2026年05月01日

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Z世代とつながり続ける 阪急うめだ本店の「Something Good Studio」

企画から販売まで、全てZ世代のバイヤーが手掛けている

今後を担う世代として注目されている、Z世代。様々な業界がZ世代を意識したマーケティングを講じており、百貨店業界も例外ではない。その中でも一歩先んじているのが、阪急うめだ本店の「Something Good Studio」(以下、SGS)だ。昨年3月、Z世代の社員が「本当にほしいモノ・コト」を発信する売場としてオープンし、多くの若者が集まるヒットコンテンツを生み出している。

来店頻度や滞在時間の向上を目的に

SGSは3階の婦人服ゾーン「シスターズクローゼット」内に位置し、1週間単位のポップアップを展開する。売場の構想は、2019年春に始まった。「当店は比較的若いお客様も来店される。しかし、その多くはスイーツ、コスメ、モードファッション、バレンタイン催事など、特定のカテゴリーに偏っていた」とシスターズクローゼット・肌着営業部マネージャーSGS・プロモーション担当の野中裕太郎氏は説明する。目的の売場に直行直帰となる若年層の来店頻度や滞在時間を高める、“つながり続ける場所”としてSGSを考案した。

もう1つの狙いは、若手社員が主体となって働ける場の創出だ。上司の指示の下で働くだけでは売場に若手社員の意見や感性が反映されず、モチベーションも保ちにくい。「若手社員の価値観で企業が動く」成功体験を積んでもらい、社会人としての成長や組織の活性化を促す。

20年夏に、入社3年目の社員を対象にバイヤーを募集。「自分ならではの興味軸がある」、「自分の個性を表現できる」、「SNSなどでお客様と直接コミュニケーションが取れる」ことを基準に選考を行い、得意分野のバランスなども考慮しながら4人を選出した。その後半年間の準備を経て、3月末のオープンに至った。

企画から販売まで若手が手掛ける、「Z世代が主役」の場

SGSの最大の特徴は「Z世代の若手社員が企画を手掛ける」ことで、バイヤーが自分の感性で「良い」と思うモノ・コトを提案する。また、「企画から販売まで、全ての業務に一気通貫でバイヤーが携わる」点も、他の売場と異なる。同店のポップアップは①企画・立案、②コンテンツ(ブランド)集め、③SNSなどでのPR、④店頭でのブランド受け入れや接客販売の4つの業務があり、基本的に①はディレクター、②はバイヤー、③は専任のPR担当、④は販売員が受け持つという仕組みを取っている。

しかし、SGSでは全てをバイヤーが行う。運営組織にはマネージャーの野中氏、サポートの社員も1人いるが、あくまでサポートという立ち位置だ。「SGSは『次世代がキラキラと活躍して認められる社会をつくる』ことを社会使命としている」(野中氏)ことから、バイヤーが自分の「好き」を最大限に発揮できる体制にした。

若者を惹き付けるには同じ世代の感性が不可欠と考え、バイヤーは時機を見て入れ替える。今年10月にはスタートメンバーの4人から、新入社員が2人、2年目が1人の計3人へとバトンタッチした。

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