京急百貨店が開店29周年イベント 特別な弁当やアート、SDGsなど多彩
10月1日は開店を待つ多くの客が列を成した
京急百貨店は1日、開店29周年を迎えた。開店の午前10時からは、ありあけの「ムーンガレット」など幸福をモチーフにした菓子を先着290人に配布。開店前には、折込チラシやSNSなどで知った客が行列した。29周年を記念して9月から「上大岡大誕生祭~Fortune Parade!~」を開いており、お楽しみ袋や「ありがとう弁当」を販売したり、アートによる街づくりを進めるNPO法人黄金町エリアマネジメントセンターと連動してアーティストの作品を展示したり、近隣の学校などと組んでSDGsに関連する企画を手掛けたり、商品券などが当たる抽選会を行ったりしている。
開店日である10月1日には、幸運をモチーフにした菓子を配布
29周年企画は9月11日から段階的に実施。同日に始まったのが「黄金町バザール+上大岡バザール 2025 通過中 We meet Along the way」で、黄金町エリアマネジメントセンターが毎年行う「黄金町バザール」を、京急百貨店および隣接するショッピングセンター「ウィング上大岡」に広げた。10月13日までの間、各階やショーウィンドーなどにアーティストの作品を展示するだけでなく、両店と黄金町の会場を巡るスタンプラリーも開催。先着でオリジナルのステッカーがもらえる。
フードコートのテーブルにもアートを施した
横浜市中区の初音町、黄金町、日ノ出町を中心にアートによる街づくりを推進する黄金町エリアマネジメントセンターとは、2017年から連携してきた。京急グループにとっては沿線の活性化に、黄金町エリアマネジメントセンターにとっては認知度の向上につながるからだ。
店内で定期的にアーティストの作品を展示。昨春に「ロフト」を誘致して以降は、三者で組んだ企画も講じている。ロフトは近年、アートや地域密着に注力しており、親和性が高い。
9月18日には「サステナブル ライフスタイルフェア」がスタート。10月1日までは、港南区の横浜市立南高校の生徒が取り組む、SDGsに関する研究のうち「新体験!上から履けるズボン」と「エコレシート・アクション」をパネル展の形式で公開し、授業が休みの土日には生徒達がデモンストレーションした。同2~8日には、横浜市立大学の学生団体「TEHs(テフズ)」がSDGsをテーマに、パネル展や海洋プラスチックを用いた万華鏡づくりなどを行う。9~15日にはロフトの「グリーンプロジェクト」を紹介。環境配慮型商品、サステナブルをテーマに企画・開発した商品などを訴求する。
横浜市立南高校のパネル展。授業がない土日は生徒達が参加型のプログラムを実施した
そのほか、不要の参考書の回収(9月18日~10月8日)、いわゆる「フードドライブ」(10月12~13日)なども実施。各階では環境に優しい商品を販売する。
9月25日~10月15日には、食品売場の「とんかつまい泉」「崎陽軒」「eashion」「とんかつ和幸」「ITO」「天ぷら つな八」「さかな屋弁当」「中島水産」「鶏三和」「まつおか」「焼肉ふたご」で、ありがとう弁当を販売。10月1日時点で売れ行きは好調だ。
「ありがとう弁当」の売れ行きは好調
10月4日には、中島水産の「刺身サクセット」(50点限定、2900円)などのお楽しみ袋を販売。同11~13日には、3~7階の対象売場で3000円以上(1レシート当たり)を購入すると、店内で使用できる商品券やレストラン券などが当たる抽選会に参加できる。
人気の「大北海道展」、ポイントアップなども絡めて、29周年をフックに客足を呼び込み、売上げのヤマとする。大山哲男取締役営業本部副本部長は「地域のお客様に支えられて、ここまで来た。30周年に向けて、感謝の想いを売場や企画に込めてやっていく」と表明。島田良亮専務取締役企画開発本部長は「新型コロナウイルス禍を挟んで約5年、世の中も当店の売上げや客数も回復してきた。特に客数が戻ったのは大きい。単価が上がっており、自然と売上げも伸びる。大規模改装は昨春のロフトの誘致で一段落したが、今後は百貨店のマーチャンダイジングでいかに買上げ客数の増加につなげるか。ウィング上大岡も含め、百貨店と専門店の相乗効果を発揮していきたい」と強調した。
(野間智朗)