛用者にとっては非常に割安感がある。後者はスキコンの165mLとクレンジングバー、「薬用スキンコンディショナー エッセンシャル ペーパーマスクN」のセットで、価格は5500円。前田氏は「スキコンの売れ行きが加速する5月に合わせて発売する。共に4月1日に予約を始めたが、大型ボトルは好調。10年前にも同様の大容量を販売し、人気だった。セットでは、同日に発売するクレンジングバーが凄く気に入ってもらえるのではないか。ご家族で使ってほしい」と期待を寄せる。

スキコンの485mLの大型ボトル

スキコンの165mLとクレンジングバー、「薬用スキンコンディショナー エッセンシャル ペーパーマスク N」のセット

50周年企画の全ては来店に結び付け、接客の機会をつくるためだ。接客はアルビオンの強みでもある。その店頭では什器やPOP、デジタルサイネージなどを駆使して、1年間に亘りスキコンを印象付ける。モノからコト、ヒト、環境まで連動させ、新客を呼び込み、既存顧客の購買意欲を喚起する。

50周年に向けて製作した什器。インパクトは抜群だ

「アルビオンの最大の強みは店頭での紹介活動。5月18日にはディスプレイなども変わるが、8月末までは店頭でしっかりとスキコンを打ち出す。秋にも限定品を発売するが、50周年のフィナーレと51周年へのつなぎとする」と前田氏。スキコンが誕生して半世紀。大きな節目にふさわしいチャレンジは、ますます熱を帯びていく。

(野間智朗)