2024年04月19日

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伊勢丹新宿本店、メンズ館1階の化粧品売場を増床・改装 美容機器やサプリ、ボディケアなど充実させ生活提案型に

売場を2倍に拡大。取り扱うブランドの数は、新規に24を加えて約65まで増加した

三越伊勢丹は16日、伊勢丹新宿本店のメンズ館1階を新装し、化粧品売場を2倍に拡大した。取り扱うブランドの数は、新規に24を加えて約65まで増加。美容機器やサプリメント、ヘアケア、ボディケアの販売を始めるなど、品揃えの幅も広げた。品揃えの充実化にとどまらず、ブランドの枠を超えて商品を試せる「トライアルスペース」、キュレーターがセレクトした商品を参考にできる「キュレーション/アワード」、最新の「AIミラー」を用いた肌診断サービス、周囲の視線を気にせずカウンセリングを受けられるパーソナルスペースなどを導入。化粧品の初心者から上級者まで使いやすい環境も整備した。近年は男性の美意識が高まり、同売場の売上げは2015年度(15年4月~16年3月)から21年度までに約1.9倍に膨らんだ。コロナ禍でも「イエナカ消費」を追い風に好調が続くだけに、リモデルで勢いに弾みを付ける。

【告知】より詳細な情報は弊誌「ストアーズレポート」の3月号(発売は3月4日)、化粧品特集をご覧下さい

売場は「スキンケア、メイク、美容機器、シェービング、その他」、「フレグランス」、「ヘアケア、ボディケア、インナーサポート」で構成。ブランドは新規に「アーティスティックアンドシーオー」、「アスタリフト メン」、「アスレティア」、「アヴェダ」、「ビブリオテク ブランシュ バイ バロン」、「コアフィット」、「ダヴィネス」、「イースリーライブ」、「イイスタンダード」、「エリクシノール」、「エンドカ」、「フォブ」、「ヒーリー」、「ヘンプス」、「ラブソルー」、「メゾン マルジェラ フレグランス」、「マリージャンヌ」、「マービス」、「オブヴィアス」、「リトゥ」、「シャクダ」、「タンビ」、「ウカ」、「ヴァイタルマテリアル」を加えた。

美容機器を常設で扱うのは初めて

品揃えの感度を上げ、選択肢を増やすとともに、美容機器はアーティスティックアンドシーオーやコアフィット、インナーサポートはエンドカやエリクシノール、ヘアケアはイイスタンダードやアヴェダ、ボディケアはシャクダやヴァイタルマテリアルをラインナップ。いずれも初めてカテゴリー化した。

ヘアケアやボディケアなど、コスメ以外も充実させてコーナー化した

増床・改装では“体験価値”も重視。初心者、中級者、上級者の関心に合わせた環境、サービスを新たに採用した。ブランドにとらわれず気軽に商品を試せるトライアルスペース、AIミラーによる肌測定サービス、メイクアップカウンター、半個室のパーソナルスペースなどだ。トライアルスペースには、ファッションに造詣が深いキュレーターが推奨する商品を並べた「キュレーター/アワード」も設置。初心者の〝教科書〟を担う。トライアルスペースやキュレーター/アワードは、テーマを決めて2~3週間で変更。ファッションのブランドとのコラボレーションも予定する。

初心者の参考に、キュレーターがセレクトした商品を陳列

AIミラーによる肌測定サービスは「男性は数字で自分の肌を知ると、改善へのモチベーションが上がり、『これを使おう』となる」(木村円香クロージング&アクセサリーⅡグループ新宿紳士営業部セレクトショップ担当(シャツタイ・コスメ・プロモーション)バイヤー)という性質を踏まえた。

最新の「AIミラー」による肌測定サービスを導入

メイクアップカウンターは、中級者以上の利用を想定。パーソナルスペースは鏡と机、椅子を備え、美顔器の体験会やカウンセリングなどに使う。原則として予約制だ。

半個室で、周りの目を気にせずカウンセリングを受けられるパーソナルスペース

増床・改装を機に、インターネット通販サイト「三越伊勢丹オンラインストア」との連携も深める。メンズコスメティクスのページをリニューアルし、肌のタイプや季節に応じた商品の提案、化粧品の使い方の指南などを強化する一方、化粧品売場では三越伊勢丹オンラインストアの利用を促す媒体を渡し、シームレスな販売を実現する。

同じ商品の買い替えであれば、店舗に来るよりネット通販サイトで済ませたい客は珍しくない。来店に拘泥せず、顧客本位の販売を徹底し、客のロイヤルティを育む。木村さんは「企業としてシームレス化を進めており、今後は地域事業会社のサロンなどにサンプルを置き、買ってもらえるようにもしたい」と“次の一手”を思い描く。

16日の新装オープン後は、メンズコスメのブランドとファッションのブランドのコラボレーションを積極化。ファッションの感度が高い男性を呼び込む。3月16日からは「アスタリフト メン」と「ダニエル アンド ボブ」の「メンズ館別注コラボレーションキット」を販売するが、木村さんは「できれば、全てのメンズコスメのブランドで実施したい。切り口としては、タオルなど日本の伝統とのコラボを軸に考えている」という。

メンズ館の1階は、プロモーションスペースも刷新。その一角には「オールグッドフラワーズ」とコラボレーションしたフラワーショップが16日にオープンした。

中村佳佑氏が率いる設計事務所、ダイケイ・ミルズが「花壇」をキーワードにデザインした「オールグッドフラワーズ」

多彩なビンテージライフスタイルアイテムが集う

他の場所はイベントやポップアップショップなどに充て、3月1日まではビンテージライフスタイルアイテムに特化したイベントが開催中だ。日本最大級のビンテージアイテムのインターネット通販サイト「VCM」が「時代とつながる」をテーマに手掛ける。

(野間智朗)