2022年07月02日

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一四代 平戸悦山 今村 均 展

繊細優美、精巧緻密

会 期:2022年3月22日(火)~28日(月) ※最終日は午後4時閉場
会 場:そごう横浜店 6階=美術画廊
お問い合わせ(掲載用):045(465) 5506 (美術画廊直通)
このたび、そごう横浜店では「一四代 平戸悦山 今村 均 展」を開催いたします。
「三川内(みかわち)焼」は、有田焼、波佐見焼と同様、およそ400年の歴史を持つ長崎県佐世保市の窯場です。江戸時代の初め、この地にて純白の白磁作りを成功させた、三代目今村弥治兵衛 如猿(じょえん)を祖とし、平戸藩御用窯として代々献上陶磁器を作ってきた「平戸窯悦山」の一四代窯主、今村均氏。
本展では、今村均氏の代表作、白磁細工「虫かご」、「白龍」、「蓮」など、一品物を中心に、香炉、茶道具、急須他、食器類まで、いずれも一四代平戸悦山ならではの特色ある繊細優美な代表作品約60点を展覧・販売いたします。
一四代平戸悦山今村均氏は、自ら図案、轆轤、細工、焼き上げまで、全ての工程を分離せず、一貫制作を行い、先人たちを超える卓越した「捻(ひね)り細工技術」を確立し、捻り細工技術の最盛期、明治時代にもなかった、新たな造形美を生み出しました。
2021年には、長崎県指定無形文化財「三川内焼細工技術」保持者に指定されています。
その透き通るような薄手の白磁の高貴な美しさは、凜とした美しさの中に人の手が作った独特の温かみがあります。先人たちを超える超絶技巧が生み出す、その繊細優美な造形美の美しさを真近でご覧いただけます。

◆会期中は、一五代平戸悦山嗣今村ひとみ氏(一四代の次女)が、会場に常駐し、ご来場いただいたお客さまに作品の説明をさせていただきます。◆

  • 主な出品作品

​●白磁細工「虫かご」(籠目/鈴虫)(直径12.0cm×高さ14.0㎝)

古くは奈良時代からと云われる虫の鳴き声を楽しむ文化に着想し制作しました。虫かごの土台は轆(ろくろ)づくりし、脚を彫刻します。虫かごの中には茄子と番(つが)いの鈴虫を据えています。茄子は轆轤の後、捻り細工をします。番いの鈴虫も指先を使って捻り細工よって作ります。
細さ約2ミリの竹ひご状にのばした粘土を周囲約60本で丸屋根の柱にしていきます。屋根の籠目文様は透かし彫で剣先と呼ばれる先の尖った刃物を用い、切り抜き紋様を表現します。
轆轤、細工から焼き上げまでの全ての収縮を目算し一体で焼き上げた、超絶技巧の逸品です。

●白龍 (直径22.0×高さ24.5cm)

白龍は古代中国の伝説では天上界の皇帝に仕えてきました。日本では神聖なる守護神とされてきました。その神秘的な白龍を題材に制作しました。
白龍の持つ大きな宝玉は轆(ろくろ)により中空に丸く挽き、削り仕上げをします。宝玉の上で、捻り細工によって龍の造形をし、千の鱗(鱗)を施し、角、牙、睫毛の一本一本を手のひらと指先を使って鋭い部位をつくり 折を見て表情をつけていきます。宝玉の成形、白龍の細工から焼き上げまでの収縮を目算し、一体で焼き上げます。1300 度の炎の中を生き抜いた力強さの美、渾身の逸品です。

●蓮 (直径25.0cm×高さ18.0cm)

2005年に蓮のセンターピースを依頼されたことが、一四代平戸悦山の蓮づくりの始まりとなりました。
平戸白磁の原料の特性上、これまで大きな捻り細工品は珍しく、大掛かりな貼付け技術も伝えられていませんでした。この磁土での貼付けの難しさは成形から接着、乾燥、焼上げまでの収縮を目算し、一体で焼上げることにあります。一四代平戸悦山の蓮は全てのパーツを轆轤で挽きます。花弁は薄く球体を挽き、その球体から花弁になる部分を、2~3分割し、捻り細工を施し花弁を作ります。花托(ハチス)を芯に成型した花弁を貼り付けていく工程により制作されます。複数の轆轤成型から生まれる重なり合う曲線が魅力の蓮作品は一四代平戸悦山の優美な逸品です。
※センターピースとは部屋の装飾品の中心的な物を指します。

●桜尽くしボンボン入れ (直径10.5cm x H8.5cm)

平戸三川内焼の「手捻り」と云われる技法を用いた、繊細で躍動感のある蓋物。ひとつひとつ手作業で丁寧に細工を施し、桜の花が満開になる様子を表現したボンボニエールです。

