2024年05月02日

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国内6年ぶりの展覧会「《開店90年記念》四代 田辺 竹雲斎展 守破離」

《日本橋髙島屋開店90年記念》
四代 田辺 竹雲斎展 守破離
■2023年7月20日(木)~30日(日)日本橋高島屋S.C.本館6階美術画廊
■2023年7月20日(木)~8月6日(日)日本橋高島屋S.C.本館6階美術画廊X
※本館1階正面ステージのインスタレーションは7月15日(土)から

日本橋高島屋S.C.では「四代 田辺 竹雲斎展 守 破 離」を7月20日(木)より開催いたします。本展は、近年のテーマである「守破離」の集大成の展覧会として、歴代竹雲斎の技術を継承する作品をはじめ、8人の異分野の作家とのコラボレーション作品、伝統とテクノロジーの融合作品など、竹工芸の新たな可能性を模索する新作の数々を一堂に展観いたします。

明治時代に端を発する田辺 竹雲斎氏。大阪府堺市で竹工芸の心と技を伝承してきました。当代は幼少より竹工芸を始め、東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、父・三代竹雲斎に師事し、2006年に田辺小竹、2017年に四代 田辺 竹雲斎を襲名。伝統的な竹工芸技術を継承し、異分野とのコラボレーション、現代アートとしての新たな一面も見せる活動は、国内外の美術館やアートイベント、ラグジュアリーブランドなどから注目を集め、発表の機会が拡大しています。
年々進化するインスタレーションや作品や、竹を編み込む緻密な技術によって生み出される造形オブジェ、数理モデルを応用した作品は、これからの新しい工芸の魅力を感じさせます。また、全国から門弟が集まり、伝統と革新を生み出すハイブリッドな工房として、互いの技の研鑽のみならず、大型作品の共同制作や地域振興の領域まで、持続可能な未来を見通した活動を続けています。

  • 展覧会構成と作品一例

[Ⅰ]「守」“伝統”を継承した作品
初代竹雲斎が得意とした重厚な編み方「荒編み」、二代竹雲斎が編み出した繊細な透かし編みの技法「亀甲編み」や「鱗編み」、三代竹雲斎が取り組んだ200年前の弓矢の矢の竹(矢竹)を用いた構造的な作風など「竹雲斎七技」を使った伝統技法を駆使した意欲的な作品が揃います。

「舟形花籠帆風」69×28×26.5cm Photo by Tadayuki Minamoto

[Ⅱ]「異分野とのコラボレーション作品・現代アート作品

①「花無心・Disappear(ディスアピア)」シリーズ(アルゴリズムとの融合)

シンガポール在住の建築学者・デジタルアーティストの貝島佐知子氏の構造計算による設計図をもとに編み上げられた「伝統工芸とアルゴリズム幾何学の融合」を表現した次世代の挑戦的作品。今回は、デザイン図や計算式などのデジタル画面でご覧いただき、制作工程にも迫ります。

「花無心Ⅴ」61.5×61.5×56cm Photo by Tadayuki Minamoto

②異分野若手工芸作家とのコラボレーション作品
近年、精力的に取り組む制作活動の中で、異分野の若手工芸作家との多彩なコラボレーションが大きな反響を呼んでいます。平面作家との融合作品は今回初の発表となります。
コラボレーション作家:小黒アリサ(木彫)、笹井史恵(漆)、鈴木翔太(金属)、田島周吾(日本画)、若杉聖子(白磁)、若宮隆志(漆芸)

「四神花籠」41×38.5×54.5cm※(小黒アリサ・若宮隆志コラボ)Photo by Tadayuki Minamoto

「上弦の舟」93.5×18.5×25cm※(笹井史恵コラボ)Photo by Tadayuki Minamoto

③現代アート作品
海外の美術館やギャラリーでの発表を通じ、彫刻的なオブジェ作品の制作に期待を感じてきました。今展では、虎竹・黒竹・鳳尾竹を用いた彫刻的オブジェ作品を展覧いたします。

