2025年9月 東京・大阪地区百貨店売上高
8カ月ぶりにプラス転換、中旬以降に秋物稼働

日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の売上高は1289億円余で、前年比(店舗調整後)は2.5%増と8カ月ぶりにプラスとなった。休日1日減や長引く残暑などの影響で、入店客数(1.4%減)は前年を下回ったものの、売上高は各社の得意客向け催事の開催時期ずれや一部店舗の改装工事の影響が一巡したことなどで前年を上回った。国内売上げも、各社の販売・来店促進施策が奏功し、3.9%増とプラスに転換した。
3カ月移動平均値は、直近の7~9月が3.7%減、6~8が8.1%減、5~7月が9.9%減、4~6月が8.8%減、3~5月が6.5%減、2~4月が4.3%減だった。
商品別では、主要5品目のうち衣料品と雑貨がプラスとなった。 細分類では、紳士服・洋品、婦人服・洋品が共に、8カ月ぶりにプラスとなった。化粧品は国内外共に好調で2.0%増。菓子は食品催事や改装、彼岸などの季節需要もあり、2カ月連続でプラスとなった。
衣料品(4.5%増)は、月前半は残暑の影響で秋物商材の動きが鈍かったが、中旬以降は気温低下に伴い秋物が稼働し、紳士、婦人共に8カ月ぶりにプラスに転換。紳士服は、暑さの影響でスーツやネクタイ、ワイシャツといったビジネスアイテムは低調だったものの、カットソーなどのカジュアル商材は好調だった。婦人服はブラウスや薄手のニット、軽めのアウターといった秋物が動いた。
身の回り品(3.8%減)は、各社の外商顧客向けイベントなどが活況で、婦人靴やハンドバッグが好調だった。ラグジュアリーブランドはインバウンドの低調により8カ月連続でマイナスとなった。アクセサリーは引き続き堅調に推移した。
雑貨(10.7%増)は、化粧品が国内外共に好調で2.0%増だった。季節の変わり目に合わせた美容液やクリームのほか、フレグランスも好調に推移した。美術・宝飾・貴金属は、一部ブランドの価格改定前の駆け込みが見られたほか、宝飾はインバウンド需要も回復基調となった。金製品は相場高騰の影響もあり引き続き好調に推移。雑貨全体で2桁増と7カ月ぶりにプラスに転換した。
食品(0.0%)は、生鮮食品が5.1%減とマイナスが継続したが、サンマやブドウなどの秋の食材は好調に推移した。惣菜は3.0%増で、行楽シーズンや敬老の日など、人の集まる機会が増えたことで弁当や寿司が売れた。