2025年11月 大手百貨店4社売上高
冬物衣料が好調、地方都市が堅調に推移


大手百貨店4社の11月売上高は、大丸松坂屋百貨店が3.7%増、阪急阪神百貨店が3.6%増、高島屋が0.2%増と3社が4カ月連続で増収となった。三越伊勢丹は0.2%減と減収に転じた。免税売上げは大丸松坂屋百貨店が13.3%増、高島屋が3.1%減だった。国内顧客は気温の低下に伴い、各社で冬物衣料に動きが見られた。
高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は0.2%増で、店頭に限ると1.6%増だった。免税売上高は3.1%減、免税を除いた店頭売上高は2.3%増となった。国内顧客は、気温の低下に伴いコートなどの冬物衣料に動きがみられたことで前年を上回った。インバウンド顧客は、化粧品、婦人服などは前年よりプラスだったが、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品がマイナスとなった影響が大きく、前年を下回った。
店舗別では12店舗のうち、京都(5.4%増)、玉川(5.3%増)、大宮(4.5%増)、大阪(3.8%増)、日本橋(1.4%増)、高崎(0.7%増)、柏(0.6%増)、泉北(0.2%増)の8店舗が増収だった。主要5品目は、身の回り品(6.9%増)、雑貨(6.4%増)、衣料品(1.7%増)食品(0.6%増)がプラスとなった。
三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は0.2%減だったが、三越伊勢丹は0.2%増と堅調に推移し、3カ月連続で前年を上回った。
気温の低下とともに、カシミヤなどの上質素材のコートやセーター、ブルゾンといったシーズンアイテムが稼働した。商品供給力に強みのある高額時計についても、国内顧客・海外顧客ともに売上高が大きく伸長した。国内顧客は同社とつながりが深い識別顧客が引き続きけん引。海外顧客においても、海外外商を中心に同社と繋がった個客の売上げが伸長し、アプリも含めたCRM戦略の効果と必然性が高まっている。
店舗別では日本橋(3.6%増)、静岡(3.4%増)、高松(3.1%増)、岩田屋(3.0%増)、新潟(1.9%増)、立川(0.6%増)が前年を上回った。主要5品目は、雑貨(5.9%増)、家庭用品(1.3%増)がプラスだった。
大丸松坂屋百貨店(関係百貨店を除く)の売上高は前年比4.5%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計も3.7%増で4カ月連続でプラスとなった。免税売上高は13.3%増、客数9.9%増、客単価3.1%増となった。国内売上高(免税売上げの本年・前年実績を除く)は2.7%増だった。店舗別では心斎橋(14.3%増)、芦屋(7.8%増)、神戸(6.1%増)、東京(3.8%増)、静岡(3.5%増)、高知(3.4%増)、下関(2.4%増)、須磨(2.3%増)、名古屋(2.0%増)、札幌(1.7%増)、京都(0.7%増)、高槻(0.7%増)がプラスだった。
主要5品目は、身の回り品(6.8%増)、雑貨(4.5%増)、衣料品(4.3%増)、食品(3.3%増)がプラスとなり、家庭用品(5.3%減)がマイナスだった。品目別では婦人服・洋品(4.7%増)が平年に比べ気温が低くかったことから冬物衣料品が動き、ラグジュアリーブランドも好調を持続し前年を上回った。紳士服・洋品(3.0%増)は、コートやブルゾンなどの防寒衣料品が動いたことなどからプラスとなった。身の回り品(6.8%増)は、訪日外国人客数の増加に伴い、アクセサリーやハンドバッグなどが好調に推移した。雑貨(4.5%増)は、化粧品がけん引したほか、外商顧客向け催事で宝飾品が好調だったことにより、前年を上回った。食品(3.3%増)は歳暮ギフト需要により、菓子が大きく売上げを伸ばした。
阪急阪神百貨店の売上高前年比は、15店舗のうち11店舗がプラスとなり、全店計で3.6%増、4カ月連続でプラスとなった。阪急本店は0.7%増、阪神梅田本店は22.9%増だった。支店は神戸阪急(6.4%増)、西宮阪急(5.6%増)、高槻阪急スクエア(4.6%増)、川西阪急スクエア(4.1%増)、あまがさき阪神(3.6%増)、阪神・にしのみや(3.3%増)、宝塚阪急(1.1%増)、千里阪急(1.0%増)、阪急メンズ東京(0.6%増)がプラスだった。
主要5品目は、雑貨(6.2%増)、衣料品(6.0%増)、食品(5.4%増)がプラスとなり、身の回り品(6.2%減)、家庭用品(1.6%減)がマイナスだった。