2021年09月28日

パスワード

購読会員記事

今こそ百貨店とメーカーが一丸で“衣料品・雑貨販売革命”を 高島屋執行役員新宿店長・難波斉氏に聞く

前任のジェイアール東海高島屋常務営業本部長時代に描き、温めてきた“衣料品・雑貨販売革命”に着手する考えを明かした、高島屋の難波斉執行役員新宿店長

百貨店とアパレルメーカー、服飾雑貨メーカーの共存共栄に秘策アリ――。今年3月1日付で高島屋新宿店長に就いた難波斉執行役員には、前任のジェイアール東海高島屋常務営業本部長時代に描き、温めてきた“衣料品・雑貨販売革命”のプランがある。百貨店業界は長く、衣料品を利益の根源としてきた。しかし、ファストファッションやインターネット通販サイトの台頭などを背景に、近年は不振。昨年来のコロナ禍も逆風を強め、アパレルメーカーはショップの撤退やブランドの改廃を余儀なくされた。百貨店も、屋台骨が揺らぐ。難波氏が目指す改革のハードルは高いが、ピンチこそチャンス。高島屋の役員であり、店長であり、婦人服の経験も豊富な難波氏の金言に、ぜひ耳を傾けて欲しい。

――新店長としての所信表明をお願いします。

「新宿店は2015年以来ですが、多くの百貨店と同様、食品や家庭用品などのカテゴリーは売上げが良い一方で、衣料品は厳しく、既存のメーカーは軒並み苦戦しています。新宿地区には4つの百貨店とルミネ新宿、ルミネエスト新宿、ニュウマン新宿などがあり、衣料品に限らず、靴にせよバッグにせよ、どのように差異化を図るかは、常に大きな課題です」

――今後の取引について、具体的な方針はありますか?

「『価格の適正化』、『定価販売品の拡大による、百貨店とメーカー双方の利益確保』、『セールの時期の見直し』の3つを主軸に考えています。価格の適正化については、過去にはクリアランスセールの初日に多くのお客様が来店しましたが、今は価格で選ぶのではなく、自分の“納得度”が高いものを買い求める方が大半です」

「その中で、ユニクロをはじめとするファストファッションの台頭で、以前よりもさらに、価格と品質のバランスにシビアな目を向ける方が増えているように思います。消費者が多くの情報をキャッチする昨今、また比較購買が当たり前の中、例えばクリアランスセールで3割引にしても、お客様が売場に駆け込んで来る時代ではありません」

――2つ目の、定価販売品の拡大による百貨店とメーカー双方の利益確保とは、どういう意味ですか?

「ファッションは毎年トレンドが変わりますが、これらに左右されない、顧客に一定の支持を得られたオーソドックスなデザインのベーシックアイテムについては、婦人服であってもセールにかけることなく、適正価格で毎年定価で売り続け、需要に見合った供給を適正に行っていきます」

「一定の品質の紳士靴やバッグなどが、3年~5年かけてもそれを損なわずに販売を継続できるように、婦人雑貨でも一定の期間をかけて売上消化率を相互で高めていかない限り、差引利益を享受することはできないはずです。紳士服や紳士雑貨と比べて、婦人服や婦人雑貨は定価販売品のシェアがまだ小さいので、これを徐々に拡大していけば、百貨店とアパレルメーカー、服飾雑貨メーカーの利益を確保できると思っています」

この記事の全文を読むためには、購読手続きが必要になります。
すでに購読済のユーザーは以下からログインし、引き続きお楽しみ下さい。