●舌出三番叟(しただしさんばそう)人形

1664年、平戸藩主は純白磁器の焼成に成功した三代目『今村弥次郎兵衛』に『如猿』名を与えました。容貌が色黒が猿に似ていたため「猿の如し」に心おさまらず、猿を以て三番叟を躍らせ舌を出す人形を作り、藩主に献上しました。首を廻し舌を出す、その面白さに藩主もとより長崎の出島に滞在していたオランダ人の間にも好評を得、大量に輸出されました。1867年のパリ万博にも出品され、ナポレオン三世の皇后ウジェニー妃の目に留まり買い求められました。御用窯が廃止になった明治以降も継承され輸出されました。現在も平戸窯で、一子相伝の昔の儘の技法により手づくりされています。

●蟋蟀白菜香炉

●菊置きこまつなぎ香炉

●菊尽しボンボン入れ

  • 一四代 平戸悦山 今村均

長崎県指定無形文化財「三川内焼細工技術」保持者、佐世保市指定無形文化財保持者

一四代 平戸悦山 今村 均の手仕事
捻り細工技術は、平戸藩の御用窯であった三川内皿山内で作られる磁土を細工する伝統的な技巧で、江戸時代後期、幕末、明治期にかけて細工技術は高度に発展しました。捻り細工技術とは白磁の土を手先やヘラなどの道具を用いて、あらゆるものを表現します。生き物では龍、獅子、狛犬など。植物では瓢箪や牡丹、菊花、水仙など。小間物では籠や傘など。人形の首が回り舌を出す仕掛けの「舌出三番叟人形」は、世界でも類を見ない技術です。
捻り細工技術の難しさは土の特性から焼成技術までのを理解し、技術と経験で培った収縮を目算し、一体で焼き上げることにあります。特に精巧な捻り細工は、超絶技巧と呼ばれるほどです。一四代平戸悦山の今村均は技術向上のために伝統的技術を踏襲し、卓越した技能を有しており、特に「捻(ひね)り細工技術」は途絶えかけた技術を確立し、発展させた高度な工芸技術と考えられ2014 年、佐世保市指定無形文化財保持者に、2021年には、長崎県無形文化財「三川内細工技術」保持者に指定されました。自ら図案・デザイン・轆轤(ろくろ)、細工、焼き上げまでの全ての工程を分業はせず、捻り細工技術の最盛期の明治時代にもなかった新たな造形を生み出しています。

  • 【陶歴】

1942年 長崎県東彼杵郡折尾瀬村(現・佐世保市三川内町)生まれ
1961年 陶技術向上のために陶芸家の高鶴夏山に師事。12代悦山・今村鹿男の指導を受ける
1980年 「白磁薄手銘々皿」第4回全国伝統的工芸品展 伝統的工芸品産業振興会 会長賞受賞
1981年 「白磁青海波土瓶茶器」第5回全国伝統的工芸品展 伝統的工芸品産業振興会 会長賞受賞
1982年 「白磁ティーセット」第6回全国伝統的工芸品展 伝統的工芸品産業振興会 会長賞受賞
1982年 「江戸小紋白磁煎茶器」PAC’82 福岡通産局長賞受賞
1984年 「白磁ぶどう酒盃」 第1回伝統マーク展 入選
1985年 「皇帝グラス」中国総領事館 佐世保市長より王振宇総領事に贈呈
1993年 「菊摘手桶水指」 長崎県立美術博物館収蔵
2002年 「三陵皿」 天皇皇后両陛下の長崎県行幸啓の際、ご高覧賜る
2006年 イタリア・フィレンツェ「lotus」 Museo di Doccia(ジノリ美術館)収蔵
2010年 「14°Hirado Etuzan」KORYU incontro tra Culture/ イタリア・ ゲンメ サンロッコ教会にて個展開催
2012年 「一四代平戸悦山 KAKUFUSA展」 東京 南青山ギャラリーにて個展開催
2013年 「蟋蟀白菜香炉」在大阪イタリア総領事 マルコ・ロンバルディ総領事に献上
2013年 「一四代平戸悦山 KAKUFUSA展」 ホテル椿山荘東京アートギャラリーにて個展開催
(以降 2019年迄毎年開催)
2013年 「白龍」「虫かご(鈴虫)」展示The Dolder Grand Hotel/ Zurich, Switzerland (以後2016年迄)
2014年 「紅白椿絵洋酒盃」 在日本フランス大使館 クリスチャン・マセ大使に献上
2014年 「Kakufusa Porcelain 」 Boutique & Showroom/クルーズ客船「ワールド号」で個展(2017年同)
2014年 「捻り細工技術」佐世保市指定無形文化財 指定
2017年 「一四代平戸悦山展」 大阪 藤田美術館にて個展開催
2019年 天皇陛下御即位を祝し、長崎県から一四代平戸悦山謹製 白磁細工「菊花 虫かご」献上の栄を賜る
2021年 長崎県指定無形文化財「三川内焼細工技術」保持者に指定される