2025年10月02日

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三越伊勢丹、食品定期宅配で「オイシックス」と共同開発したサラダミールキット登場

左から、三越伊勢丹第一MDグループ定期宅配営業部企画担当の東木場由衣氏、同部営業部長の岡田匡雄氏、榮太樓總本鋪社長の細田将己氏、オイシックス・ラ・大地ソリューション事業本部ISETAN DOOR事業部部長の五月女良平氏

三越伊勢丹は9月4日、オイシックス・ラ・大地と共同開発したサラダミールキット「ISETAN SALAD KIT supported by Oisix」を発売した。全国に約5万人を抱える会員向け食品定期宅配サービス「ISETAN DOOR(イセタンドア)」の新シリーズで、「サラダは食事に取り入れたいがマンネリ化する」「準備が面倒」「食材を余らせてしまう」といった利用者の声に応える。百貨店で人気の菓子ブランドとコラボレーションした斬新なサラダが毎週登場し、すでに想定以上の反響が寄せられている。当面は認知度アップを目指す。

イセタンドアは2018年にスタートした。バイヤーの知見を生かし、デパ地下の商品や催事に登場した商材など約3000品目を毎週、月に一度など会員の都合に合わせて届けている。主なユーザーは子育てを終えた層で、現状や課題として「自身の料理の味に飽きた」「料理へのモチベーションが下がる」といった声がある。サラダに関しては9割が体調管理やバランスの良い食事のために重要と捉えつつも「マンネリ化する」「準備が面倒」「食材が余る」などの悩みが判明した。サラダミールキットは人気商品だが、同社はサラダから暮らしを変えるチャンスと捉え、オイシックス・ラ・大地と新たに共同開発した。

素材ごとにパックされ、レシピとともに届く「ISETAN SALAD KIT supported by Oisix」

新たなサラダミールキットは、百貨店で人気の菓子ブランドとコラボレーションした斬新な内容だ。例えば和菓子の老舗「榮太樓總本鋪」監修の、同店を代表するあんみつに使われている沖縄県産の黒糖の黒みつをドレッシングにしたサラダは、山椒がアクセントになり味に深みとコクを生んでいる。盛り合わせたぶどうとチェリーモッツァレラはあずきや白玉をイメージしており、あんみつをサラダに再構築した。

「榮太樓總本鋪」監修のぶどうと生ハムの黒みつ山椒サラダ

「おうちサラダのマンネリ化を変えたいという挑戦の思いから、サラダの概念を変える鍵になると思い、江戸時代から続く和菓子の老舗『榮太樓總本鋪』とのコラボレーションに挑んだ」と、三越伊勢丹第一MDグループ定期宅配営業部営業部長の岡田匡雄氏は思いを語る。「当社こだわりの黒みつをもっと発展させたいと思っていたところ、サラダとのコラボレーションが実現した。山椒とあわせてドレッシングにするなど斬新で面白く、非常に嬉しかった」と榮太樓總本鋪社長の細田将己氏は、同社と共に挑戦し進化できたと喜ぶ。

「富士見堂」監修の山椒とゆず薫る、黒米揚げサラダ

ほかにもラインナップは多彩。クルミッ子で知られる「鎌倉紅谷」のキャラメルのフレーバーソースをドレッシングに使ったサラダ、蒸し鶏やゆずペーストを和えたたまごサラダを、特別に作った煎餅にのせブルスケッタのように楽しむ「富士見堂」監修のサラダ、バニラ専門店「ヒューモルガン」監修の同店で人気の塩麴で仕上げたベーコンのうま味と2種類のナッツの食感が楽しめるかぼちゃとナッツのデリサラダなど、意外な食材の組み合わせを提案し、いつもの食卓に華やかさを添える。サラダはさまざまなシチュエーションに対応できるメニューでもあり、クリスマスといったイベント需要も見込む。

イセタンドアはこれまでオイシックス・ラ・大地とマーケティングや物流で協業し運営してきた。今後は商品開発やミールキットの製造委託にまで協業を拡大する。

(北野智子)