2025年05月19日

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高島屋、好評の中元「お客様向け試食会」開催

参加者を前に、藤堂恵子バイヤー(右)と「日本橋・𠮷野鮨本店」5代目主人の𠮷野正敏氏(左)

高島屋は関東では5月30日、関西では6月1日から、「2025年 夏の贈りもの ~高島屋のお中元~」の店頭販売を開始する。近年の傾向としては、儀礼的ではなくシーズンイベントとして、自宅用の取り寄せグルメや身近な人への気持ちを伝える夏のギフトとしての利用が増加している。贈り主にも商品の魅力を伝えるため、5月14日に高島屋日本橋店で、国内外の有名ブランドやシェフたちが手掛けた商品の「お客様向け試食会」を開催した。

今回の試食会は2024年の中元、歳暮に続き3回目の開催となる。「タカシマヤアプリ」で募集され、抽選倍率は40倍という人気の企画だ。「まさか自分が当選するとは思わなかった」と参加者も驚きと喜びの声を上げている。店頭カタログには2000点以上の商品が掲載されているが、中でも半年近く時間をかけて商品化した5品が提供された。

会場となった高島屋日本橋S.C.の本館地下2階の「レストランローズ」に続々と参加者が集まった

1品目は「ザ・ペニンシュラ東京 ヘイフンテラス(起鳳臺) 夏の点心」で、料理長の小室雄亮氏の解説を聞きながら試食した。「当店は食材の味を最大限に生かす調理法を大切にした広東料理のレストラン。1980年にザ・ペニンシュラ香港 スプリングムーンが世界で初めて開発し世界に広めたXO醤を日本人向けにアレンジして使っている」。華やかな本場の味を家庭でも楽しめるよう何度もレシピを変え、レストランでの仕上がりに近づけるよう試行錯誤した。「電子レンジで温めてもよいが、よりふっくらと仕上がるため蒸し器を使うのがおすすめ」とのアドバイスに参加者は耳を傾けた。

オリジナルXO醤入りの肉焼売、海老と筍入り蒸し焼売、干し貝柱入り焼売、各30g×6、豚肉と天津冬菜 キャベツの饅頭×6がセット。8640円(画像はイメージ)

2品目は小野田剛史バイヤーが紹介した「HAKKO GINGER北海道発酵ジンジャー」。「すし職人としてオーストラリアで過ごしていた前田伸一氏が現地で出合ったジンジャービアに感動し、地元の北海道の農家と協業し作ったこだわりの一品」と紹介した。有機ショウガと唐辛子、糖蜜、有機レモン果汁を発酵させており、ショウガの風味と甘さがほどよく、唐辛子のピリッとした辛みが効いている。「キンキンに冷やすのがおすすめ。暑さで食欲が減退した時にぴったり」とのことだ。

「HAKKO GINGER 北海道発酵ジンジャー」200ml×8本、5400円。蝦夷山桜のさくらんぼ酵母を使用しており、フルーティーな香りがする(画像はイメージ)

3品目は藤堂恵子バイヤーたっての希望で実現した「shojin宗胡×フレンチレストラン ラぺ×赤坂璃宮 3シェフコラボ 夏の冷製デリ」。「キッチンで茹でることすら暑くなる夏場に、混ぜるだけで一品が完成するアンティパスト的な商品があるといいと思い、3シェフに相談した」と誕生秘話を語る。精進料理の野村大輔氏、フランス料理の松本一平氏、広東料理の譚澤明氏の創意工夫が詰まっており、ジュレ仕立ての具材と麺、特製ソースを混ぜて味わう新感覚のデリになっている。

見た目も涼しげな「shojin宗胡×フレンチレストラン ラぺ×赤坂璃宮 3シェフコラボ 夏の冷製デリ」6480円。各150g×2(画像はイメージ)

4品目は良質な生乳の乳脂肪を主原料とする、料理人からも支持されるカルピス特撰バターでつくられたアイスが登場した。「口どけもよくコクがあり、クリーミーな舌触り」「大人向きの贅沢なアイス」と参加者から感嘆の声が上がった。冷えたアイスは固く、家庭でもおいしく味わうには「少し常温で置いておき、カップの外側から指で軽く押せる程度がちょうどいい」と能城大輝バイヤーが解説する。「クラッカーなどと組み合わせてもおいしい」とのことだ。

塩、あん、キャラメル、レーズンの4種類がある「カルピス特撰バター 特撰バターアイス 12個アソートセット」各80ml×3個、5400 円(画像はイメージ)

5品目は、「東京日本橋・吉野鮨本店」5代目店主である吉野正敏氏が「ちらしずしと玉子すし」を紹介した。同店は明治12(1879)年創業の名店。「当時からシャリは酒粕を原料とする赤酢と塩のみで仕上げているが、そうすることでさっぱりとし、ネタ本来のうま味が楽しめる」と語る。含め煮した椎茸に漬けサーモン、ほかにもエビやアナゴ、コハダ、イカと丁寧な仕事が息づく江戸前鮨。薄く焼かれ甘めに味付けされた人気の玉子すしも酢飯とのバランスが絶妙。実は店で使われてきた包装紙には「高島屋さんうら通り」と書かれており、同百貨店とのつながりも披露され、会場が沸いた。

「東京日本橋・吉野鮨本店 ちらしずしと玉子すし」300g×2個、5940円。「食品加工の技術が高く、勉強になった」と吉野氏(画像はイメージ)

会の締めには営業企画部の担当者がこれまで開催した試食会を振り返り、「商品を企画・開発するだけでなく、実際に手に取り、目で見て、味わってもらうことが大切だと感じている。今年の歳暮でも開催するか検討中」と述べると、会場からは「またぜひ開催してほしい」と拍手が起こった。「料理人や職人の技術があってこそ実現した商品ばかり。今後も信頼関係を築きながら様々な商品をプロデュースしたい。ただし、贈り物であること、贈られた方々がおいしい、嬉しいと感じてくださることを大切にしていきたい」と藤堂恵子バイヤーも抱負を述べる。会の終了後には「ギフトとしてはもちろん、自宅用にも購入したい。在宅の主人のご飯にもいい」と参加者から声が寄せられた。

本年の中元では、「贈って喜ばれる、『自宅でプチ贅沢を楽しめる、夏のごちそう』」や「人気のアイス&クールデザート」などを提案している。今夏は大阪に注目が集まることから「知ってる?知りたい!大阪グルメ」も特集した。カタログ掲載商品は約2000点、うち1200点は日本全国送料無料。オンラインストアでは最大約4200点掲載している。アプリ会員特典として食品フロアで使える200円クーポンプレゼントなども実施するため、歳暮での試食会開催について知りたい場合は、アプリ会員になることをおすすめする。

(北野智子)