2025年10月 東京・大阪地区百貨店売上高
2カ月連続プラス、秋冬物衣料品と高額品が好調

日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の売上高は1358億円余で、前年比(店舗調整後)は3.7%増と2カ月連続でプラスだった。入店客数も2.8%増と前年を上回った。下旬以降の気温低下に伴い、秋冬物衣料品が好調に推移し、宝飾、時計などの高額品が伸長した。国内売上げも4.5%増と前月より0.6ポイント伸び、活況を呈した。
3カ月移動平均値は、直近の8~10月が1.4%増、7~9が3.7%減、6~8月が8.1%減、5~7月が9.9%減、4~6月が8.8%減、3~5月が6.5%減だった。
商品別では、主要5品目のすべてがプラスだった。 細分類では、紳士服・洋品、婦人服・洋品が共に2カ月連続、美術・宝飾・貴金属、菓子、惣菜が3カ月連続でプラスとなった。化粧品は3カ月ぶり、生鮮食品は19カ月連続でマイナスとなった。
衣料品(3.1%増)は、気温低下に伴い、紳士服・婦人服共にニット、コート、ジャケット、ブルゾンなどの冬物衣料品が好調に推移し、マフラーといった首回りの防寒アイテムも稼働した。婦人服や子供服では七五三やお受験などのオケージョン需要も見られた。リカバリーウェアは好調に推移した。
身の回り品(0.5%増)は、国慶節休暇(10月1~8日)や円安基調の中、インバウンド需要が復調の兆しを見せ、ラグジュアリーブランドのハンドバッグなどが伸長し、9カ月ぶりにプラスに転換した。行楽需要からカジュアルシューズや軽量バッグなども好調に推移した。
雑貨(11.0%増)は、化粧品で一部ブランドの価格改定前の駆け込みが見られたほか、スキンケア商品やホリデー限定商品など、国内外共に好調に推移したが、改装工事の影響などもあり、0.6%減と僅かに前年に届かなかった。美術・宝飾・貴金属は好調に推移し、2か月連続で2桁増となった。
食品(3.6%増)は、生鮮食品は品目によるばらつきが見られるものの、全体としてはマイナス基調が継続。菓子はギフト需要に加え、新店オープンなどの改装効果もあり8.3%増と高伸した。ECを中心にスタートしたおせちやクリスマスケーキの予約は、原材料費の高騰などにより商品単価が上昇傾向にあるものの、各社の多彩な商品展開や販促策により順調に滑り出した。