2024年05月09日

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ナイガイの「スアシック」が好調、新規販路で売上げ増

ナイガイの「スアシック」は今年4月、全国のドラッグストアでの販売を開始。同社の小売り事業の売上げをけん引する

ナイガイが昨年8月に発売した「SUASiC(スアシック)」が、今年に入り好調な売れ行きをみせている。「はかないくつした」をキャッチコピーに、足に履かずに靴に装着する新しいスタイルのアイテムだ。同社の靴下製造技術を駆使して織り上げ、足と靴の保護機能を備えると同時に快適な使用感を実現した。上期(2023年2~7月)の売上げ実績は1億円以上で、当初目標とした3000万円を大きく上回った。販売数も15万足以上を記録した。今年4月に新たな販路として開拓したドラッグストアでの販売が、同社の小売り事業の売上げ増に大きく奏功した。

スアシックは一般的な靴下とは逆の発想で商品化した画期的なアイテムだ。その商品力もさることながら、カギとなったのは、同社初となるドラッグストアで展開だった。今年4月に全国のドラッグストアでの販売を、本格的にスタート。販売チャネル拡大とともにリピート購入にもつながった。

今泉賢治代表取締役社長は「以前から考えていたがなかなか出来なかった。スアシックは新しい販路を開拓できた、意味のある商品」と話す。インターネット通販サイトや全国の百貨店での販売に加え、今後も重要な販路と位置付ける。サンダルなどへの着用をメインとするため、販売のピークは暑い時期となるが、年間での販売数は20万足程度を着地点に据える。

同社が9月に発表した24年1月期第2四半期の連結業績は、最終損益がマイナス8700万円と黒字化には至らなかったものの、前年より4億1600万円改善し、営業利益も前年より3億9600万円改善した。小売り事業の売上高は、スアシックの販売好調を受け、前年比3.5%増の10億3100万円で、営業利益も前年より2700万円改善した。

通期では、最終利益2億2500万円の黒字化を見込む。今泉社長は今後の方針について、売上げ以上に収益の改善に比重を置くと明言。「利益を創出する体質に変えていく」と意気込みを表した。

(中林桂子)

ナイガイ、「スアシック」の拡販を本格化