「循環」151×71×139cm Photo by Tadayuki Minamoto

]「巨大インスタレーション
2016年フランス・ギメ東洋美術館での巨大インスタレーションから、世界9カ国の制作や作品を紹介します。竹は東アジアだけにしか生息せず、竹を芸術作品にしているのは日本が中心です。「プリミティブな環境にやさしいアート」として、近年のSDGsの潮流にも乗り世界で注目を集めています。展示終了後は解体し、素材は次の作品へと再利用します。今展では、美術画廊内の演出でも竹のインスタレーションをご覧いただけます。

※写真はイメージ

  • イベント

インスタレーション公開制作」
■公開制作:7月10日(月)~14日(金)
■作品展示:7月15日(土)~8月1日(火)※最終日は17時まで。
■本館1階正面ステージ

「献花パフォーマンス上野雄次」
■7月20日(木)14時~
■本館1階正面ステージ

[上野雄次]華道家、アーティスト。顧客の前で生け花を競うライブパフォーマンス「闘う花会」を主宰。
インドネシア(バリ島)、タイなどでも制作活動を行う。工芸家や音楽家などとのコラボレーションも多数。

「四代 田辺竹雲斎×前﨑 信也×貝島 佐知子ギャラリートーク」
■7月22日(土)14時~
■本館6階 美術画廊

[前﨑 信也]1976年生まれ。京都女子大学生活造形学科教授。龍谷大学文学部卒業後、イギリスに留学。専門は工芸文化史、文化情報学など。著書・論文多数。
[貝島 佐知子]デジタルアーティスト、シンガポール在住の建築学者。今回は「伝統工芸とアルゴリズム幾何学の融合」を表現した次世代の作品に挑戦。

B-OWND×四代 田辺竹雲斎企画
「日本文化の未来-公開型作戦会議 田辺竹雲斎×石上賢×岩本涼ギャラリートーク」
■7月23日(日)16時~
■本館6階 美術画廊
■司会:前﨑信也
[岩本 涼]日本の起業家、茶道家。株式会社TeaRoom代表取締役CEO。Forbes Japan 30 UNDER30「世界を変える30歳未満30人」に選出。
[石上 賢]B-OWNDプロデューサー。これまで50を超える展覧会を企画。

B-OWND×四代 田辺竹雲斎企画
岩本涼アート茶会≪予約制≫」
四代 田辺竹雲斎氏制作による竹のアート茶室「竹世庵」。アートを楽しみながらお茶をいただく空間を創出いたします。※お席は茶室前の椅子席となります。
■7月23日(日)11時~15時
■本館6階 美術画廊X
■先着32名様
■呈茶代:1000円(税込)
■予約受付期間:7月14日(金)0時~21日(金)19時30分まで
※HPからご予約いただけます。
https://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/topics/1_2_20230606172824

  • 四代 田辺 竹雲斎 略歴・活動

四代 田辺 竹雲斎

1973年 大阪府堺市生まれ
1999年 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
2006年 田辺 小竹を襲名
2016年 インスタレーション(フランス国立ギメ美術館)
2017年 四代 田辺 竹雲斎を襲名、インスタレーション(メトロポリタン美術館/NY)
2019年 インスタレーション(オドウンパザル近代美術館開館記念展/トルコ)
2021年 アートフェアにて東京史上最大のインスタレーション(東京アートフェア)
2022年 インスタレーション・個展(Gucci 並木/東京)、インスタレーション(ロエベバルセロナ/スペイン)
<受賞歴>
2007年 COSTEN bamboo prize
2012年 内閣官房 国家戦略室より「世界で活躍「日本」を発信する日本人プロジェクト」に選出
2015年 公益信託タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞を受賞
2022年 芸術選奨文部科学大臣新人賞、大阪文化賞を受賞
<収蔵先>
メトロポリタン美術館、シアトル美術館、ボストン美術館、大英博物館など

■お問い合わせ先 日本橋高島屋:03-3211-4111(代表)