2024年04月12日

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大丸松坂屋百貨店の「明日見世」、“売るショールーミング”に挑戦

自動販売機では6ブランドの15品を購入できる。決済の手段はクレジットカードか電子マネーで、現金は使えない

“売るショールーミング”に挑戦だ――。大丸松坂屋百貨店は8日、大丸東京店に構えるショールーミングストア「明日見世(asumise)」に自動販売機を設置した。2021年10月にオープンして以降、特に反響が大きかった6ブランド・15品を購入できる。これまでは一部のイベントなどを除いて商品を販売しておらず、各ブランドのインターネット通販の利用を促してきたが、客からは「この場で買って持ち帰りたい」という声が多く寄せられていた。それに応え、収益力を高める。

自動販売機で買えるのは「KIRIORI(キリオリ)」の海苔や「BRAIN SLEEP(ブレイン スリープ)」の枕、「Ebbinghaus Stationery(エビングハウス ステーショナリー)」のふせん、「VIGAKU LAB.(ビガクラボ)」の歯ブラシ、「演造」のパソコン用スタンド、「OaK(オーク)」のデリケートゾーン用オイル。自動販売機はタッチパネル式で、商品を選ぶとその情報を得られる。タッチパネルの部分はデジタルサイネージも兼ねており、定期的に商品などの映像が流れる。決済はクレジットカードか電子マネーを選べ、現金は使えない。商品の価格は400円~3万3000円まで幅広く、1カ月に100万円の売上げを見込む。

自動販売機には気軽に買える利点がある。大丸東京店には出張や旅行で訪れる客が多く、土産需要や衝動買いを狙う。園田覚本社経営戦略本部DX推進部スタッフデジタル事業開発担当は「1年くらい前から自動販売機の設置を検討してきた。新しいお客様にアプローチできる」と期待を寄せる。

テーマに沿って3カ月ごとにD2Cブランドを入れ替える明日見世にとって、8日は第7弾のスタートでもあった。「あたらしい暮らし、あたらしい私」をテーマに、17のブランドを集積。百貨店初となる「グリポン」は、廃油から抽出したグリセリンと植物由来の原材料を使用したアルカリ洗剤で、岐阜県恵那市の廃棄物処理会社であるケイナンクリーンが手掛ける。循環型社会を象徴する、画期的な商品だ。

明日見世での展示に合わせ、大丸東京店内の「ブラッスリー ポール・ボキューズ」から出た約40Lの廃油を提供。グリポンの製造には1tほどの廃油が必要で、ごく一部に過ぎないものの、明日見世は「Social good/サステナブル、地域貢献など」を選定のポイントと位置付けており、ブラッスリー ポール・ボキューズの協力を得て、それを違う形でも示した。

廃油から抽出したグリセリンと植物由来の原材料を使用したアルカリ洗剤「グリポン」

そのほか、スマートフォンで利き手の写真を撮って送ると、ジャストフィットする箸をつくり上げてくれる「itten(イッテン)」(リアル店舗初)、ジェンダーレスファッションを展開する「JiProign(ジプロイン)」(商業施設初)などが5月30日まで展示中だ。

(野間智朗)